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決定版(?) ニコンFマウント解説 (By キンタロウ)


最終更新日 15/09/26



昭和34(1959)年6月、Nikon Fから始まった「Fマウント」。50年超もの歴史を持つ「不変のFマウント」とはいえ、技術の進展に伴い細かな変更がなされています。

しかし露出計連動爪、露出計連動レバー、開放F値連動レバーとか、Ai-SやCPU連動、Gタイプ。。。など多数の用語や構造・構成について全体を一望できるサイトがないようでしたので、ここでまとめてみることにしました。

Fマウントの設計者が現在のようなデジタル一眼レフ時代まで予測していたとは考え難いですが、改めて見ると50年超もの間Fマウント(の基本構造)を変更せずにここまで数々の機能を追加できたことは正に驚異であると思います。

その一方、あまりにもレンズ・ボディのバリエーションがあり過ぎて、物理的に装着できない組み合わせや装着できても機能制限があるものなど混乱の極みとなっているようです。

例えば旧来のオールドニッコール(非Ai)の絞りリングとボディの最小絞り設定警告レバーとの干渉、露出計連動レバー(Ai連動レバー)との干渉などで取り付けできないカメラとレンズの組み合わせがあったり、CPUを搭載していないAiニッコールでは露出計が動かずマニュアル露出モード(勘とヒストグラム利用)でしか使えないなど、様々な制限があります。

他社のようにマウント仕様を全面変更してしまえばこれらの混乱は回避できたのでしょうが、2014年10月時点で累計生産本数9000万本を超えるニッコールレンズのユーザーを切り捨てず、多少の制限があっても互換性を維持するメーカーの姿勢は評価すべきものと考えます。

マウント径(44mm)が小さいために35mmフルサイズデジタル一眼レフ開発が難しい(?)など多くの弱点を指摘されていたFマウントですが、2007年8月23日にフルサイズフラッグシップ機「D3」が発表されました。 「FXフォーマット」と呼ばれる35mm判サイズ相当(36×23.9mm)のCMOSを搭載し、歴代ニコンデジタル一眼レフの中でトップ3にランクされる画素ピッチの大きさにより高感度ノイズ耐性は素晴らしいようです。 (但しAiの露出計連動レバーが固定式であるのが残念です)

尚、当ページのタイトルは「決定版(?)ニコンFマウント解説」となっていますが、実際はFマウントという「接点」を通して、レンズとボディ間の連動機構や自動露出関係、レンズ側の新機能(超音波モーター駆動、手ブレ補正機能)などについての解説となっています。




  インデックス
Fマウント入門
時系列で見るFマウント
基本データ
   基本データ
   フランジバックとバックフォーカス
   Fマウントの外径と幅
   Fマウントの材質
   マウントアダプター
Nikon Fマウント図 (ボディ側)
Nikon Fマウント図 (レンズ側)
Fマウントレンズ体系図
Fマウントレンズ体系図(簡易版)
Fマウントレンズ分類
レンズ分類と連動パーツの変遷
レンズ名の見方
   レンズ名を構成するタイプ識別子(比較的最近のレンズ)
   レンズ名を構成するタイプ識別子(初期のカニ爪付きオールドニッコール/従来(非Ai)レンズ)
   その他の特殊レンズ
   レンズ名表記方法の変更
 
関連用語解説
   AFレンズ
   Dタイプレンズ
   Gタイプレンズ
   DXレンズ(DXフォーマット)
   FXレンズ(FXフォーマット)
   AF-S(超音波モーター内蔵レンズ)
   AF-I(コアレスモーター内蔵レンズ)
   Ai-Pレンズ
   F3AF用レンズ
   シリーズEレンズ
   VR(手ブレ補正内蔵レンズ)
   電磁絞りPC-EレンズEタイプレンズ
 
補足解説
   ●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE
         一眼レフの基本構造と自動絞り
         レンズの絞り値とファインダーの明るさ
         絞り連動レバーと絞りの基本的な動作について
         AEと絞りのコントロール方法の変遷
         カメラ側からの絞りのコントロール
   ●露出計連動爪と開放F値設定
   ●Ai方式
         Ai方式レンズと非Ai方式レンズの見分け方
         Aiニッコール(純正)と改造Aiニッコールの見分け方
         改造Aiニッコール
         Ai方式のボディと非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズの組み合わせについて
         「 Ai方式 」のレンズ名表記
         「 AI 」と「 Ai 」の表記の違い
         《 コラム 》 Ai方式 - ややこしいお話その1(^^);と補足解説
   ●Ai-S Nikkor レンズ
         Sタイプレンズと非Sタイプレンズの見分け方
         「 Ai-S方式 」のレンズ名表記
         「 Ai-S方式 」のレンズの呼び方
         《 コラム 》 Ai-S方式 - ややこしいお話その2(^^);
         《 コラム 》 ニコンの「時間」
   ●CPU連動方式/CPU内蔵レンズ/電子接点
         CPU連動方式のレンズ群
         レンズ〜ボディ間の伝達情報(推定)
         カメラボディ側電子接点端子数
         レンズ側電子接点ピン数
         ボディ側電子接点パターン
         レンズ側接点(ピン)パターン
         ピンの波型配列について
         電子接点/ピン割当て表(推定)
         電子接点接続図
         《 コラム 》 古いAi-Sレンズを電子化するタンポポチップ(Dandelion Chip)
   ●最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー
         CPU連動方式専用ボディ
            最小絞り設定警告レバーの形式(スライド式/押し込み式)
         CPU連動方式+Ai方式併用のボディ
         Ai専用ボディ
   ●レンズ焦点距離識別レバー(プログラム切り替えレバー)
   ●瞬間絞り込み測光
         《 コラム 》 瞬間絞り込み測光、もう少しややこしいお話(^^); 》
   ●開放F値連動レバー/開放F値連動ガイド
   ●開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係
          レンズ情報手動設定
          「Nikon Df」のレンズ情報手動設定と非CPUレンズ
   ●マルチパターン測光
   ●そして完全電子マウントへ(?)
   ●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ
         カメラ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)の干渉
         カメラ側の最小絞り設定警告レバーの干渉
         レンズ絞りリング後部(スカート部)とカメラ側マウント部周辺の干渉
         レンズ絞りリング後部(スカート部)の内径と、ボディ側マウント外径の違いによる装着不能
         その他、ボディ銘板との干渉
         バックフォーカス長が短いレンズ
         非Aiのオールドニッコールレンズ(カニ爪付き)が装着できるカメラ
         《 コラム 》 何故、物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせができちゃった?
   ●モーター内蔵レンズ専用機とレンズの組み合わせ
   ●DXレンズのイメージサークルとFXフォーマットカメラの組み合わせ
   ●露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR・Gタイプ使用可否一覧
         露出計連動ピンを持つ機種
         露出計連動レバー・CPU連動方式の機種一覧
         Gタイプレンズが使えない機種一覧
         Gタイプレンズが使える機種一覧
   ●ニコンデジタル一眼レフカメラ系統図
   ●デジタル一眼レフカメラとレンズの組み合わせ
   ●終わりに
 
 
リンク − ニコン全一眼レフカメラ発売年表/仕様   以下本文中の下線のある緑色文字(例:Nikon F)をクリックすると、この「ニコン全一眼レフカメラ発売年表/仕様」の当該位置へジャンプします。
(注: IEやNetscapeはOKですが、Sleipnir等のタブブラウザでは毎回新ページが開いてしまうものがあります)




更新履歴
15/09/26 《 コラム 》 古いAi-Sレンズを電子化するタンポポチップ(Dandelion Chip) 追加
15/08/09 マウントアダプター 追加
15/07/12 ●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせに、4項目追加
15/06/28 ●デジタル一眼レフカメラとレンズの組み合わせ 追加
15/06/14 ●ニコンデジタル一眼レフカメラ系統図 追加
15/06/06 《 コラム 》 何故、物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせができちゃった? 追加
14/09/23 Eタイプレンズ追加、●そして完全電子マウントへ(?) に追記
13/12/01 「Nikon Df」のレンズ情報手動設定と非CPUレンズ 追加
11/10/09 Fマウント入門 追加
11/09/18 F3AF用レンズの解説を独立させた
11/09/04 レンズ名の見方追加
11/03/12 ●CPU連動方式/CPU内蔵レンズ/電子接点 に大幅加筆(電子接点パターン、割当て表など)
11/01/30 Ai方式と開放F値連動ガイドに関する記述修正
10/12/12 ●露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR・Gタイプ使用可否一覧) 内「EL2」の「露出計連動レバー(Ai連動レバー)」を可倒式に修正
10/08/29 ●そして完全電子マウントへ(?) に追記
10/08/15 モーター内蔵レンズ専用機とレンズの組み合わせ追加
10/08/14 Fマウントレンズ体系図(簡易版)追加
10/08/01 ●DXレンズのイメージサークルとFXフォーマットカメラの組み合わせ追加
10/07/15 「ニコン全一眼レフカメラ発売年表/仕様」への個別リンク追加(例:Nikon F
10/07/10 ●瞬間絞り込み測光に大幅加筆
10/06/27 「●完全自動絞りとAE、そして完全電子マウント(?)」項を「●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE」と「●そして完全電子マウントへ(?)」に分割した
10/06/26 レンズ分類と連動パーツの変遷Fマウントレンズ分類の下に移動した
10/06/20 Fマウント基本データに、マウント外径/幅データとマウント画像追加
10/01/31 ●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ追加
09/09/13 「Nikon D300S」関係追加
08/07/30 フランジバックとバックフォーカスの画像追加
08/11/30 ●完全自動絞りとAE、そして完全電子マウント(?) 追加
08/10/19 電磁絞りに関する説明追加
08/09/18 ●マルチパターン測光に画像追加
08/07/30 Fマウント基本データの「材質」にステンレス、真鍮クロムメッキに関する説明追加
07/09/23 「Nikon D300」「Nikon D3」関係追加
07/08/05 VRレンズの三脚積載対応追加
07/06/02 説明用画像を何枚か追加
07/05/27 「●マルチパターン測光」追加
07/05/26 「時系列で見るFマウント」追加
07/05/19 「開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係」追加
07/02/12 説明用画像を何枚か追加
06/12/10 露出計連動レバー可倒式/固定式機種修正
06/11/23 最小絞り設定警告レバー関係加筆
06/11/19 「Nikon D40」関係追加
06/06/25 新規公開




Fマウント入門



1. 初めに
2. Fマウント/レンズの簡単な用語説明
3. Fマウント/レンズのもう少し詳しい解説

  

1.初めに


 「マウント(レンズマウント)」とは、一眼レフに代表されるレンズ交換式カメラ(等)において、レンズとカメラボディを結合する機構のことです。

一眼レフの最大の特徴は、魚眼、超広角、大口径、超望遠、マクロ、ズームレンズ等など多種多様なレンズが利用できることですが、その為にはレンズとカメラボディの物理的な結合だけではなく、レンズ〜カメラボディ間の連動、例えばレンズの絞り値や撮影距離情報をカメラボディに伝える機構、ボディからレンズ絞りのコントロール、フォーカス(ピント)を合わせる為の連動機構などがマウント(レンズマウント)に求められます。

ニコンのレンズマウントは「Fマウント」と呼ばれ、昭和34(1959)年6月に発売されたニコン最初の一眼レフである「Nikon F」の「F」に由来していますが、当時のカメラは内蔵露出計、または外付けの露出計との連動のみで、自動で露出を決める「AE機能」もなく、マウントは非常に単純なものでした。

しかし、その後の各時代における技術的トレンド、例えばTTL開放測光、自動露出、オートフォーカス、超音波モーター内蔵、手ブレ補正機能など、カメラ本体やレンズに多くの機能が付加され、その対応の為に基本的なマウント規格を変更せずに色々な連動パーツが後付け/建て増し方式で追加されてきました。

それ故にカメラとレンズの組み合わせによっては、色々な制限(装着不可、露出計不動、AF不動など)が生じてしまい、非常に複雑なマウント体系になってしまっているのです。

勿論、最新のカメラに最新のレンズを装着する分には問題ないとはいえ、少し古めのカメラとレンズの組み合わせのパターンは数多くあるので、Fマウントの基本的な知識を持っていなければどの様な制限があるのか、またはないのかの判断ができません。

  (参考: ●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ ●デジタル一眼レフカメラとレンズの組み合わせ

某社のように旧マウントを捨て、全く新規のマウント(完全電子マウント)にしていればこの様な問題は起こらなかったのですが、そこは「ニコン」、古くからのニコンユーザーを切り捨てず、古いカメラに最新のレンズを装着できるように、またその逆に新しいカメラに古いレンズを装着できるように互換性を最重要視してきた結果といえます。


さて、「Nikon F」発売以来のカメラ撮影機能として、

   1.露出計との連動、操作性向上
   2.露出の自動化(AE)、精度向上
   3.電子化及びAFへの対応、合焦速度の向上
   4.手ブレ補正、電磁駆動絞りなどの搭載

が図られてきました。

その具体的な商品展開としては、

   1.連動爪(カニ爪)付きオートニッコールの発売
   2.Aiレンズの発売
   3.Ai-Sレンズの発売
   4.複雑な機械式連動を廃し、電子化(CPU搭載)したAFレンズの発売
   5.撮影距離情報を伝えられるDタイプレンズの発売
   6.超音波モーター内蔵レンズの発売
   7.手ブレ補正機構搭載レンズの発売
   8.絞りリングを廃したGタイプレンズの発売
   9.APS-C判専用のDXレンズの発売
  10.電磁駆動絞り搭載レンズの発売

となっています。


●露出計との連動、操作性向上

  「Nikon F」と同時発売された初期のニッコールレンズ(オールドニッコール)には、絞りリング部に露出計連動爪(別名:カニの爪、カニ爪)が付いており、外付けの外部露出計(ニコンメーター1型など)または外光式の「フォトミックファインダー」のピンと噛み合わせてレンズの絞り値を伝えることができました。(シャッター速度はこれらの露出計がボディのシャッター速度ダイヤルに被さる形で取り付けられるので当然連動します)

露出計連動爪(カニの爪) ニコンメーター1型 Nikon F Photomic

しかし、レンズから入射した光、即ち実際に撮影される光をカメラ内部で直接測光できれば、装着したレンズの画角やパララックス(視差)に対応できない外部露出計によるよりも高精度の測光が可能であることは明白であり、カメラボディ内に露出計を内蔵した「TTL測光方式」が編み出され、ニコンでも、「Nikon F Photomic T」で露出計がフォトミックファインダー内に、そして「Nikomat FT」でカメラボディ内に露出計が組み込まれました。

これらのカメラでもレンズの絞り値は前述の「カニ爪」を使ってボディ側(の内蔵露出計)に伝えていたのですが、「カニの爪」だけではレンズ装着時に余計な操作(露出計連動爪と開放F値設定参照)が必要なこともあって、より簡便な方式として「Ai方式」が開発されました。これはレンズの絞りリングの一部を切り欠き、ボディ側のレバーに引っ掛かるようにして露出計と連動するようにしたものです。

(d)露出計連動ガイド (B)露出計連動レバー Nikon F2 Photomic A


●露出の自動化(AE)、精度向上

 さらに「露出の自動化(AE)、精度向上」については、AE化の為にカメラ側からレンズ内にある絞り羽根の正確なコントロールが必要になり、Ai方式の改良版として Ai-Sタイプのレンズが開発され、同時にレンズの明るさやレンズタイプを識別する為の色々なレバー類がレンズ後部に追加されました。


●電子化及びAFへの対応、合焦速度の向上

 これらの付加物は機械的にレンズからボディへ情報を伝えるものですが、構造的に複雑になることもあり、昭和61(1986)年4月にAFレンズのリリースと同時にROMを内蔵して電気的に情報を伝える「CPU連動方式」が発売されました。

 さらに、レンズ内に超音波モーターを内蔵したAF-Sレンズが発売され、被写体の激しい動きにも追従する合焦スピードと、ボディ駆動のAFレンズにはない静粛性を実現しました。

オートフォーカスカメラのマウント左下部(AFカップリング CPU内蔵(電子接点)


●手ブレ補正、電磁駆動絞りなどの搭載

  ・ カメラのシャッターが開いている間(露光中)に手が動いてしまうことによる手ブレを補正するVRレンズ
  ・ 絞りリングを廃してカメラボディ側からの絞り制御のみを行なうGタイプレンズ
  ・ APS-Cサイズのデジタル一眼レフ用に特化したDXレンズ
  ・ AFカップリングによる機械的なAF駆動を廃し、超音波モーターレンズ(AF-S)専用のカメラの発売
  ・ Nikon F発売以来の絞り連動レバーによる機械的な絞り制御からレンズ内に組み込まれたステッピングモーターで絞りを駆動する電磁駆動絞り


概略以上のような経過を経て様々なパーツの追加や統合、整理を経て現在に至っています。

当サイトでは、Fマウントという「接点」を通して、レンズ体系、カメラの構造、レンズとボディ間の連動機構や自動露出関係、レンズ側の新機能(超音波モーター駆動、手ブレ補正機能)などについての解説をしています。


《 補足1 》

現代のレンズマウントの主流は「バヨネット式」と呼ばれ、複数の接合爪が付けられたレンズ(オス側)を受け側(メス側)のボディに挿入し左(または右)に回転させることで結合させる形式となっている。 昭和34(1959)年6月発売の「Nikon F」から採用されている「Fマウント」も3本爪のバヨネット式であり、その基本的な寸法的属性は現在に至るまで変わっていない。それ故に「不変のFマウント」とも呼ばれており、50年以上前に発売されたニッコールレンズが最新のニコンデジタル一眼レフに  『物理的には』  装着できる。(一部例外あり)

昔のマウントには、ネジ込み式のスクリューマウント(初期のペンタックス等で使われていたM42マウント)や、キヤノンのスピゴットマウント(FDマウント)などがあったが、現在ではほぼ全ての一眼レフカメラでバヨネット式マウントが使われている。

マウントの構造は各メーカー独自の規格となっているので、原則として同一メーカーのレンズとカメラボディのみが装着可能であるが、一部メーカーでは共通のマウントを採用しているところもある(例えばオリンパスのフォーサーズはパナソニックでも採用)。また、マウントアダプターと呼ばれる部品を使えば、マウントの違う他社のレンズを自社のカメラに装着ができることもある。(例えばニッコールレンズをキヤノンのカメラに装着できる。逆は不可)



2.Fマウント/レンズの簡単な用語説明

カニ爪レンズ
オートニッコール?
オールドニッコール?
1959〜70年代前半の最初期のマニュアルレンズ。絞りリングに「カニの爪」形状の露出計連動部品が付属しているのでこのように呼ばれていた。オートニッコールやオールドニッコールとも呼ばれる。露出計連動ピンが付いた初期のフィルムカメラで露出計と連動する。デジタル一眼レフでは一部の機種を除き物理的に装着できず、装着できる機種でも露出計が作動しないなど制限が多い。
Ai方式
Ai-Sタイプ
改造Aiレンズ
● Ai方式(Aiレンズ)とはレンズの絞りリングの一部を切り欠き(露出計連動ガイド)、ボディ側のレバーに引っ掛かるようにして間単にボディ側の露出計に絞り値を伝えられる方式。

● AI-Sタイプ(Sタイプ)はAi方式の改良版で、改良前のAiレンズと区別する為に「Ai-S」や「Ai(Sタイプ)」などと呼ばれる。似た名称に「AF-S」があるが、こちらは超音波モーターを内蔵したレンズのこと。

●以上のレンズは全てのデジタル一眼レフに装着できるが、CPUを内蔵していないのでAi方式の露出計連動レバーを持つ中級以上のカメラでのみ露出計が作動する。
CPUレンズ CPUを内蔵し電子接点経由でカメラボディとレンズ間の情報伝達を行なう方式のレンズ。86年4月以降発売のレンズには全てCPUが内蔵されている(全オートフォーカスレンズ)。全てのデジタル一眼レフに装着でき、露出計も作動する。(但し、D40などAFカップリングが省略されているカメラではモーター内蔵レンズでのみAFが可能)
非CPUレンズ? CPUを内蔵していないレンズ。露出計連動爪(カニ爪)付きオートニッコールやAiレンズ、Ai-Sレンズなどの古いMF(マニュアルフォーカスレンズ)である。
AFレンズ 昭和61(1986)年4月のF-501(ボディ内AFモーター内蔵)と同時に発売された。AFレンズは全てCPU内蔵(但しF3AF用レンズは除く)であり、Ai-S/非Aiタイプ、モーター内蔵/非内蔵、絞りリングのないGタイプ、撮影距離を伝えられるDタイプなど様々なタイプが発売されている。AFレンズは全てのデジタル一眼レフで使用可能である。(但し、D40などAFカップリングが省略されているカメラではモーター内蔵レンズでのみAFが可能)
AF-S AF駆動用のSWM (超音波モーター) を内蔵したレンズ。全デジタル一眼レフで使用可能。
Dタイプ CPU内蔵に加え、距離エンコーダーを内蔵し、被写体までの撮影距離をボディ側に伝えられるタイプのレンズ。大部分がAFレンズであり、より的確な露出制御やスピードライト調光制御を実現する。「AF(Dタイプ)レンズ」などと呼ばれる。
Gタイプ 絞りリングを省略した新タイプのレンズ。全てのデジタル一眼レフで使用可能だが、古いフィルムカメラでは使えない機種もある。Gタイプレンズは全てCPU内蔵Dタイプ(距離エンコーダー内蔵)でもある。
VR ニコンの手ぶれ補正レンズ。全てのデジタル一眼レフで使用可能だが、古いフィルムカメラでは使えない機種もある。
DXフォーマット APS-Cサイズのイメージセンサーによる撮像フォーマット。このフォーマット専用レンズは、DXレンズと呼ばれる。
DXレンズ APS-Cサイズフォーマット専用レンズ。イメージサークルが小さい為、35mmフィルムカメラやFXフォーマットカメラに装着すると四隅がケラレる。但しFXフォーマット判デジタル一眼レフではクロップ機能で使用可。レンズ名に”DX”がある。
FXフォーマット 35mm判(36×24mm)のイメージセンサーによる撮像フォーマット。レンズ名に”DX”がないレンズは全てFXフォーマットである。
Eタイプレンズ PC-Eではない一般のレンズに電磁駆動絞りを搭載した新タイプのレンズ群。デジタル一眼レフの大部分でのみ使用可能。
注:  実際のレンズでは、上記複数のタイプが組み合わされている。
 例)Ai AF VR Zoom Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D  = VR(手ブレ補正)付きのAFズームレンズで、Ai方式露出計連動ガイドを持ったDタイプレンズ。


3.Fマウント/レンズのもう少し詳しい解説

レンズタイプ 発売時期 形状 解説 CPU
オートニッコール
オールドニッコール

連動爪方式
(カニ爪方式)
59年6月〜 1959〜70年代前半の最初期の(Ai化以前の)マニュアルレンズ。絞りリングに「カニの爪」形状の露出計連動部品が付属しており、「Nikon F Photomic 」や「Nikon F2 Photomic 」、Nokomatシリーズなど露出計連動ピンが付いた初期のフィルムカメラで露出計と連動する。(連動ピンが付いたカメラはこちらを参照)

● この爪が付いた初期のレンズは、オートニッコール/ オールドニッコール/ カニ爪方式レンズ/従来レンズ/ 従来(非Ai)レンズ/ 非Aiの旧ニッコールレンズ/ 非CPUの非Aiレンズ/ 露出計連動爪方式レンズなどと呼ばれる。

● デジタル一眼レフでの使用は、 一部の機種(Df、D40シリーズ、D60、D3000シリーズ、D5000シリーズなど)を除き 物理的に装着できず、装着できる機種でも露出計が作動しない。

● レンズ例: Nikkor-H Auto 50mm F2 (64/1月)
×
Ai方式

Ai-Sタイプ


改造Aiレンズ
77年3月〜

80年2月〜



レンズの絞りリングの一部を切り欠き、ボディ側のレバーに引っ掛かるようにして間単にボディ側の露出計に絞り値を伝えられる方式。Ai-Sはその改良版でプログラムAEなどの自動露出機能に対応させるために、ボディ側から正確な絞りコントロールができるようにしたもの。改造Aiは絞りリングを切削して切り欠きを作り込んだレンズである。

これらはマニュアルフォーカスレンズでCPUを内蔵しておらず、「Nikon F2 Photomic A」以降のAi対応フィルムカメラと、一部のAi対応ハイエンドデジタル一眼レフでのみ露出計が作動する。Ai対応のカメラ以外ではデジタル一眼レフを含め装着は可能だが露出計は作動しない。

● Ai方式のレンズは、Aiニッコール/Aiニッコール(非Sタイプ)/非CPUのAiレンズ などと呼ばれる。
● Ai-Sタイプレンズは、Ai-Sニッコール/Aiニッコール(Sタイプ)、などと呼ばれる。

● 改造Aiレンズとは、既存のカニ爪レンズの絞りリングを交換または切削し、露出計連動ガイドの役割をする切り欠きを作り込んだレンズ。

● この露出計連動ガイドは、一部例外を除き後に発売されるCPU内蔵のAFレンズにも互換性保持の為に残されている。(レンズ名に”Ai”を含むレンズ)

● Ai方式のレンズ例: Ai Nikkor 50mm F1.4 (レンズ名の先頭に”Ai”が付く)
● Ai-Sタイプのレンズ例: Ai Nikkor 50mm F1.8S (最後に”S”が付く

● 注意: レンズ名に”Ai”があっても、”AF”の文字が含まれる場合はAFレンズのカテゴリーに入る。
  (例: Ai AF Nikkor 50mm F1.8S など) ( コラム: Ai方式 - ややこしいお話その1(^^);と補足解説 参照 )
×
AFレンズ

CPU内蔵
86年4月〜 オートフォーカスレンズ。マウント部にAFカップリング追加と同時にCPUを内蔵し、電子接点経由でカメラボディとレンズ間の情報伝達を行なう方式となった。以降のニッコールレンズには全てCPUが内蔵されている。

● CPU内蔵レンズは、AF/MF、モーター内蔵/非内蔵、手ぶれ補正付き、GタイプDタイプDXレンズFXレンズなど多種多様なレンズが発売されている。

● マニュアルフォーカスレンズの一部にもCPUが搭載されている。(DタイプAi-Pレンズなど)。

● CPUを内蔵していないレンズは全てMFであるが、全てのMFレンズがCPUを内蔵していないとは限らない。(Ai-PレンズやPCレンズはMFだがCPUを内蔵している)

F3AF用レンズはAFレンズではあるが、CPU内蔵方式とは呼ばない特殊な位置づけとなる。

● AFレンズにはモーター内蔵型と非内蔵型の2種類あり、内蔵型には AF-Sレンズ、または AF-Iレンズ がある。
モーター内蔵型 レンズ内に超音波モーター(AF-S)またはコアレスモーター(AF-I)を内蔵したレンズ。F4以降のフラッグシップフィルムカメラとPRONEA、全デジタル一眼レフで使用可。特にボディ内AFモーターが省略された一部のエントリークラスのデジタル一眼レフはこのモーター内蔵型レンズ以外ではAFが使えない。(D40/D3000/D5000など
モーター非内蔵型 カメラボディとAFカップリングで結合され、ボディ内AFモーターで駆動される。F-401以降のAFフィルムカメラと、全デジタル一眼レフで使用可(一部機種除く

● レンズ例: 
   Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED (レンズ名に”AF”という文字が含まれる)
   AF-S NIKKOR 600mm F4G ED VR (レンズ名に”AF-S”という文字が含まれる)
   Ai AF-I Nikkor ED 500mm F4D(IF) (レンズ名に”AF-I”という文字が含まれる)

● CPU内蔵レンズは、デジタル一眼レフでの使用においても、ほぼ制限なく使用可能である。(一部機種除く
Dタイプレンズ 92年9月〜   CPU内蔵に加え、距離エンコーダーを内蔵し、被写体までの撮影距離をボディ側に伝えられるタイプのレンズで、より的確な露出制御やスピードライト調光制御を実現する。大部分がAFレンズである。

● 92/4月発売のの「Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5D」以降の全てのレンズはDタイプである。

● 「 距離エンコーダー内蔵 」は付加機能の一つであり、レンズ種別としては距離エンコーダーが内蔵されていないレンズと区別するために例えば 「AF(Dタイプ)」 などと呼ばれる。

● レンズ例: Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED (”4.5D”の”D"がDタイプを示す)
AF-S

AF-I
96年11月〜 AF-Sは、超音波モーター(SWM)を内蔵したレンズで、被写体の激しい動きにも追従する合焦スピードと、ボディ駆動のAFレンズにはない静粛性を合わせ持ち、これらが要求されるスポーツや野生動物の撮影シーンに威力を発揮する。AF-Iは、コアレスモーターを内蔵したレンズ群で、4本のみ発売されていた。

● AF-S、AF-Iレンズは全てCPU内蔵であり、距離エンコーダーを内蔵したDタイプでもある。
● 絞りリングのあるレンズや、絞りリングを省略したGタイプもある。
● AF-S、AF-Iレンズは、全てのデジタル一眼レフで制限なく使用可能である。

● レンズ例:
   Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED (レンズ名に”AF-S”という文字が含まれる)
VR 00年11月〜 カメラのシャッターが開いている間(露光中)に手が動いてしまうことによる手ブレを補正する手ぶれ補正レンズ。全てのデジタル一眼レフで使用可能だが、古いフィルムカメラでは使えない機種もある。

● VR搭載レンズは、1本を除き全て非Ai、CPU内蔵Gタイプである。
● AF-Sレンズは、全てのデジタル一眼レフで使用可能である。

● レンズ例:
   AF-S VR Nikkor ED 200mm F2G(IF) (レンズ名に”VR”という文字が含まれる)
Gタイプレンズ 01年3月〜 絞りリングを省略した新タイプのレンズ。全てのデジタル一眼レフで使用可能だが、ボディ側で絞りをコントロールできない古いフィルムカメラでは使えない機種もある。Gタイプレンズは全てCPU内蔵Dタイプ(距離エンコーダー内蔵)でもある。

● レンズ例:
   AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR (レンズ名に”G”という文字が含まれる)
DXタイプレンズ 03年6月〜 APS-Cサイズフォーマット専用レンズ。イメージサークルが小さい為、35mmフィルムカメラやFXフォーマットカメラに装着すると四隅がケラレる。但しFXフォーマット判デジタル一眼レフではクロップ機能で使用可。

● DXレンズは、全てCPU内蔵、AF、非Ai、Gタイプである。
● レンズ例: 
   AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR (レンズ名に”DX”という文字が含まれる)
FXレンズ
(フルサイズレンズ)
    35mmフィルム判をカバーするイメージサークルを持つ。別名「フルサイズレンズ」「35mm判レンズ」「135フォーマット判レンズ」と呼ばれ、DXタイプレンズ以外の現行のデジタル対応レンズ全てを示す。

(広義では「Nikon F」当時のオートニッコールなど古いレンズも35mm判ではあるが、FXレンズとは呼ばれない)
PC-E

Eタイプレンズ

08年2月〜

13年5月〜



PC-Eレンズはアオリ機構、レボルビング機構を備えたレンズで、レンズ内に組み込まれたステッピングモーターで駆動する電磁駆動絞りを搭載している。(08/02発売のPC-E NIKKOR 24mm F3.5 D EDなど)

Eタイプレンズは、電磁駆動絞り採用の新タイプのレンズ群で、2013年5月3日発売のAF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR が最初。

PC-Eレンズは、CPU内蔵、MF、非Ai、Dタイプでもある。

Eタイプレンズは、CPU内蔵AF-SVR(手振れ補正)、非Ai、Gタイプでもある。

● ほぼ全てのデジタル一眼レフで使用可能である。




時系列で見るFマウント



昭和34(1959)年6月、「Nikon F」発売と同時にFマウントの歴史がスタートしてから現在までの約50年の間、カメラに対する様々な要求や機能アップに対応する為、 レンズ〜ボディ間の情報受け渡しやメカ的制御を行なうべくFマウントには多くの変更が加えられている。

その目的は大別して、

 1.露出計との連動、操作性向上
 2.露出の自動化(AE)、精度向上
 3.複雑な機械式連動から電子化(CPU搭載)へ
 4.AFへの対応、合焦速度の向上
 5.手ブレ補正、電磁駆動絞りなどの搭載

に分けられる。

正確に言えばマウント内径やフランジバック等の寸法的属性は変わっていないが、レンズ・ボディ共に多くのレバーやピンが付加され、Fマウントを通して連結・情報伝達を行なっているということである。

以下に時系列で主な機能追加に対応するFマウント関連の変更内容を示す。


時期 機能追加・変更 マウント関連変更内容 備考
ボディ側 レンズ側
59/06 外部(外付け)露出計との連動   露出計連動ピン 露出計連動爪 所謂「カニの爪(カニ爪)」。ニコンメーター(外付け)、「Nikon F フォトミック」
65/09 内蔵露出計との連動(TTL測光) 開放F値手動設定 開放F値補正目盛り   「Nikon F フォトミックT」 (TTL開放測光)
レンズ交換する毎に開放F値をセットし直す必要がある
67/10 レンズ開放F値通知方法変更 開放F値半自動設定     Nikomat FTN (通称ガチャガチャ
72/12 絞り優先AE       Nikomat EL (ニコン初の電子シャッター搭載、絞り優先のTTL・AE)
77/03 絞り値通知方法の変更 Aiレンズ 露出計連動レバー 露出計連動ガイド Ai = 開放F値自動補正方式。 「Nikon F2 フォトミックA」など
最小絞り設定警告用ガイド (f)EEコントロールユニット用連動ガイドを流用し、02/6発売のD100から最小絞り設定警告表示に使用。

シャッター速度優先AEマルチパターン測光搭載への布石
開放F値連動レバー 開放F値連動ガイド  開放F値(絶対値)通知用。開放F値連動レバーのあるボディは80/05月の「Nikon FG」が最初。
●開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係
80/02 絞り制御/露出制御の適正化 Ai-Sレンズ レンズ識別ピン レンズタイプ識別ノッチ AiレンズとAi-Sレンズを識別し、適正露出を確保する。
プログラムAE搭載への布石
レンズ焦点距離識別機能
レンズ焦点距離識別レバー 焦点距離識別リッジ ●レンズ焦点距離識別レバー
焦点距離が135mm以上のレンズを識別し、手ブレ防止の為に高速プログラムに切り替える。後の 「Nikon FA」でシャッター速度優先AEマルチパターン測光にて使用
82/05 プログラムAE搭載       Nikon FG(プログラムオート+絞り優先AE
83/04 第一世代AF   (電子接点) (電子接点) Nikon F3AF (AFファインダー+モーター内蔵AFレンズによる)
83/09 シャッター速度優先AEマルチパターン測光搭載       Nikon FA (ニコン初のシャッター速度優先AEと世界初のマルチパターン測光を採用)
86/04 第二世代AF+CPU内蔵 AFレンズ
CPU内蔵レンズ
電子接点
AFカップリング
電子接点
AFカップリング
Nikon F-501 (TTL位相検出方式AF搭載、ボディ内モーター。初のCPU内蔵方式)
88/03 CPU内蔵のMFレンズ Ai-Pレンズ     以下の3本のみ。Ai-Sタイプ、非Dタイプ。
Ai Nikkor ED 500mm F4P
Ai Zoom Nikkor ED 1200-1700mm F5.6-8P(IF)
Ai Nikkor 45mm F2.8P (パンケーキタイプ)
92/09 撮影距離通知
(露出・調光の高精度化)
Dタイプレンズ   (距離エンコーダー内蔵) Nikon F90 (距離情報を加味した3D-8分割マルチパターン測光)
96/11 超音波モーター内蔵レンズ AF-S     Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)が最初
00/11 手ブレ補正内蔵レンズ VR     Ai AF VR Zoom Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6Dなど
01/03 絞り環を省略 Gタイプレンズ (絞り環削除) (絞り環削除) レンズ絞りリング省略。以下の2本が最初に発売。
AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G (B/SL)
AF Zoom Nikkor 70-300mm F4-5.6G (B/SL)
03/06 デジタル専用レンズ DXレンズ     AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)
06/12 AFカップリング削除(一部機種) AF-S専用  AFカップリング削除   Nikon D40、D40x、D60、D3000シリーズ、D5000シリーズなど
08/02 電磁駆動絞り (PC-Eレンズ       電磁駆動による自動絞り機構。08/02発売のPC-E NIKKOR 24mm F3.5 D EDに初めて搭載。 Nikon D3シリーズ、D300シリーズ、及び、平成20(2008)年7月発売のD700以降の全デジタル一眼レフで使用可能となった。
●そして完全電子マウントへ(?) 参照 )
13/05 電磁駆動絞り (一般レンズへ) Eタイプレンズ 絞り連動レバー削除 以下の望遠レンズに電磁駆動絞り機構を搭載し、新たに「Eタイプレンズ」と呼称。
AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR (2013/5/3)
AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR (2014/8/28)


以上を概説すると、

昭和34(1959)年6月、「Nikon F」の発売当初から全てのレンズに露出計連動爪が付いており(極初期の一部を除く)、外部露出計と絞り連動可能であった。(シャッター速度も露出計を本体シャッターダイヤルに被せる形式なので連動する)

露出計連動爪 露出計連動爪 ニコンメーター1型 Nikon F フォトミック


昭和40(1965)年9月に発売された「Nikon F フォトミックT」(ファインダー交換式)以降はTTL開放測光を採用しており、やはり露出計と絞り連動する。(シャッターも連動する)

しかし、外部露出計や初期のフォトミックファインダー系はレンズ交換する毎に開放F値をセットし直す(開放F値手動設定)必要があり、操作面の問題からより簡単な手順で行なえる「ガチャガチャ方式」が開発された。

さらに、レンズを装着するだけで開放F値を設定できないか、という要望に対し、昭和52(1977)年にAi方式(開放F値自動補正方式)レンズが発売された。Ai方式のレンズ後部には、絞り値をボディに伝える露出計連動ガイドと、レンズの開放F値を伝える開放F値連動ガイドが追加されている。

露出計連動ガイド 開放F値連動ガイド


だがAi方式では絞りコントロールの精度に問題があり、後のシャッター速度優先AE●マルチパターン測光搭載に対応できず、3年後の昭和55(1980)年にはボディからレンズ絞りを正確に制御できるAi-S方式が開発された。(同時に焦点距離識別リッジレンズタイプ識別ノッチが追加)

図1: Aiレンズの絞り制御(イメージ) 図2: Ai-Sレンズの絞り制御(イメージ) 焦点距離識別リッジ レンズタイプ識別ノッチ

  (以上、●開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係参照)


レンズ〜ボディ間の情報のやり取りを機械的に行なうにはあまりにも複雑化してしまったFマウント。。

そこで昭和58(1983)年4月、第一世代のAF機(Nikon F3AF)において、レンズ内モーター駆動方式AFの採用を契機に ボディとレンズに電子接点を追加、レンズ内にCPUを内蔵し、AF作動電源供給や情報通信(の一部)を行なうことになった。(但しCPU連動方式とは言わない)

その3年後の昭和61(1986)年4月、第二世代のAF化(Nikon F-501)時点で電子接点数をF3AFの6端子から7端子に増やし、再規格化を行なって「CPU連動方式」と呼称されるようになった。

さらに超音波モーター内蔵レンズ(AF-S)/手ブレ補正内蔵レンズ(VR)の開発や、レンズから絞りリングを廃したGタイプレンズ、デジタル専用レンズ(DXレンズ)、電磁駆動による自動絞り機構を採用したPC-Eレンズが発売、平成25(2013)年5月には一般レンズ(望遠レンズ)に電磁駆動機構を搭載した「Eタイプレンズ」が発売され現在に至っている。



基本データ



形式 3つ爪バヨネット
マウント内径 44mm (バヨネット爪間)
マウント外径 56mm/57mm(※1
マウント幅 4.5mm/5.0mm(※1
装着角 左回転約58度
フランジバック 46.5mm
ボディ側公差 ±0.02mm以内
材質 ステンレス、または真鍮クロムメッキ(※2
 

マニュアルフォーカスカメラのマウント
 
   
オートフォーカスカメラのマウント
 

マニュアルフォーカスカメラのマウント左下部

オートフォーカスカメラのマウント左下部(AFカップリング


 

・Fマウントの原点はレンジファインダー機のニコンSマウントから始まっている。Sマウント自体はコンタックスマウントのコピーであり、ライカがねじマウントであったのに対し、コンタックスは最初からバヨネットマウントを採用していた。左に回して装着する方式もコンタックスと同様である。

・マウント内径を44mmとした理由は、135フォーマット(35mmフィルム)の対角線長43.26mmが入り切るサイズとしたことであると言われている。

・フランジバック長(マウント面〜フィルム面の長さ)の46.5mmという値は、一眼レフカメラボディ内のクイックリターンミラーを作動させるために長くする必要があったことから決められた。ただ、他社機と比較して最も長い方であり、フランジバック長が短い他社機にマウントアダプターを介してニッコールレンズを装着することも可能である。(※3

 
・フランジバックと類似の規格としてバックフォーカスがあるが、これはレンズ最後端(レンズ保持部材含む)とフィルム面の間の長さである。つまりレンズによって変わる値となる。ミラーが存在しない レンジファインダーカメラ(RF)においてはレンズ最後端を限りなくフィルムに近づけることが出来るのでバックフォーカス長は短く出来るが、一眼レフカメラではレンズと可動ミラーがぶつからないだけのバックフォーカス長が必要である。Nikon Fの頃の60年代の魚眼レンズ(Fisheye NIKKOR 8mm F8 など)では、レンズ最後端がミラーボックス内に大きく入り込んでいて(バックフォーカス長が短く)ミラーと干渉する為、ミラーアップして使用しなければならなかった。

フランジバックとバックフォーカス

 

※1:

《 Fマウントの外径と幅 》


昭和61(1986)年4月、第二世代のAF機である「Nikon F-501」が発売された。ニコンで最初にAFを搭載した「F3AF」(昭和58(1983)年4月)ではAFファインダー(DX-1AF)と駆動モーターを組み込んだAFレンズによるAFを実現していたが、「F-501」ではボディ内モーターによるAF駆動方式を採用し、マウント左下部に(J)AFカップリングが新たに設けられた為、ボディマウントの幅が広げられている。

  マウント幅: MFカメラ=4.5mm、 AFカメラ=5.0mm  (共に実測値)

結果的にマウント外径も56mmから57mmに拡大された。(以上の数値は実測値。 但し「PRONEA S」など一部の機種には外径がこれらの数値よりも大きいものも存在する)

同時にカメラボディキャップも「BF-1」から「BF-1A」(AFボディ対応)に変更されており、AFボディに旧「BF-1」以前のキャップを装着すると故障の原因となる。(ボディの電子接点部とキャップ後端部が干渉する)

AFカメラでは、MFカメラに比べてマウント外径が約1mm程大きくなっているため、レンズ側絞りリング後部のマウント部から飛び出している部分(スカート部)の内径がこれより小さいレンズはボディ内に入り切らず装着できない。よって、古いマニュアルフォーカスのフィルムカメラで使用できたレンズが、全てオートフォーカスカメラで装着できるとは限らない。

   → レンズ絞りリング後部(スカート部)の内径と、ボディ側マウント外径の違いによる装着不能

 

※2:

《 Fマウントの材質 》

Nikon F、F2、F3などのマウントはステンレス製であるが、F4からは真鍮製となっている。  (但しF3については途中から真鍮製に変更された。変更時期は不明)
よって、現在発売されているフィルム一眼レフカメラ、および、デジタル一眼レフカメラのマウントは、真鍮にクロムメッキを 施したものとなっている。

尚、ニコンでは、「ステンレス製、真鍮製ともに、ニコンの品質基準を満たしているので安心して使用できる」とアナウンスしている。

(以上、ニコンに確認済み。但し一部のカメラ雑誌には、D4やD800のマウントはステンレス製との記述がある。)


マウント部の材質の変更理由については当時より公表はされていないが、当サイト掲示板に投稿された情報によれば、AF化に伴うマウント面の(J)AFカップリング を通す穴を開ける必要があること、及び精度が必要であることから加工し易い真鍮を採用したらしい。(そして当然コスト面も?)

ちなみに、ニコン一眼レフのAF化は 昭和58(1983)年4月発売の「Nikon F3AF」が最初であるが、この機種はレンズ内モーターを採用しており、マウントに(J)AFカップリング用の穴は開いていない。AFカップリング方式(ボディ内モーター駆動方式)が採用されたのは、昭和61(1986)年4月発売の「F-501」が最初である。


尚、「Nikon F」発売当時、専門誌に掲載された記事によれば、材質は「18-8ステンレス(JIS略号はSUS304)棒」をL字型断面に加工したものが用いられている。


  18-8ステンレス: クロム18%、ニッケル8%を含む最も標準的なステンレス。JIS略号では「SUS304」。  


真鍮クロムメッキの仕様は不明であるが、「耐摩耗性」「耐食性」に優れている工業用クロムメッキ(硬質クロムメッキ=ハードクロムメッキ)が施されていると思われる。

材料仕様比較の指針の一つである「ビッカース硬さ」(工業材料の硬さを表す尺度)では、18-8ステンレス鋼(SUS304)の表面固さが200程度に対して「ハードクロムメッキ」では最低でも同750以上になるようである。(つまり、ハードクロムメッキの方が固い)

よって、強度・硬度・耐酸化性・耐粒界腐食性・耐磨耗性などの材料仕様・特性上でも真鍮クロムメッキがステンレスに劣る訳ではないようだ。

(以上、08/07/30加筆)

 

※3:

《 マウントアダプター 》


各カメラメーカーの純正レンズは、そのメーカーのカメラにのみ装着可能ではあるが、Fマウントよりフランジバック長が短い他社機にマウントアダプターを介してニッコールレンズを装着することも可能である。


フランジバックとマウントアダプター
装着レンズ(この場合はニッコールレンズ)マウントのフランジバックは46.5mm。
装着するカメラ側のフランジバックがこれより短い場合はレンズとボディの間にマウントアダプターを介して装着できる。

例えば、装着するカメラがソニーαEマウントならフランジバックが18mmであるので、

46.5mm-18mm=28.5mm

の厚さのマウントアダプターを介して装着できる。

つまり、フランジバックの短いカメラにフランジバックの長いマウント用レンズは装着できるが、逆に、フランジバックの長いカメラにフランジバックの短いマウント用レンズは装着できない。(装着できたとしても無限遠が出ないが、補正レンズにより無限遠対応のマウントアダプターもある)

レンズ側マウントのフランジバック カメラ側のフランジバック 装着可
レンズ側マウントのフランジバック カメラ側のフランジバック 装着不可

例えば、キヤノンEOSボディ(44mm)にニッコールレンズ(46.5mm)を装着できるが、ニコンボディにキヤノンEOS用レンズを装着できない。

さらに、マウント口径においても小さな口径のカメラに大きな口径用レンズ装着に制限があることもある。(フランジバックに充分な差があれば装着可能な場合もある)

APS-Cサイズのイメージセンサーを持つカメラ、例えばソニーのNEX-5Tに、マウントアダプターを介してフルサイズ(FX)ニッコールを装着すると、撮影画角はレンズ焦点距離の約1.5倍に相当する画角(望遠)となるが、最近では縮小光学系(0.7倍程度)を搭載したマウントアダプターが発売されており、これを使えば装着レンズ本来の画角で撮影できる。


表:主な一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラのフランジバック
マウント名 フランジバック 口径 備考
キヤノンEFマウント 44mm 54mm
コンタックス/ヤシカマウント 45.5mm 48.0mm
コンタックスGマウント 29.0mm 44.0mm レンジファインダー
コンタックスNマウント 48.0mm 55.0mm
ニコンFマウント 46.5mm 44mm
フォーサーズマウント 38.67mm (非公開)
ペンタックスKマウント 45.46mm 約45mm
ミノルタSRマウント 43.5mm 45.0mm
ソニーAマウント(αマウント) 44.5mm 50.0mm
ライカRマウント 47.15mm 49.0mm
ミラーレス一眼カメラ
キヤノンEF-Mマウント 18mm
ソニーEマウント 18mm 約46mm (非公開)
ニコン1マウント 約17mm? Fマウントレンズ用純正アダプターは、自動絞り、VR、AF-Sに対応
富士フイルムXマウント 17.7mm
ペンタックスQマウント 9.2mm 約29mm
マイクロフォーサーズマウント 約20mm (非公開) (両値とも非公開)

ニコンFマウントはフランジバックが長いので、ニコンボディに取り付けられる他社レンズは非常に少ないが、ペンタックス67/ペンタックス645/マミヤ645/ハッセルブラッドの各中判レンズや、補正レンズ付きでM42レンズ/キヤノンFDレンズ/ペンタックスKマウントレンズが使えるマウントアダプター、さらには、ライカR用レンズのRマウント部を取り外してFマウントをネジ止めして装着できるアダプターなどが市販されている。



Nikon Fマウント図


 

Nikon Fマウント図 (ボディ側)


最も複雑な「Nikon F4」ボディのマウント部です。





露出計連動ピンのある「Nikomat FTN」ボディのマウント部です。





可倒式の露出計連動レバーと連動レバー解除ボタンを持つ「Nikon FM」のマウント部です。





最小絞り設定警告レバーを持つ「Nikon D70」のマウント部です。





最小絞り設定警告レバーはD70等の円周方向スライド式に対し、
D40等では押し込み式となっています。


 
 

(A)電子接点
カメラボディとレンズ間の情報伝達を電気信号で行なうCPU連動方式の為の接点。昭和61(1986)年4月発売のAF搭載機「Nikon F-501」からこのCPU内蔵方式が採用された。

(B)露出計連動レバー(いわゆるAi連動レバー)
Ai方式のレンズにある「(d)露出計連動ガイド」と連動して、設定した絞りが開放絞りから何段絞ったかが伝えられる。 ( → ●Ai方式を参照 )
これには可倒式と固定式のボディが存在し、可倒式のボディの場合は上に倒して回避させることで非Aiレンズを装着することができるが、固定式のボディに非Aiレンズを装着するとレンズの絞り環がこのレバーに干渉してしまう為装着できない。(→ カメラ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)の干渉

近年のデジタル一眼レフでは、一部のプロ/ハイアマ機以外は連動レバーがなくCPU連動方式のみのボディが増える傾向にある。

(露出計連動レバーの有無、可倒式/固定式のボディ一覧はこちらを参照)

(C)連動レバー解除ボタン
このボタンを押しながら(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)を上に倒すことができる。

(D)レンズ着脱指標
レンズ側の着脱指標をこれに合わせて反時計回りに回転させ、レンズを装着する。(装着角 左回転約58度)
 
(E)レンズ識別ピン
AiレンズAi-Sレンズを識別し、適正露出を確保する。レンズ側の(g)レンズタイプ識別ノッチに対応。Ai-Sレンズが登場してから追加された。 (F5では廃止)
 
(F)レンズ焦点距離識別レバー(プログラム切り替えレバー)
レンズ側の(j)焦点距離識別リッジに対応し、焦点距離が135mm以上のレンズを識別して、プログラムモードでは手ブレを防ぐために高速プログラムに切り替える。
「Nikon FA」に初めて装備された。また、マルチパターン測光にも用いられる。
 
(G)レンズ着脱ボタン
レンズを外す時にこのボタンを押してレンズを時計回りに回す。
 
(H)レンズ着脱ロックピン
レンズ装着時、このピンがレンズ側(b)位置決め溝に入り込みロックされる。
 
(I)開放F値連動レバー
Ai(-S)方式のレンズ後部にある「(e)開放F値連動ガイド」がこのレバーを反時計方向に回し、開放F値を受け取って自動露出やファインダー内表示、マルチパターン測光などに用いられた。(Nikon F4、FAなど)

ネイティブ(純正)のAi(-S)ニッコールレンズには、このレバーに対応する「(e)開放F値連動ガイド」があるが改造Aiレンズには存在しない。
 
(J)AFカップリング
ボディ駆動式のAFレンズの場合、レンズ側の(i)AFカップリングと結合しAF作動を行なう。(G)レンズ着脱ボタンを押すと引っ込む。 D40/D40x/D60/D3000シリーズ/D5000シリーズなどモーター内蔵レンズ専用機では省略された。
 
(K)絞り連動レバー
レンズを装着するとレンズ側の(a)絞り連動レバーを押し上げ、絞りを開放状態にする。次にシャッターボタンを押すとボディ側の絞り連動レバーが下がり、押し上げられていたレンズ側の絞り連動レバーがスプリングの力でこれを追いかけ、あらかじめ設定された絞り位置で停止する。上下ストローク長は約9mm。
( 参考: ●絞り連動レバーと絞りの基本的な動作について )
 
(L)露出計連動ピン
旧来のAuto Nikkorレンズ側にある(c)露出計連動爪(カニの爪)で挟まれるピンで、レンズ側の絞り値がボディ側の露出計に伝えられる。

CPU内蔵AFニッコールレンズではこの連動爪はなくなった。

(露出計連動ピンのあるボディ一覧はこちらを参照)
 
(M)最小絞り設定警告レバー
ボディ側から絞りをコントロールする場合、レンズが最小絞りにセットされていなければならない。レンズ側の(k)最小絞り設定警告用ガイドがこのレバーを押すことにより最小絞りになっているかが検知され、最小絞りでなければ液晶表示パネルなどに警告エラーが表示される。(円周方向スライド式と押し込み式の両方式がある

このレバーはCPU連動方式専用ボディ(こちら)にあるが、 CPU+(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)併用機種(こちら)ではこのレバーは存在しない。

( 参考: ●最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー )
 

Nikon Fマウント図 (レンズ側)


「Nikon F」以来の「Auto Nikkor」のレンズマウント部です。






昭和52(1977)年に商品化された「Ai Nikkor」のレンズマウント部です。






昭和55(1980)年から発売された「●Ai-S Nikkor」のレンズマウント部です。


 
(a)絞り連動レバー
(ボディ側の(K)絞り連動レバーの説明を参照)
Sタイプ以前のレンズではこのレバーの動きと絞りの状態が比例していなかったが、Ai-S Nikkorレンズでは、このレバーの動きを絞りの段数にほぼ比例するようにした。
電磁駆動絞り採用のPC-EEタイプレンズでは、このレバーは廃止されている。
 
(b)位置決め溝
レンズ装着時、この溝にボディ側の(H)レンズ着脱ロックピンが入り込みロックされる。
 
(c)露出計連動爪(カニ爪)
昭和34(1959)年6月発売の「Nikon F」以来、レンズの絞り環に露出計と連動させるための「露出計連動爪(別名:カニの爪)」を付けたのが始まりで、どのレンズでもF5.6の位置に付けられ、これを使って絞りの絶対値をボディ側の露出計連動ピン経由で露出計に伝えることができた。

CPU内蔵AFニッコールレンズではこの連動爪はなくなった。

詳しくはこちらを参照。
 
(d)露出計連動ガイド
Ai(開放F値自動補正方式)レンズに付加され、設定した絞りがそのレンズの開放絞りから何段絞ったものかをボディ側の(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)に伝える。

●Ai方式参照 )
 
(e)開放F値連動ガイド
いわゆるAiAi-S方式のレンズにあり、開放F値をボディ側の(I)開放F値連動レバー経由で伝え、マルチパターン測光などに使用する。
このガイドがあればAiニッコール、なければ改造Aiニッコールである。
 
(f)EEコントロールユニット用連動ガイド
「Nikon F2 フォトミック S」「Nikon F2 Photomic AS」の別売オプションであるEEコントロールユニット(レンズの絞りリングを直接サーボモーターで回す方式)に連動させる為のガイド爪。
このガイドピンはどのレンズでも最小絞り時に同一位置に来るようになっているので、後にこのガイドは「(k)最小絞り設定警告用ガイド」として利用されている。
 
(g)レンズタイプ識別ノッチ
AiとAi-Sレンズの区別用。ボディ側の(E)レンズ識別ピンに対応する。
Ai-S Nikkor レンズは昭和55(1980)年に登場)
 
(h)電子接点
カメラボディとレンズ間の情報伝達を電気信号で行なうCPU連動方式の為の接点。
 
(i)AFカップリング
ボディ駆動式のAFレンズの場合、ボディ側の(J)AFカップリングと結合しAF作動を行なう。
 
(j)焦点距離識別リッジ
Ai-Sレンズに追加され、ボディ側の(F)レンズ焦点距離識別レバー(プログラム切り替えレバー)に対応する。ボディ側で焦点距離が135mm以上のレンズを識別して、プログラムモードでは手ブレを防ぐために高速プログラムに切り替える。
 
(k)最小絞り設定警告用ガイド
どのレンズでも最小絞りにセットすると同一位置に来る仕様となっているので、装着時にボディ側の(M)最小絞り設定警告レバーを押し下げることにより最小絞りにセットされているか否かを検知する。(Aiレンズにある)
(元々は(f)EEコントロールユニット用連動ガイドとして使用されていた)

( 参考: ●最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー )





Fマウントレンズ体系図/分類



1.Fマウントレンズ体系図

  以下は、ニコンサイトの「F マウントレンズ体系図」を参考にして手を加えたものです。(但しいつの頃からか、ニコンサイトから削除されています)

F



CPU
レンズ
AF 非Ai 超音波モーター
内蔵 (AF-S
Eタイプ FXレンズ 電磁絞り+ AF-S搭載。
例)AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR (13/05月)
R
Gタイプ DXレンズ 例)AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF) (03/06月) Q
FXレンズ 例)AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF) (02/06月) P
モーター非内蔵 Gタイプ DXレンズ AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED (03/11月)のみ O
FXレンズ 例)AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G (01/03月) N
Ai-S
(Sタイプ)
モーター内蔵 Dタイプ 超音波モーター
AF-S
例)Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED M
コアレスモーター
AF-I
コアレスマイクロモーター駆動ユニット内蔵。以下の4本のみ
・Ai AF-I Nikkor ED 300mm F2.8D(IF) (92/9月)
・Ai AF-I Nikkor ED 600mm F4D(IF) (92/9月)
・Ai AF-I Nikkor ED 400mm F2.8D(IF) (94/7月)
・Ai AF-I Nikkor ED 500mm F4D(IF) (94/11月)
L
モーター非内蔵 Dタイプ 例)Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED K
非Dタイプ ボディ内モーター駆動AF機であるF-501(86/4月)から。
例)Ai AF Nikkor 50mm F1.4S (86/7月)
J
MF 非Ai Dタイプ 電磁絞り PC-E NIKKOR 24mm F3.5D (08/2月)
PC-E Micro NIKKOR 45mm F2.8D ED (08/7月)
PC-E Micro NIKKOR 85mm F2.8D (08/8月)
I
メカ的連動絞り PC Micro Nikkor 85mm F2.8D (99/9月) H
Ai-S
(Sタイプ)
Ai-Pレンズ CPU内蔵のMFレンズ(Sタイプ、非Dタイプ)。以下の3本のみ
・Ai Nikkor ED 500mm F4P (88/3月)
・Ai Zoom Nikkor ED 1200-1700mm F5.6-8P(IF) (94/1月)
・Ai Nikkor 45mm F2.8P (01/7月)
G
非CPU
レンズ
AF F3AF用レンズ(Ai-S コアレスマイクロモーター駆動ユニット内蔵。
信号接点6点、露出計連動爪付。以下の2本のみ。
・Ai AF Nikkor 80mm F2.8S (83/4月)
・Ai AF Nikkor ED 200mm F3.5S(IF) (83/4月)
これらのレンズは、F3AF、F-501、F4でのみAF作動可。
F
MF Ai 純正Aiレンズ 非SタイプAiレンズ 例)Ai Nikkor 50mm F1.4 (77/3月) E
Ai-S
(Sタイプ)
Ai-Sレンズ 例)Ai Nikkor 50mm f/1.4S (81/9月) D
シリーズE Nikon EMと同時発売の廉価版。例)シリーズE 35mm F2.5 (80/3月) C
   改造Aiレンズ 非Sタイプ B
非Aiレンズ 最初期のオートニッコール(オールドニッコール)。露出計連動爪
例)Nikkor-H Auto 50mm F2 (64/1月)
A
 
部は現行のレンズ。右端の英字は外部説明用の区分記号)



Gタイプレンズは、全てCPU内蔵、AF、非Aiタイプであり、Dタイプ(距離信号を持つ)でもある。(モーター内蔵/非内蔵の両タイプがある)
Dタイプレンズは、全てCPU内蔵Ai-Sタイプである。(但しPC/PC-Eレンズを除く。モーター内蔵/非内蔵、AF/MFの両タイプがある)
Eタイプレンズは、全てCPU内蔵AF-Sタイプ、非Aiタイプであり、絞り環のないGタイプ、距離信号を持つDタイプでもある。
AFレンズは全てCPUタイプ(但しF3AF用レンズは除く)であり、Ai-S/非Ai、モーター内蔵/非内蔵、GタイプDタイプEタイプ/非Dタイプなど様々なタイプがある。
AF-Sレンズは全てAFレンズでCPU内蔵、且つDタイプであり、GタイプDXレンズ/非DXレンズ(FXレンズ)がある。
AF-Iレンズは4本のみでCPU内蔵、且つDタイプであり、絞りリングを持ち(Gタイプではない)、FXレンズのみである。
F3AF用レンズは、AF-Iレンズと同様にコアレスモーターを内蔵し電子接点を持つが、CPUレンズではない。
VR搭載レンズは、1本(※1)を除き全て非Ai、CPU内蔵Gタイプである。但し、電磁絞り搭載のレンズはEタイプと呼称される。
      ※1)2000年発売の「AI AF VR Zoom-Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D」のみDタイプとなる。
DXタイプは、全てCPU内蔵、AF、非Ai、Gタイプである。(モーター非内蔵の「AF DX フィッシュアイ Nikkor ED 10.5mm F2.8G」以外は全てAF-Sタイプでもある
CPUを内蔵しているのは、全AFレンズ(但しF3AF用レンズは除く)、及び、 マニュアルフォーカスのDタイプレンズ(PC、PC-Eレンズ)、Ai-Pレンズである。
● MF(マニュアルフォーカス)レンズは、 PC-E、PC(パースペクティブ・コントロール)レンズとAi-Pレンズを除き、CPUを内蔵していない。
Ai-SタイプではないAi方式のレンズは全てMF(マニュアルフォーカス)レンズであり、CPUも内蔵していない。



 
2.Fマウントレンズ体系図(簡易版)

  以下は、前記「1.Fマウント体系図」を簡略化したものです。

CPUレンズ 非CPUレンズ


 
3.Fマウントレンズ分類

  以下は、Fマウントレンズをタイプ別・発売年月別に分類したものです。 (レンズ分類と連動パーツの変遷も参照)

  タイプ 発売 MF
/
AF
Ai C
P
U
D
/
G
D
X
A
F
S
V
R
概要/見分け方 レンズ例
(1) 従来レンズ 59/06 MF             「Nikon F」と同時発売。露出計連動爪(カニ爪、カニの爪)付き。  NIKKOR-S Auto 5cm F2
(2) Ai Nikkor 77/03 MF           露出計連動ガイドによる開放F値自動補正方式。
 (レンズ名が”Ai”で始まり、最後に”S”が付かず、”AF"は含まない)
Ai Nikkor 50mm F1.4
(3) Ai-S 80/02 MF           レンズ側絞り連動レバーの動きをリニア化。(→Ai-S
 (レンズ名が”Ai”で始まり、最後に”S”が付き、”AF"は含まない)
Ai Nikkor 50mm F1.8S
(4) F3AF用 83/04 AF           「Nikon F3AF」と同時発売のF3AF用AFレンズ。 電子接点を持つがCPU連動方式ではない。 Ai AF Nikkor 80mm F2.8S
Ai AF Nikkor ED 200mm F3.5S(IF)
(5) Ai AF S 86/04 AF         CPU連動方式採用。「F-501」発売と同時発表。
 (レンズ名が”Ai AF”で始まり、最後に”S”が付く。この”S”は「Ai-S」の意味)
Ai AF Nikkor 50mm F1.8S
(6) Ai-P 88/03 MF         CPU連動方式のマニュアルフォーカスレンズ。
 (レンズ名が”Ai”で始まり、最後に”P”が付く)
Ai Nikkor ED 500mm F4P(他全3本
(7) Ai AF D 92/09 AF D       撮影距離情報を伝達する距離エンコーダー内蔵。(→Dタイプ
 (レンズ名が”Ai AF”で始まり、最後に”D”が付き、”VR"を含まない)
Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5D
(8) Ai AF-I 92/09 AF D       Ai AF Dタイプに加えて、レンズ内にコアレスモーター内蔵。(→AF-I
 (レンズ名が”Ai AF-I”で始まる)
Ai AF-I Nikkor ED 300mm F2.8D(IF) (他全4本)
(9) Ai AF-S 96/11 AF D   S   Ai AF Dタイプに加えて、レンズ内に超音波モーター内蔵。(→AF-S
 (レンズ名が”Ai AF-S”で始まる)
Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)
(10) Ai AF D(VR) 00/11 AF D     V
R
Ai AF Dタイプに加えて、手ブレ補正内蔵。(VRのDタイプは1本のみ)
 (レンズ名が”Ai AF VR”で始まる) 
Ai AF VR Zoom Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D のみ
(11) AF G 01/03 AF × G       レンズに絞り環を持たずボディから絞り制御を行うタイプ。(→Gタイプ
 (レンズ名が”AF”で始まり、”DX"を含まず、最後に”G”が付く)
AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G
(12) AF-S G 02/06 AF × G   S   AF Gタイプに加えて超音波モーター内蔵。(→AF-S
 (レンズ名が”AF-S”で始まり、”DX”や”VR"を含まない)
AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF)
(13) AF-S G(VR) 03/03 AF × G   S V
R
AF-S Gタイプに加えて、手ブレ補正内蔵。
 (レンズ名が”AF-S”で始まり、”VR”を含む)
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
(14) AF-S G(DX) 03/06 AF × G D
X
S   AF-S GタイプのDXサイズ判。
 (レンズ名が”AF-S DX”で始まり、”VR”を含まない)
AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)
(15) AF G(DX) 03/11 AF × G D
X
    AF GタイプのDXサイズ判。
 (レンズ名が”AF DX”で始まる)
AF DX フィッシュアイ Nikkor ED 10.5mm F2.8G のみ
(16) AF-S G(DX/VR) 05/12 AF × G D
X
S V
R
AF-S G(DX)タイプに加えて、手ブレ補正内蔵。
 (レンズ名が”AF-S DX”で始まり、”VR”を含む)
AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)
(17) PC-E 08/02 MF × D 電磁駆動絞り採用のシフトレンズ PC-E 24mm F3.5D 等、計3本
(18) AF-S E(VR) 13/05 AF × E S V
R
電磁駆動絞り採用のAF-S +絞り環なし(G) + VR(手ブレ補正)内蔵。 (→Eタイプ
 (レンズ名が”AF-S”で始まり、”E”を含む)
AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR
Ai:○非Sタイプ、●Sタイプ  CPU:CPU内蔵有無 D:Dタイプレンズ  G:Gタイプレンズ  E:Eタイプレンズ  DX:DXタイプレンズ

参考: レンズのシリアルNo.とタイプ(Ai、Ai-S、AF、AF-Sなど) 、 レンズの仕様とタイプ(Ai、Ai-S、AF、AF-Sなど)


 

4.レンズ分類と連動パーツの変遷

露出計連動爪(カニ爪)による外部露出計連動からAi方式(開放F値自動補正方式)による内蔵露出計連動へ、さらにAi-Sで追加された焦点距離識別リッジ/レンズタイプ識別ノッチ、AFカップリングによるオートフォーカスなど複雑なメカニカル連動方式から、電子接点経由で通信するCPU内蔵方式へ変遷(進化?)したFマウント。

その主なレンズ分類と付加されている連動パーツは以下のとおりとなる。


表1: 主なレンズ分類と連動パーツ (Fマウントレンズ分類も参照)
主なレンズ分類 時期 絞りリング 絞り連動レバー 露出計連動爪 最小絞り設定警告用ガイド 露出計連動ガイド 開放F値連動ガイド 焦点距離識別リッジ レンズタイプ識別ノッチ AFカップリング CPU連動
従来レンズ(非Ai) 59/06 × × × × × × ×
Ai 77/03 × × × ×
Ai-S 80/02 × ×
Ai AF S 86/04 ×
Ai AF D 92/09 ×
Ai AF-S 96/11 × ×(SWM)
AF G 01/03 × × × × × ×
AF-S G 02/06 × × × × × × ×
PC-E 08/02 × × × × × × × ×
AF-S E 13/05 × × × × × × × × ×


図1: 連動パーツの変遷

露出計連動爪 (1959年6月〜) (=カニ爪、カニの爪)
Ai方式 (1977年3月〜) (+ 露出計連動ガイド)/開放F値連動ガイド
Ai-S (1980年2月〜) (+ 焦点距離識別リッジレンズタイプ識別ノッチ
Ai AF S (1986年4月〜) (+ CPUAFカップリング
Ai AF D (1992年9月〜) (+ 距離エンコーダー)
Ai AF-S (1996年11月〜) (− AFカップリング + 超音波モーター
Gタイプ (2001年3月〜) (− 絞りリング/焦点距離識別リッジレンズタイプ識別ノッチ
Eタイプ (2013年5月〜) (− 絞りリング/絞り連動レバー = 完全電子マウント)

(+):追加されたパーツ  (−):削除されたパーツ

図2: レンズタイプの変遷と付加機能

連動爪方式 1959年6月〜 別名カニ爪(またはカニの爪)。ボディ側の露出計にレンズの絞り値を伝える
Ai方式 1977年3月〜 レンズの絞りリングの一部を切り欠き、間単にボディ側の露出計に絞り値を伝えられる方式
Ai-S方式 1980年2月〜 Ai方式の改良版。絞り優先AEやプログラムAEなどのj自動露出機能に対応。正確な絞りコントロールが可能
AF化+CPU内蔵 1986年4月〜 オートフォーカスレンズ。マウント部にAFカップリング追加と同時にCPUを内蔵した。
Dタイプレンズ 1992年9月〜 距離エンコーダーを内蔵し、撮影距離をボディ側に伝えられる。大部分がAFレンズである。
AF-S 1996年11月〜 超音波モーター内蔵レンズ。全てCPU内蔵、AFであり、Ai/非Ai、Gタイプである。
VR 2000年11月〜 手ぶれ補正レンズ
Gタイプレンズ 2001年3月〜 絞りリングを省略した新タイプのレンズ。古いフィルムカメラでは使えない機種もある。
DXタイプレンズ 2003年6月〜 APS-Cサイズフォーマット専用レンズ。全てCPU内蔵、AF、非Ai、Gタイプである。
Eタイプレンズ 2013年5月〜 絞り連動レバーを廃し、電磁駆動絞りを採用した新タイプのレンズ。


表1に示す通り、「Ai AF S」と「Ai AF D」レンズが最も連動パーツが多い。

Ai-S」にAF機能とCPUを追加した「Ai AF S」レンズは、1986(昭和61)年4月に「Nikon F-501」(第2世代AF+CPU連動方式)と同時に発売されたものであり、1992(平成04)年9月から発売された「Ai AF D」は、「Ai AF S」に距離エンコーダーを内蔵したもので基本的な構造は変わっていない。

どちらも名称に「Ai」と付いている通り、共に「Aiタイプ(正確にはAi-S)」であり、露出計連動ガイド開放F値連動ガイド焦点距離識別リッジレンズタイプ識別ノッチなどが付加されて(残して?)いる。勿論これらはF-501より前の旧機種との互換性保持のために残されており、F-501以降の機種では内蔵CPU〜電子接点経由でこれらの情報が受け渡しされる。

4年後の1996(平成08)年11月から発売された「Ai AF-S」では超音波モーターが内蔵されてAFカップリングがなくなり、さらに2001(平成13)年3月から発売されたGタイプレンズは絞りリングが省略され、且つ「非Aiタイプ」なので、最小絞り設定警告用ガイド露出計連動ガイド焦点距離識別リッジレンズタイプ識別ノッチがなくなった。但し何故か開放F値連動ガイドだけは残されている。(Gタイプレンズ参照)

2013(平成25)年5月から発売されたEタイプレンズは、絞りリングのみならず、従来の絞り連動レバーをも廃止して電磁絞りを採用した新タイプのレンズ群となった。

※ Nikon F-501: Nikon F3AF以来の位相差検出方式のAF機。ボディ内モーター起動。全面的に電気信号による連動方式を採用(CPU連動方式の始まり)

 

5.レンズ名の見方

 ニッコールレンズの名称は幾つかの識別子で構成されていて、これらの組み合わせで各レンズのおおよその仕様が分かる。比較的最近のレンズと初期のオールドニッコール(カニ爪付き)のレンズについて、識別子の意味を解説する。(今更?)

尚、数年前から識別子の位置が変更されているので、比較的最近のレンズについては新旧の表記方法で解説する。



      5.1 レンズ名を構成するタイプ識別子(比較的最近のレンズ)
      5.2 レンズ名を構成するタイプ識別子(初期のカニ爪付きオールドニッコール/従来(非Ai)レンズ)
      5.3 その他の特殊レンズ
      5.4 レンズ名表記方法の変更

 

 5.1 レンズ名を構成するタイプ識別子(比較的最近のレンズ)


● 旧形式の表記方法
Ai AF DX VR Zoom NIKKOR ED 80-400mm F4-5.6 S (IF)
P
AF-I D
AF-S G
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
Ai方式 AFタイプ DXフォーマット 手ブレ補正 ズームレンズ EDガラス 焦点距離 開放F値 レンズタイプ インナーフォーカス


● 新形式の表記方法(詳しくはこちら
Ai AF DX Zoom− NIKKOR 80-400mm f/3.5-5.6 S (IF) ED VR U
P
AF-S D
G
(1) (2) (3) (5) (7) (8) (9) (10) (6) (4) (11)
Ai方式 AFタイプ DXフォーマット ズームレンズ 焦点距離 開放F値 レンズタイプ インナーフォーカス EDガラス 手ブレ補正


● 識別子の説明
No. 識別子/意味 解説
(1) Ai Ai方式(露出計連動ガイド付き)のレンズ。同時に(9)に「S」か「P」か「D」が付いていれば改良後のAi-Sレンズ。(9)に「G」(=絞りリングなし)が付いていればAi方式のレンズではない。 先頭に”Ai”の文字があっても(9)に何も付いていなければ改良前の旧「Aiレンズ」である。尚、CPU内蔵か否かは「Ai」の文字だけでは判断できない。
(2) AF AF(オートフォーカス)レンズ(モーター非内蔵=ボディ内モーター駆動)
AF-I コアレスモータ内蔵オートフォーカスレンズ(AF-I
AF-S 超音波モーター内蔵オートフォーカスレンズ(AF-S)
(なし) (上記の「AF」「AF-I」「AF-S」のいずれの文字もなければ、マニュアルフォーカスレンズ)
(3) DX DX(APS-Cサイズ)フォーマット専用レンズ。この文字がなければFXフォーマットのレンズ
(4) VR 手ブレ補正内蔵レンズ。この文字がなければ手ブレ補正内蔵レンズではない
(5) Zoom ズームレンズであることを示す。この文字がなければ単焦点レンズ。但し新しいレンズでは”Zoom”文字が省略されているものもある。
(6) ED 特殊低分散ガラス使用のレンズ。色にじみ、コントラスト低下の原因となる色収差を補正する。
(7) 焦点距離 数字が2つの場合は、最広角側と最望遠側の焦点距離、数字が1つの場合は単焦点レンズ。
(8) 開放F値 絞り開放時のF値(レンズの明るさ)を示す。数字が2つの場合はズーミングで開放F値が変化するレンズ。(通常左側の数値が広角端、右側の数値が望遠端の開放F値)
(9) S (1)の 「Ai」 とセットでAi-Sタイプ(Ai方式の改良版)であることを示す。
P Ai-P(CPU内蔵のマニュアルフォーカス)レンズであることを示す。Ai-Sタイプでもあるが、Dタイプではない。
D Dタイプレンズ。被写体までの距離情報をカメラボディ側へ伝達することにより、より的確な露出制御や調光制御を実現。(1)に「Ai」が付いていればAi-Sタイプでもある。(例:Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5D)
G Gタイプレンズ。レンズ本体に絞りリングを持たず、ボディ側から絞り制御を行う新しいレンズシリーズ。距離エンコーダーを内蔵したDタイプでもある。絞りリングがないので当然Aiレンズではない。
Eタイプレンズ絞り連動レバーを廃し、電磁駆動絞りを採用した新タイプのレンズ。
(10) IF インナーフォーカスレンズ。レンズ系を前・中間・後群に分割し、中間のレンズ群のみを移動させてピントを合わせる方式。フォーカシングによる収差変動を減少させ、またレンズ駆動時のトルクが軽く、フォーカス時の保持バランスに変化がない。また、AFレンズでは合焦スピードの高速化にも貢献している。(光学系の特性上、撮影距離が短くなるにしたがって焦点距離が短くなる。)
(11) II 製品名で表される仕様が同じ従来レンズがある場合、これと識別するために表記する。VRの性能向上(4段分の手ブレ軽減効果)や鏡枠沈同方式採用など。


※ 《 「NIKKOR」ブランドの由来 》

1932年、ニコンでレンズ設計が始まった1920年代当時の社名である「日本光学工業株式会社」の略称「日光」の英語表記「NIKKO」に、写真レンズの名称に良く使われていた「R」をつけ、「NIKKOR」というブランドが誕生したのが始まり。(メーカーサイトより)

 

 5.2 レンズ名を構成するタイプ識別子(初期のカニ爪付きオールドニッコール/従来(非Ai)レンズ)

実際のレンズ例:
・ NIKKOR-S Auto 5cm F2
・ Nikkor-N・C Auto 35mm F1.4
・ Zoom Nikkor Auto 43-86mm F3.5(C)
・ New Zoom Nikkor 43-86mm F3.5
・ Nikkor-P Auto 180mm F2.8C

● 旧形式の表記方法

New Zoom NIKKOR - S C Auto 43-86mm F4
(C)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)
改良版 ズームレンズ レンズ構成枚数(7枚) 多層膜コーティング 自動絞り 焦点距離 開放F値 多層膜コーティング


● 識別子の説明
No. 識別子/意味 解説
(1) New 従来の同タイプのレンズの改良版(レンズ構成など)。レンズ名の最後に”New”が付くものもある。
(2) Zoom ズームレンズであることを示す。この文字がなければ単焦点レンズ
(3) レンズ構成枚数 1〜2文字でレンズ構成枚数を表す。 T:3 Q:4 P:5 H:6 S:7 O:8 N:9 D:10 UD::11 BD:12 TD:13 QD:14 PD:15
(4) C 多層膜コーティングされているレンズであることを示す文字。レンズによっては(8)の位置にあるものもある。
(5) Auto 自動絞りであることを示す。通常時は絞り開放、撮影時に自動で絞り込まれ、撮影完了時に開放絞りに戻る。
(6) 焦点距離 数字が2つの場合は、最広角側と最望遠側の焦点距離、数字が1つの場合は単焦点レンズ。
(7) 開放F値 絞り開放時のF値(レンズの明るさ)を示す。数字が2つの場合は、ズーミングで開放F値が変化するレンズ。
(8) (C) 多層膜コーティングされているレンズであることを示す文字。レンズによっては(4)の位置にあるものもある。


 

 5.3 その他の特殊レンズ

Ai Nocto Nikkor 58mm F1.2S ノクトニッコール 開放絞りでの夜間撮影を目的につくられたレンズ。(ニッコール千夜一夜物語
Micro NIKKOR 5.5cm F3.5 マイクロ(マクロ)レンズ 等倍撮影が可能。他社では「マクロレンズ」、ニコンでは「マイクロレンズ」と呼称
Reflex NIKKOR 500mm F8 反射式レンズ 反射鏡を含む光学系。主に超望遠レンズで色収差が極めて少ない。
Fisheye Nikkor 8mm F8 魚眼レンズ 全周或いは対角線画角180度の撮影が可能
OP Fisheye Nikkor 10mm F5.6 正射影魚眼レンズ 正射影(Orthographic Projection)方式の魚眼レンズ
PC Nikkor 35mm F3.5 シフトレンズ パースペクティブ(遠近感)コントロール。アオリ機構(シフト&ティルト)
PC-E NIKKOR 24mm f3.5D ED 電磁絞り付きのシフトレンズ Eタイプレンズ絞り連動レバーを廃し、電磁駆動絞りを採用した新タイプのレンズ。
Ai AF DC-Nikkor 105mm f/2D
Ai AF
DC-Nikkor 135mm f/2D
DC(被写体ボケコントロール)レンズ 【 DC:Defocus-image Control 】DCリングの操作で、レンズの一部を前後に動かすことにより、被写体の前後のボケ像の形状をコントロールできる。
Medical Nikkor Auto 200mm F5.6 医療用レンズ レンズ先端に円周スピードライトを内蔵した医療用撮影レンズ。
GN Auto Nikkor 45mm F2.8 GN(ジーエヌ)ニッコール GN:ガイドナンバー。絞りを距離リングの回転と連動させ、スピードライト撮影時の適正絞り値を自動決定。


 

 5.4 レンズ名表記方法の変更

   数年前からレンズ名表記方法が変更されている。但し、現状では新旧のレンズ表記が混在している。

● 新レンズは”Nikkor”が大文字の”NIKKOR”に変更。但し、Aiニッコールや、”Micro-Nikkor”、”Zoom-Nikkor”、”Fisheye-Nikkor”は小文字のままである。
● ズームレンズであっても、”Zoom”の文字が省略されている。(省略されていないレンズもある)
  例)
     ・ AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
     ・ AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED


● 開放F値表記が大文字の”F"から小文字の”f”に変更

新表記   旧表記
Ai AF NIKKOR 50mm f/1.8D     ←    Ai AF Nikkor 50mm F1.8D


● ”ED”や”VR”文字が最後に付く

新表記   旧表記
Ai AF Nikkor 14mm f/2.8D ED     ←    Ai AF Nikkor ED 14mm F2.8D
AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR    


● インナーフォーカスを示す”IF”が、”(IF)”から”IF ”に変更。”IF”と”ED”両表記時は”IF-ED”

新表記   旧表記
Ai AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF     ←    Ai AF Zoom Nikkor 24-85mm F2.8-4D(IF)
AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED     ←    AF-S VR Micro Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)


● 製品名で表わされる仕様が同じ従来モデルのレンズがある場合、これと識別するためにレンズ名最後に”II”を付けた。

    例) AF-S DX Nikkor 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II


●  ”Micro Nikkor” が ”Micro-Nikkor”に、”Fisheye Nikkor” が ”Fisheye-Nikkor”に、”Zoom Nikkor” が ”Zoom-Nikkor”に変更された。

新表記   旧表記
Ai AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED     ←    Ai AF Micro Nikkor ED 200mm F4D(IF)
AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED     ←    AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G
AF-S DX Zoom-Nikkor 17-55mm f/2.8G IF-ED     ←    AF-S DX Zoom Nikkor ED 17-55mm F2.8G(IF)
しかし、何故か ”PC-E Micro NIKKOR”や、”AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED”はそのまま。





関連用語解説



AFレンズ
Dタイプレンズ
Gタイプレンズ
DXレンズ(DXフォーマット)
FXレンズ(FXフォーマット)
AF-S (超音波モーター内蔵レンズ)
AF-I (コアレスモーター内蔵レンズ)
Ai-Pレンズ
F3AF用レンズ
シリーズEレンズ
VR (手ブレ補正内蔵レンズ)
電磁絞りPC-EレンズEタイプレンズ


 

●AFレンズ
  ニコンのAF一眼レフは 昭和58(1983)年4月発売の 「Nikon F3AF」から始まった(第一世代AF)。F3ボディに信号・電源供給用接点(6点)を追加し、同時発売の以下の2本の専用レンズを装着すればオートフォーカスが可能となった。  ( 参考: F3AF用レンズ


  「 AI AF Nikkor 80mm F2.8S 」 (標準装備)
  「 AI AF Nikkor ED200mm F3.5S(IF) 」

    ・これらのレンズは信号接点があるが、 CPUレンズではなく、Nikon F3AF、F-501、F4でのみAF使用可能。(他機種ではMFレンズとして使用可)


●第二世代のAFとして、昭和61(1986)年4月にボディ内にAFモーターを内蔵した 「F-501」が発売され、同時に CPU内蔵、モーター非内蔵(AFカップリング付き)のAFレンズ群がリリースされた。 F-501はカメラボディとレンズ間の情報伝達を電気信号で行なう CPU内蔵方式の最初の機種でもあり、以降の一眼レフカメラは全てCPUを内蔵している。ボディ側、レンズ側共にAFカップリングがなければAFは作動しない。

●第三世代のAFとして、平成8(1996)年11月にAF-S(超音波モーター内蔵)レンズが発売された。AF-S対応ボディでなければAFは作動せず、逆にD40などモーター内蔵レンズ専用機では第二世代(=モーター非内蔵。AFカップリング付き)のAFレンズはAFが作動しない。


・AFレンズは全てレンズ名に”AF”を含む。
・AFレンズは全てCPUタイプ(但しF3AF用レンズは除く)であり、Ai-S/非Ai、 モーター内蔵(AF-S)/非内蔵、 絞りリングのないGタイプ、 距離エンコーダを内蔵したDタイプ/非Dタイプ、 DXレンズFXレンズ など様々なタイプが発売されている。

・AFレンズは全てのデジタル一眼レフで使用可能である。(但し、D40などAFカップリングが省略されているカメラではモーター内蔵レンズ(AF-SAF-I)でのみAFが可能))


その後のAFレンズ商品展開は以下の通り。

● AFレンズ商品展開 (Fマウントレンズ分類も参照)

レンズタイプ 発売 概要 レンズ例
 (1) Ai AF S  86/04 CPU連動方式採用。F-501発売と同時発表。  Ai AF Nikkor 50mm F1.8S
 (2) Ai AF D  92/09 撮影距離情報を伝達する距離エンコーダー内蔵。(→Dタイプ Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5D
 (3) Ai AF-I  92/09 Ai AF Dタイプに加えて、レンズ内にコアレスモーター内蔵。(→AF-I Ai AF-I Nikkor ED 300mm F2.8D(IF) (他全4本)
 (4) Ai AF-S  96/11 Ai AF Dタイプに加えて、レンズ内に超音波モーター内蔵。(→AF-S Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)
 (5) Ai AF D(VR)  00/11 Ai AF Dタイプに加えて、手ブレ補正内蔵。(VRのDタイプは1本のみ) Ai AF VR Zoom Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D のみ
 (6) AF G  01/03 レンズに絞り環を持たずボディから絞り制御を行うタイプ。(→Gタイプ AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G
 (7) AF-S G  02/06 超音波モーター内蔵のGタイプ。(→AF-S AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF)
 (8) AF-S G (VR)  03/03 超音波モーターと手ブレ補正(VR)内蔵のGタイプ。 AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
 (9) AF-S G (DX)  03/06 DXサイズ判の超音波モーター(AF-S)内蔵のGタイプ。 AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)
 (10) AF-S G (DX/VR)  05/12 超音波モーター(AF-S)と手ブレ補正(VR)内蔵のDXサイズ判のGタイプ。 AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)
 (11) AF-S E (VR)  13/05 電磁駆動絞り+AF-S+ 手ブレ補正(VR)内蔵のGタイプ 。 (→Eタイプ AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR

 
●Dタイプレンズ
  [ D:Distance(距離) ]

レンズの距離リングに連動するエンコーダーを内蔵し、撮影時にピント合わせ(AF/MF)をすると被写体までの距離情報がカメラボディ側へ伝達され、より的確な露出制御や調光制御を実現する。距離信号を持つレンズの内、レンズ本体に絞り環を有するものを「Dタイプ」と呼称する。92/09月にF90と同時発売された。(Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5D など、レンズ名のf値の後に「D」が付く)

  → ●マルチパターン測光


また、カメラ内蔵スピードライト及び別売りスピードライトとの組み合わせにより

   ・D-3D-マルチBL調光 ( D2 シリーズ・ D1 シリーズ・ D100 )
   ・3D-マルチBL調光 ( F6 ・ F5 ・ F100 ・ F80 シリーズなど )
   ・i-TTL-BL調光 ( F6 ・ 平成15(2003)年10月発売のD2H以降の全デジタル一眼レフ)

の先進機能を可能にする。

・92/09月以降に発売されたレンズは全て距離エンコーダーを内蔵している。
・Dタイプレンズは、全てCPU内蔵Ai-Sタイプである。(※一部例外あり。モーター内蔵/非内蔵、AF/MFの両タイプがある)

※一部例外: 2008年2月から発売開始された「PC-E」レンズシリーズ(電磁絞り採用)は、DタイプではあるがAiレンズではない。 (距離エンコーダー内蔵だが、レンズ絞りがマウント側ではなく鏡胴中央部にある)

 
●Gタイプレンズ
  レンズ本体に絞り環を持たず、ボディ側から絞り制御を行う新しいレンズシリーズ。 (G:「Genesis(創生・起原・発生) 」の略)

レンズ本体のコンパクト化が可能となり、さらに最小絞りにセットして撮影する必要がなく操作性が向上。また、Dタイプレンズと同様に被写体までの距離情報をカメラ側に伝達する機能も持ち、より的確な露出制御や調光制御を実現する。(レンズ名のf値の後に「G」が付く)

2001年3月に以下の2本が最初に発売された。(Nikon Uと同時発売)

 ・ AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G
 ・ AF Zoom Nikkor 70-300mm F4-5.6G

これらのレンズは廉価版の部類に属し、絞り環や非Aiタイプであることによるメカ的連動機構の省略によるコストダウンによるものと思われた。(その代償としてボディから絞りをコントロールできない古いカメラでは使えなくなった)

しかしその後のレンズ商品展開を見るとGタイプの高級レンズがリリースされていることから、 メーカーとしてはAF-S(超音波モーター内蔵)とセットで最終的には完全電子マウントを目指しているものと思われる。

 ( Gタイプレンズの使える機種はこちら )

・Gタイプレンズは全てCPU内蔵、AF、距離エンコーダー内蔵(Dタイプ)、非Aiタイプである。(モーター内蔵/非内蔵の両タイプがある)
・Gタイプレンズは非Aiタイプなので、 (d)露出計連動ガイド(j)焦点距離識別リッジ(g)レンズタイプ識別ノッチはないが、何故か(e)開放F値連動ガイドだけはある。 非Aiタイプではあるが、当然ながらレンズ側絞りの動きはリニア化されている。

・絞りリングがなく常に最小絞り状態(カメラ装着時には開放絞り状態)であるので、 そのレンズの開放F値を元に(d)露出計連動ガイドに相当する突起を付けて擬似Aiレンズ化すれば、「Nikon FA」などで使える可能性がある。

 
●DXレンズ(DXフォーマット)
  ニコンデジタル一眼レフのAPS-Cサイズフォーマット専用レンズ。以前は「デジタル専用レンズ」と呼ばれていたが、FXレンズ(FXフォーマット)との区別化のために最近は「DXフォーマット用レンズ」と呼ばれる。(レンズ名に”DX”を含む)

135mm判(FX)レンズよりもイメージサークルを小さくし、光学性能をニコンデジタル一眼レフカメラ に最適化した。同じ焦点距離の135判(FX)レンズよりも軽量かつコンパクトにすることで操作性が向上。フィルム一眼レフカメラに装着はできるが撮影は不可。


DX/FXフォーマットの画角と撮影画面サイズ
(メーカーサイトより)

・DXレンズは全てCPU内蔵、AF、非Ai、Gタイプである。
・モーター非内蔵の「AF DX フィッシュアイ Nikkor ED 10.5mm F2.8G」以外は全てAF-Sタイプ(超音波モーター内蔵レンズ)である。
・DXレンズをフルサイズ(FXフォーマット)判のボディ(D3、D3S、D3X、D700など)に装着すれば、DXフォーマットサイズで撮影も可能(クロップ撮影)。

・DXフォーマット画像サイズの代表例: 23.7×15.7mm。 対角線長28.42mm、135判対角線(43.27mm)比1.5倍。
実際には機種によって若干の相違がある。

イメージセンササイズ 搭載カメラの例(一部)
23.1×15.4mm  D3100
23.3×15.5mm  D2H、D2Hs
23.6×15.6mm  D7000、D5100
23.6×15.8mm  D40x、D60、D80、D90、D200、D300、D300S、D5000、D3000
23.7×15.6mm  D1、D1X、D1H、D100、D70、D70s、D40、D50
23.7×15.7mm  D2X、D2Xs

 
●FXレンズ(FXフォーマット)
  APS-C判カメラ専用のDXレンズに対し、フルサイズカメラ(デジタル)で使える大きさのイメージサークルを持つレンズ群。

FXフォーマットとは、35mm判(135フォーマット判)フィルム相当の大きさを持つイメージセンサーの呼び名であり、「フルサイズ」とも呼ばれている。 大きさは36.0×23.9mm、または35.9×24.0mmなど様々であり、DXフォーマットの2.3倍の面積を持ち、 同等の画素数を持つDXフォーマットに比べて1ピクセル当たりの画素サイズも大きくできる。 例えば、D3(画素数12.1メガピクセル)の1画素のサイズは8.45×8.45μmであり、 D300(画素数12.3メガピクセル)の1画素のサイズである5.49×5.49μmの約2.4倍(面積比)に当たる。 画素を大きくすることによってフォトダイオードに取り込む光の量が多くなることで低照度環境においても高いノイズ耐性が得られ、結果として高いISO感度を実現できた。

・APS-C判カメラにFXレンズを装着すると、レンズ表記の約1.5倍の焦点距離に相当する画角となる。

・レンズ名に”DX”を含まないレンズは全てFXレンズである。但し、広義では「Nikon F」当時のオートニッコールなど古いレンズも35mm判ではあるが、FXレンズとは呼ばれない。

 
●AF-S(超音波モーター内蔵レンズ)
  AF駆動用のSWM (超音波モーター) を内蔵。被写体の激しい動きにも追従する合焦スピードと、ボディ駆動のAFレンズにはない静粛性を合わせ持ち、これらが要求されるスポーツや野生動物の撮影シーンに威力を発揮する。(レンズ名に”AF-S”が含まれる)

96年11月に発売された以下の2本が最初である。

 ・ Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)
 ・ Ai AF-S Nikkor ED 600mm F4D(IF)
 
基本はリング型の超音波モーターを搭載しているが、D40と共に発売された「AF-S DX ズームニッコール ED 18-55mm F3.5-5.6G II」等の廉価版ではコアレスモーターの駆動部を超音波駆動式に変えた「超音波駆動のマイクロモーター」を搭載している。リング型ではフルタイムマニュアルフォーカスが可能であるがマイクロモーター型ではできない。(後述)

リング型SWMユニット   マイクロモーター型SWMユニット
 
(メーカーサイトより)
 


●M/Aモード

リング型超音波モーター搭載レンズには「M/Aモード切換えスイッチ」があり、AF中でもピントリングを回せばタイムラグ無しでマニュアルによるピント合わせが可能である。(所謂フルタイムマニュアルフォーカス)

M/Aモード切換えスイッチ

(メーカーサイトより)
 


●A/Mモード

上述のM/Aモードでは、AF撮影時のレンズ(カメラ)保持中に、意に反して(不用意に)ピントリングを回してしまう(マニュアルフォーカスへの移行)ことがある。このA/Mモードは、M/Aモードに比べマニュアルへの切り換え感度を下げ、不用意なオートからマニュアルへの切り換わりを防止した「オート優先オートフォーカス」モードである。

A/Mモード切換えスイッチ

(メーカーサイトより)
 


●A-M 切り替えスイッチ

一方、廉価版の超音波駆動マイクロモーター搭載レンズはフルタイムマニュアルフォーカスに対応していない。従って「M/Aモード切換えスイッチ」もない。対応するには追加機構が必要であるが、廉価版としての位置付けとなるレンズへの搭載はコスト面から見送ったと思われる。マイクロモーター搭載レンズでマニュアル操作に切り替えるには、この「A-M切り替えスイッチ」を操作する必要がある。  このスイッチは、レンズ鏡筒内に設けられたクラッチの働きによって AF時には距離リングが回転せず、マニュアルフォーカス時にピントリングの回転に適度な負荷がかかりマニュアルレンズと同じような操作感を可能にする。

A-M 切り替えスイッチ


(メーカーサイトより)

 

● AF-Sレンズは全てAF(オートフォーカス)レンズでCPU内蔵且つ距離エンコーダー内蔵(Dタイプ)であり、GタイプDXレンズFXレンズがある。

DXフォーマット用レンズは以下の1本を除き全てAF-S内蔵レンズである。
  ・「AF DX フィッシュアイ Nikkor ED 10.5mm F2.8G」(03/11月発売)


●AF-S内蔵レンズ一覧 (焦点距離順、08/01末現在)
No. 名称 DX VR 最短撮影距離 最大撮影倍率 希望小売価格 発売日
(1) AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)   0.3m 1:8.3 162,000 03/06
(2) AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED     0.28m 1:6.7   07/11
(3) AF-S DX Nikkor 16-85mm F3.5-5.6G ED VR 0.38m   95,000 08/02
(4) Ai AF-S Zoom Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)     0.28m 1:4.6 230,000 99/09
(5) AF-S DX Zoom Nikkor ED 17-55mm F2.8G(IF)   0.36m 1:5 220,000 04/06
(6) AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G   0.28m 1:3.2 30,000 05/10
(7) AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G II   0.28m 1:3.2 20,000 06/12
(8) AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR 0.28m 1:3.2 35,000 08/02
(9) AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-70mm F3.5-F4.5G(IF)   0.38m 1:6.2 56,000 04/06
(10) AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-135mm F3.5-5.6G (IF)   0.45m 1:4.2 59,000 06/12
(11) AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mmF3.5-5.6G(IF) 0.5m 1:2.2 105,000 05/12
(12) AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED     0.38m 1:3.7   07/11
(13) AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF)     0.38m 1:4.7 57,000 02/06
(14) AF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G(IF)   0.5m 1:4.8 94,000 03/06
(15) Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(IF)     0.7m(0.5m) 1:8.6(1:5.6) 220,000 99/03
(16) AF-S DX Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G   0.95m 1:3.5 40,000 05/06
(17) AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G(IF) 1.1m 1:4.4 45,000 07/03
(18) AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED     1.185m 1:1 83,000 08/03
(19) AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G   1.5m 1:6.1 270,000 03/03
(20) AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G (IF)   1.5m 1:4 78,000 06/12
(21) Ai AF VR Zoom Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D   2.3m 1:4.8 230,000 00/11
(22) AF-S VR Micro Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)   0.314m 1:1 119,000 06/03
(23) AF-S VR Nikkor ED 200mm F2G(IF)   1.9m 1:8.1 680,000 04/09
(24) AF-S VR Zoom Nikkor ED 200-400mm F4G(IF)   2m 1.3.7 980,000 04/02
(25) AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8G(IF)   2.3m 1:6.4 680,000 05/01
(26) Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D (IF)     1.45m 1:3.7 163,000 00/10
(27) Ai AF-S Nikkor ED 400mm F2.8D II (lF)     3.5m 1:7.7 1,120,000 02/01
(28) AF-S NIKKOR 400mm F2.8G ED VR   2.9m 1:6.3 1,320,000 07/11
(29) Ai AF-S Nikkor ED 500mm F4D II (lF)     4.6m 1:8.2 960,000 01/07
(30) AF-S NIKKOR 500mm F4G ED VR   4.0m 1:6.3 1,120,000 09/01
(31) Ai AF-S Nikkor ED 600mm F4D II (lF)     5.6m 1:8.6 1,200,000 01/08
(32) AF-S NIKKOR 600mm F4G ED VR   5.0m 1:7.4 1,420,000 08/01


AF-SAF-I レンズは、F4以降のフラッグシップ機、平成04(1992)年9月発売のF90シリーズ以降のAF機(F50D、F60D、Usなど一部の入門機を除く)でAF撮影が可能である。  ( 参考:露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR・Gタイプ使用可否一覧

(1) AF-SAF-I レンズでAF撮影が可能な機種(モーター内蔵レンズ以外のAFレンズでもAF可能)

F4 / F5 / F6、プロネア600i / プロネアS、F70D / F80シリーズ / F90シリーズ / F100 / U / U2、
D1シリーズ以降の全デジタル一眼レフ

(2) AF-SAF-I レンズでのみAF撮影が可能な機種(これらのモーター内蔵AFレンズ以外ではマニュアルフォーカス撮影となる)

D40 / D40x / D60 / D3000シリーズ / D5000シリーズ (→ ●モーター内蔵レンズ専用機とレンズの組み合わせ

(3) AF-SAF-I レンズでAF撮影が不可能なAF機種(マニュアルフォーカスでの撮影となる)

US / F60D / F50D / F-801 シリーズ / F-601 / F-501 / F-401 シリーズ

 
●AF-I(コアレスモーター内蔵レンズ)
  AF駆動用のコアレスモーターをレンズ内に内蔵。 CPU内蔵で、Dタイプでもある。(レンズ名に”AF-I”が含まれる)

以下の4本のみ
・Ai AF-I Nikkor ED 300mm F2.8D(IF) (92/9月)
・Ai AF-I Nikkor ED 600mm F4D(IF) (92/9月)
・Ai AF-I Nikkor ED 400mm F2.8D(IF) (94/7月)
・Ai AF-I Nikkor ED 500mm F4D(IF) (94/11月)

AF撮影可能機種は、AF-S(超音波モーター内蔵レンズ)と同じ。

 
●Ai-Pレンズ
  CPU連動方式のマニュアルフォーカスレンズであり、 Ai-Sタイプであるが、Dタイプではない。

発売されたのは以下の3本のみである。(レンズ名が”Ai”で始まり、最後に”P”が付く)
・Ai Nikkor ED 500mm F4P (88/3月)
・Ai Zoom Nikkor ED 1200-1700mm F5.6-8P(IF) (94/1月)
・Ai Nikkor 45mm F2.8P (01/7月。パンケーキタイプ)

 
●F3AF用レンズ
  昭和58(1983)年4月発売の 「 Nikon F3AF 」は、ニコンの第一世代AF一眼レフであり、F3ボディを基本にAFファインダー(DX-1AF)と駆動モーターを組み込んだAFレンズによるAFを実現した。

Nikon F3AF


AFファインダー(DX-1AF)とAFレンズとの間で信号授受と電源の供給をボディを経由して行なうために、F3ボディに信号・電源供給用接点(6点)を追加し、同時発売の以下の2本の専用レンズを装着すればオートフォーカスが可能となった。(AFファインダー内にAFレンズへの電力供給用単4電池2本内蔵)

  「 AI AF Nikkor 80mm F2.8S 」 (標準装備)
  「 AI AF Nikkor ED200mm F3.5S(IF) 」

    ・ これらのレンズはDCコアレスマイクロモーター駆動ユニット内蔵、信号接点6点、A-M切り替えスイッチ露出計連動爪付きである。
    ・ これらのレンズは信号接点があるが、 CPUレンズではない(CPUレンズとは呼ばない)。
    ・ これらのレンズは、当機(Nikon F3AF)、 F-501、 F4 でのみAF使用可能。(他機種ではMFレンズとして使用可)

AFレンズが少ないため、TC-16(S) というAFテレコンバーターが発売されていた。
 
●TC-16(S) (AFテレコンバーター)


84/4月発売。 1.6倍のテレコンバーター + CPU + ピント合わせ用マイクロモーター内蔵で、開放F値がF2以上のMFレンズを装着すればAF作動が可能になる。AFレンズが少ない為の対策として発売されたF3AF専用のアクセサリー。
装着レンズは無限遠に設定。ボディ側から電子接点経由でAF作動信号(と電源供給)を受け、テレコン内可動レンズ群(5群5枚)をモーターで前後に全群移動して合焦させる(カメラ側からはモーター内蔵のAFレンズに見える)。その為可動レンズ分の厚みがあり、装着可能なレンズに制限がある。(非Aiレンズ、改造Aiレンズは使用不可)
電源ON/OFFスイッチ、フォーカスロックボタン、(Ai方式の)露出計連動レバー、レンズ識別ピン(AiレンズとAi-Sレンズを識別)、レンズ焦点距離識別レバー(135mm以上のレンズを識別し高速プログラムに切り替える)などが付加されている。自動絞り、開放測光。開放F値は1+1/3段暗くなる。
F3AF以外に、F-501、F4でも使用可能。


ニコンの最初のAF一眼レフがモーター内蔵レンズとセットで商品化されたにも関わらず、発売されたAFレンズは上記の2本のみであった。

その3年後の昭和61(1986)年4月、第二世代AF機として「F-501」が発売されたが、この機種はAFモーターをボディ内に組み込み、AFカップリングを通じてレンズ内のフォーカシングレンズ群を駆動させる方式に変更されている。

さらに、F-501発売から10年後の平成8(1996)年11月には、超音波モーターを内蔵したAF-Sレンズが発売された。

F-501でレンズ内モーターを止めた理由として考えられるのは、コアレスモーターは急加減速など制御性に優れ、高精度、小型軽量、高効率であり、精密制御用モーターとしての適性を持つが、当時は希土類磁石や貴金属など高価な原材料を使わざるを得ないために製造原価が高くなるのを避けたためと思われる。

ちなみに、F3AF用の「 AI AF Nikkor 80mm F2.8S 」は、発売時価格が 80,000円に対し、モーター非内蔵の同一スペックのレンズは存在しないが、これに近い「Ai AF Nikkor 85mm F1.8D」は、より大口径にも関わらず47,000円であった。

尚、初めて超音波モーターを内蔵したレンズは1987年に発売された C社の「EF300mm F2.8L USM」 なので、ニコンのAF-Sレンズの発売はこの9年後となる。

 
●シリーズEレンズ
  昭和54(1979)年3月、海外で先行発売された「Nikon EM」に合わせて発売された普及型の新たなレンズシリーズ「Nikon レンズ シリーズE」。

分類上はAi-Sタイプであるが、露出計連動爪、所謂カニ爪は省かれている。当然CPUは非搭載(非CPU)でMFレンズである。

昭和56(1981)年5月発売の「シリーズ E<New>」タイプは外観を一新し、「Ai Nikkor」レンズに揃えた。

  名称 構成 発売日
 (1)   28mm F2.8  5群5枚  79/11(日本未発売)
 (2)   35mm F2.5  5群5枚、63.0×44mm、160g  80/03
 (3)   50mm F1.8  5群6枚、62.5×33mm、135g  79/12(日本未発売)
 (4)   100mm F2.8  4群4枚、63.0×58mm、220g  80/03
 (5)   135mm F2.8  4群4枚  81/03(日本未発売)
 (6)   Zoom 36-72mm F3.5    81/10
 (7)   Zoom 75-150mm F3.5    80/05
 (8)   Zoom 70-210mm F4    82/03
 (9)   28mm F2.8<New>  5群5枚  81/05
 (10)   35mm F2.5<New>  5群5枚  81/05
 (11)   100mm F2.8<New>    81/05
 (12)   Zoom 75-150mm F3.5<New>    81/05

 
●VR(手ブレ補正内蔵レンズ)
  [ VR : Vibration Reduction ] (レンズ名に”VR”が含まれる)

カメラのシャッターが開いている間(露光中)に手が動いてしまうことによる手ブレを補正する機構。手振れ補正の方式としてはボディ内蔵型とレンズ搭載型の2種類があるが、ニコンではファインダーで防振効果を確認でき、撮影時に被写体を捉えやすいというメリットから、レンズ搭載型を採用している。

カメラのブレ ( ピッチングとヨーイング、つまり上下・左右方向の角度ブレ) をレンズ内の2種類のセンサーにより1/1000秒毎に検出。そのブレ量(角速度)をレンズ内MPU(マイコン)で処理し、光学系の一部をVCM(Voice Coil Motor)モーター、つまり一種のリニアモーターでブレをなくす方向に駆動する。 手ブレ限界(撮影者によって異なる)のシャッタースピードから3段(VRIIでは4段)相当の手ブレ軽減効果を発揮する。(但し、 光軸回りの回転ブレ、所謂ローリングや上下左右の平行ブレは補正されない)


VR構造図 VR補正ユニット









(メーカーサイトより)

● 流し撮りの際はセンサーがこれを自動的に検知し、モードの切り換えなしに左右方向のカメラの動きに対しては縦のブレのみを、上下方向のカメラの動きに対しては横のブレのみを軽減。

● 「露光前センタリング」:手ブレ補正レンズ群の移動量には限界があるため、シャッター全押し時には手ブレ補正レンズ群を瞬時に光軸の中心に戻す(センタリング)ことによって、360°全方向への移動可能量を均等に確保し改めて露光のための手ブレ補正を行なっている。(ニコンオリジナル技術)

● アクティブモードを備えているVRレンズでは、乗り物などに乗っているときなどの揺れの激しい条件での手ブレ補正も可能。

アクティブモード:
  通常(ノーマルモード)は、大きくゆっくり動くブレは構図変更の動作と判断し、自動的にファインダー像の補正効果を制御するが、自動車や船舶、ヘリコプターなどの揺れる乗り物の上で撮影する時や非常に不安定な体勢で撮影する時などには、アクティブモードを選択すると大きくゆっくりした動きもブレとして認識し安定したファインダー像が見られるよう的確に補正機能が働く。

 (アクティブモードは「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G (IF)」、「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 200-400mm F4G (IF)」など一部のVRレンズに搭載)

● スポーツモードを備えているVRレンズでは、スポーツなど動きモノを連写するときに適した手ブレ補正を行なう。

スポーツモード:
  通常(ノーマルモード)やアクティブモードでは、シャッターを切る直前に“露光前センタリング”を行なっているが、連写時などにシャッターを切るたびにフレーミングが微妙にずれてしまうことがある。

スポーツモードは、露光前センタリングを行わないようにしたと共に、スポーツ撮影で被写体の動きを追う際に、レンズの振りに対して速やかにファインダー像が追従するような手ブレ補正の制御を行っている。

 (スポーツモードは、2014年8月28日発売の「AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR」で初めて採用)

● 三脚に載せた場合、撮影時のミラーやシャッターの動きによって三脚が細かく振動し、その影響で画像にブレが生じる場合があるが、この振動は手ブレ(1Hz〜10Hz)とは周波数が異なるため、一部のレンズではこれを自動的に検知してアルゴリズムを切り換え、三脚の微細な振動によるブレを補正する機能を搭載している。(「AF-S VR Zoom-Nikkor ED 200-400mm F4G (IF)」などの超望遠レンズを中心に一部のVRレンズに搭載)

 
トライポッドモード:
  最近のニコンサイトやレンズカタログでは、「AF-S NIKKOR 400mm F2.8G ED VR」などに搭載された三脚使用時のブレ補正機能を「トライポッドモード」と呼称している。

● 長時間にわたって厳密にブレを補正した像をファインダー越しに見続けると乗り物酔いのような不快感を感じることがある為、ニコンのVRではシャッター半押し時と全押し時の補正アルゴリズムを変えている。

  ・シャッター半押し時: ファインダー像を見やすく被写体を捉えやすくするため、ブレ補正を段階的に少し弱めに制御する。
  ・シャッター全押し時: 露光する瞬間のブレを最大限に補正する。


 但し、一眼レフ用交換レンズとして最初にVRが搭載された「AI AF VR Zoom-Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D」(2000年11月発売)では以下の2種類の動作モードがあった。

  モード1: シャッターボタン半押し中にもVR機能を作動、ファインダー像のブレを自然な感じに補正
  モード2: 露光中のみ VR 機能を作動

 尚、このレンズ以降のVRレンズは全て半押し中から手ブレ補正の機能を作動させるように設計されている。


● VR搭載レンズは、1本を除き全て非Ai、CPU内蔵Gタイプである。
  (上述した2000年発売の「AI AF VR Zoom-Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D」のみDタイプとなる)



<手ブレ補正効果の段数について(メーカーアナウンス)>

 シャッタースピード1/250秒で手持ちした場合に、例えば70%の確率でブレない写真を撮る人が、手ブレ補正「オン」で撮影することにより、3段分遅いシャッタースピード1/30 秒でも約70%の確率でブレない写真を撮影できます。




[ VRII : Vibration Reduction II ]

手ブレ検知用高性能ジャイロセンサーを採用し、約4段分の手ブレ軽減効果を発揮、システム全体の精度の向上を実現した。
(05年12月に発売された「AF-S DX VR ズームニッコール ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)」に初めて搭載)



●VR搭載レンズ一覧 (08/01末現在。焦点距離順)
No. レンズ名 発売日 VRII 搭載 三脚対応(※) 備考
(1) AF-S DX Nikkor 16-85mm F3.5-5.6G ED VR 08/02
(2) AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR 08/02  
(3) AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18〜200mm F3.5〜5.6G(IF) 05/12
(4) AF-S VR Zoom Nikkor ED 24〜120mm F3.5〜5.6G(IF) 03/06
(5) AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G(IF) 07/03
(6) AF-S VR Zoom Nikkor ED 70〜200mm F2.8G(IF) 03/03
(7) AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G (IF) 06/12
(8) Ai AF VR Zoom Nikkor ED 80〜400mm F4.5〜5.6D 00/11 Dタイプ
(9) AF-S VR Micro Nikkor ED 105mm F2.8G (IF) 06/03
(10) AF-S VR Nikkor ED 200mm F2G(IF) 04/09
(11) AF-S VR Zoom Nikkor ED 200-400mm F4G(IF) 04/02
(12) AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8G(IF) 05/01
(13) AF-S NIKKOR 400mm F2.8G ED VR 07/11
(14) AF-S NIKKOR 500mm F4G ED VR 08/01
(15) AF-S NIKKOR 600mm F4G ED VR 08/01
(※) ◎:トライポッドモード

●VR 機能使用可能機種
F5 / F6 / F100 / F80 シリーズ / U / U2、全デジタル一眼レフ

( 参考:露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR・Gタイプ使用可否一覧

 

●電磁絞り/PC-Eレンズ/Eタイプレンズ
  ●電磁絞りとは

 レンズの絞りをレンズ内に組み込まれたステッピングモーターで駆動する方式。従来の絞り連動レバーによるメカ連動に比べ、より高精度に絞りをコントロールすることができる。特にテレコンバーター使用時にはメカ連動では作動部品の数が増えるので絞りの精度にバラツキが生ずることもあったが、電磁絞りでは電気的な通信で動きをより高い精度で制御できる。但し、D4Sなどのフラッグシップ機の最速連写時にF16よりも絞り込んだ場合に、コマ速が若干低下するという制約がある。

従来の機械式連動絞り機構では、レンズを装着するとボディ側の(K)絞り連動レバーがレンズ側の(a)絞り連動レバーを押し上げ、絞りを開放状態にする。次にシャッターボタンを押すとボディ側の(K)絞り連動レバーが下がり、押し上げられていたレンズ側の(K)絞り連動レバーがスプリングの力でこれを追いかけ、あらかじめ設定された絞り位置で停止するという動作になる(=●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE)。

しかし、アオリ機構、レボルビング機構を備えたPC(パースペクティブコントロール)レンズでは、レンズの鏡筒が2〜3分割されてシフト(光軸を垂直方向に移動)/ティルト(光軸を傾ける:首振り)できる構造となっている為、絞り連動レバーをレンズ後端(マウント面)から絞りまで通すことができない。

その為、従来のニコンのPCレンズではプリセット絞りしか出来なかったが、2008年2月に発売された「 PC-E 24mm F3.5D」を皮切りに、計3本のPC-Eレンズでは、電磁絞り対応カメラとの組み合わせ時に電子制御式絞りによる自動絞りが可能となった。

電磁絞り対応カメラ (2015年6月現在)

D3シリーズ、D4シリーズ、Df、D800シリーズ、D810シリーズ、D700、D750、D600、D610、D300シリーズ、D7000、D7100、D5000、D5100、D5200、D5300、D5500、D3000、D3100、D3200、D3300 (フィルムカメラはF6を含めて全滅)

(※D90は?ニコンダイレクトでは使用可能とあるが、製品情報には記述なし。 D7200は?メーカーサイトには記述なし)

これらのカメラ以外ではフィルムカメラを含めてプリセット絞りとなる。

※プリセット絞り: PCレンズでは通常の絞りリングとは別にプリセット用リングを持つ。事前に絞りリングで適切な絞りを設定しておけば、プリセット用リングを停止端まで回して絞り開放〜設定絞りまで簡単にセットできる。構図/ピント調整時には絞り開放で、撮影時には設定絞りまで簡単に絞り込むことができる。
 

●PC-Eレンズ

 電磁絞りを採用し、アオリ機構/レボルビング機構を備えたPC(パースペクティブコントロール)レンズで、マニュアルフォーカスのみである。

 ・ PC-E 24mm F3.5D (08/2月)
 ・ PC-E Micro NIKKOR 45mm F2.8D ED (08/7月)
 ・ PC-E Micro NIKKOR 85mm F2.8D (08/8月)

PC-E 24mm F3.5D



●Eタイプレンズ

 2013年5月31日に、「AF-S NIKKOR 800mmF5.6E FL ED VR」 が発売された。AF-S(超音波モーター内蔵)、蛍石レンズ、EDレンズ、ナノクリスタルコート、VR機構(手ブレ補正効果4.5段)を採用、専用テレコンバーターを装着して高速連続撮影時にも安定した露出制御を可能にする電磁絞り機構を搭載している。PCレンズ以外の一般のレンズに初めて電磁絞り機構が採用されると共に、新たに「Eタイプレンズ」と呼称されることになった。絞りリングも省略されているので、所謂Gタイプでもあり、非Aiでもある。

15年1月現在、Eタイプレンズとして発売されているのは以下の3本となる。

AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR (2013年5月31日発売)
AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR (2014年8月28日発売)
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR (2015年1月29日発売)

 今のところ望遠系の高級レンズのみだが、今後廉価版レンズにも商品展開されるのは明らかで(でなければコストダウンが図れない)、そうなると近い将来、Eタイプ専用(完全電子制御化)ボディが発売されることになるだろう。そう、かつてモーター内蔵レンズ専用機として発売されたD40のように。。
 

《 15/07/16追記 》

 2015年7月16日、「AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR」が発売された。DXフォーマット、広角側開放F値2.8の5倍標準ズームレンズ、DXレンズ初のナノクリスタルコートやフッ素コート、電磁絞り機構を搭載、手ブレ補正効果4.0段のVR機構、EDレンズと非球面レンズを採用している。

FX版望遠系の高級レンズのみならず、DX版の標準ズームにも電磁絞り機構を搭載し始めた訳で、今後ますます電磁絞りレンズが発売されることになるだろう。でも。。。135,000円はやはり、高級レンズか。。。。
 

Eタイプレンズが使えるカメラ (2015年6月現在)

[D3]、[D3S]、[D3X]、[D4]、D4S、Df、[D800]、[D800E]、D810、D810A、[D700]、D750、[D600]、D610、[D300]、[D300S]、[D7000]、D7100、D7200、D5000、D5100、D5200、D5300、D5500、D3100、D3200、D3300
       ([ ]のカメラはファームウェアをバージョンアップすれば使用可。フィルムカメラは全て不可)


のはよいのだが。。。。。 

PC-EレンズとEタイプレンズが使用可能なカメラに相違がある。


表:PC-EレンズとEタイプレンズが使用可能なカメラ
カメラ名 使用可否 発売時期
PC-E Eタイプ
D3シリーズ(D3、D3X、D3S) 2007/11〜2009/11
D4 / D4S 2012/3、2014/3
Df 2013/11
D300シリーズ(D300、D300S) 2007/11、2009/8
D600 2012/9
D610 2013/10
D700 2008/7
D800 / D800E 2012/3,4
D810 / D810A 2014/7、2015/5
D3000 × 2009/8
D3100/D3200/D3300 2010/9、2012/5、2014/2
D5000/D5100/D5200/D5300/D5500 2011/4〜2015/2
D7000 2010/10
D7100/D7200 2013/3、2015/3
D90 ※1 × 2008/9
D1シリーズ(D1、D1X、D1H) × × 1999/9、2001/5、2001/7
D2シリーズ(D2H、D2X、D2Hs) × × 2003/10、2005/1、2005/3
D40/D40X × × 2006/12、2007/3
D50 × × 2005/6
D60 × × 2008/2
D70/D70S × × 2004/3、2005/4
D80 × × 2006/9
D100 × × 2002/6
D200 × × 2005/11
フィルム一眼レフカメラ × ×
  (◎:使用可  ○ファームウェアアップで使用可  ×:使用不可)

上記の表の通り、D90とD3000はPC-Eレンズは使用できるが、Eタイプレンズは使用できない。

※1:D90はPC-Eレンズのニコンダイレクト(メーカー直販サイト)では使用可能とあるが、PC-Eの製品情報には記述がない。ニコンも混乱している??


●そして完全電子マウントへ(?) 参照 )




補足解説



●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE
   一眼レフの基本構造と自動絞り
   レンズの絞り値とファインダーの明るさ
   絞り連動レバーと絞りの基本的な動作について
   AEと絞りのコントロール方法の変遷
   カメラ側からの絞りのコントロール
●露出計連動爪と開放F値設定
●Ai方式
   Ai方式レンズと非Ai方式レンズの見分け方
   Aiニッコール(純正)と改造Aiニッコールの見分け方
   改造Aiニッコール
   Ai方式のボディと非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズの組み合わせについて
   「 Ai方式 」のレンズ名表記
   「 AI 」と「 Ai 」の表記の違い
   《 コラム 》 Ai方式 - ややこしいお話その1(^^);と補足解説
●Ai-S Nikkor レンズ
   Sタイプレンズと非Sタイプレンズの見分け方
   「 Ai-S方式 」のレンズ名表記
   「 Ai-S方式 」のレンズの呼び方
   《 コラム 》 Ai-S方式 - ややこしいお話その2(^^);
   《 コラム 》 ニコンの「時間」
●CPU連動方式/CPU内蔵レンズ/電子接点
   CPU連動方式のレンズ群
   レンズ〜ボディ間の伝達情報(推定)
   カメラボディ側電子接点端子数
   レンズ側電子接点ピン数
   ボディ側電子接点パターン
   レンズ側接点(ピン)パターン
   ピンの波型配列について
   電子接点/ピン割当て表(推定)
   電子接点接続図
●最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー
   CPU連動方式専用ボディ
       最小絞り設定警告レバーの形式(スライド式/押し込み式)
   CPU連動方式+Ai方式併用のボディ
   Ai専用ボディ
●レンズ焦点距離識別レバー(プログラム切り替えレバー)
●瞬間絞り込み測光
●開放F値連動レバー/開放F値連動ガイド
●開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係
●マルチパターン測光
●そして完全電子マウントへ(?)
●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ
●露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR・Gタイプ使用可否一覧
●ニコンデジタル一眼レフカメラ系統図
●デジタル一眼レフカメラとレンズの組み合わせ






●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE



一眼レフの基本構造と自動絞り
レンズの絞り値とファインダーの明るさ
絞り連動レバーと絞りの基本的な動作について
AEと絞りのコントロール方法の変遷
カメラ側からの絞りのコントロール

●一眼レフの基本構造と自動絞り

ここでは、ニコン(ニッコール)の自動絞りの仕組みについて説明します。

一眼レフは、その名の通り1本のレンズ(一眼)からの光をレフ(レフレックス=ミラー)で90度に曲げて、フィルムと等距離にあるファインダースクリーンに結像させ、さらにその像をペンタプリズムで倒立逆像から正立正像に復元し接眼レンズ(ファインダー)で見る、つまりレンズを通過した撮影像そのものをファインダーで見ることができる。

この構造から 二眼レフレンジファインダーカメラ と比べて パララックス(視差)がなく、超広角〜超望遠までレンズ使用も容易、TTL(Through The Lens)測光(レンズを通った光を測光)と組み合わせて高精度の測光が可能などの利点がある。

しかしレンズを通った光をファインダーで見るということは、レンズの絞りを絞ればファインダー像も暗くなってしまい、構図やピント合わせが困難になるという欠点がある。初期のカメラでは、絞りを開放まで開いてピントを合わせ、絞りを撮影状態まで絞り込んで測光・撮影し、再び絞りを開放にして、という手順を踏んでいた。この欠点を解決すべく「自動絞り機構」が開発された。

自動絞りとは、レンズの設定絞り値に関わらず絞り羽根は開放のままで(ファインダー像は明るい)、シャッターを切った瞬間だけ絞り込まれ(撮影され)、再び絞り開放状態となるものである。これによって、撮影前(後)は絞り開放の明るいファインダー像を見ることができるようになった。

但し、TTL測光用の内蔵露出計(下図3の接眼レンズ上部の測光素子)にも常に絞り開放状態の光が入射しているので、測光の為には現在の絞り設定値やレンズの開放絞り値などをボディ(露出計)に伝える機構が必要になってくる。(●開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係参照)


図1: 一眼レフの内部構造(イメージ) 図2: 一眼レフの内部構造(F6カットモデル)
 
図3: 一眼レフの基本構造 図4: シャッターレリーズ時の動作
 

 ・ ミラー: 露光直前に跳ね上がり、撮影後に元に戻る(クイックリターンミラー)
 ・ ハーフミラー: 入射光の一部をサブミラーに透過させる
 ・ サブミラー: 入射光の一部をAFセンサーに導く
 ・ AFセンサー: 入射光の一部を使い測距処理を行なうモジュール
 ・ ファインダースクリーン: レンズからの被写体像が結像する
 ・ コンデンサーレンズ: ファインダースクリーン像の明るさ/収差を改善する
 ・ ペンタプリズム: ファインダースクリーン像(倒立逆像)を正立正像に復元
 ・ 接眼レンズ上部の測光素子: 撮影前の測光に使われる
 ・ ボディ測光素子: 露光中のスピードライト調光などに使われる

  (1) シャッターボタンを押すと
  (2) ミラーが跳ね上がると同時に絞りが絞り込まれる
  (3) シャッターが開き露光開始、露光完了後閉じる
  (4) ミラーが下がると同時に絞りが開放状態に戻る


前述の通り、ペンタプリズムはレンズを通った光がミラーで90度に曲げられファインダースクリーン上に結像した倒立逆像を正立正像に復元するものであり、クイックリターンミラーは露光直前に跳ね上がり、レンズを通った光がフィルム(撮像素子)上に到達し撮影後、自動的に元に戻る機構である。

これらの「ペンタプリズム」「クイックリターンミラー」「自動絞り」が一眼レフの特徴であり、それ以前の二眼レフレンジファインダーカメラの弱点を克服できたことがその後の隆盛につながっている。その一方で、大きく重いペンタプリズム、跳ね上がり稼動域が必要でミラーショックが避けられないクイックリターンミラーは弱点ともなり得、稼動ミラーが不要でペンタプリズムの代わりにEVF(Electronic View Finder:電子ビューファインダー)を装備した小型軽量の「ミラーレス一眼」がシェアを伸ばしつつある。
 


●レンズの絞り値とファインダーの明るさ

以下に、レンズの絞りを絞った時に自動絞り機構がある場合とない場合のファインダーの見え方を示す。
自動絞り機構がある場合、ファインダーは絞り開放状態と同じく明るいままであるが、自動絞り機構がない場合は暗くなる。

レンズ絞り開放 レンズ絞り F16
絞り開放時のファインダー 自動絞り機構がある場合のファインダー 自動絞り機構がない場合のファインダー
(実際は被写界深度も変わる)

 


●絞り連動レバーと絞りの基本的な動作について

自動絞り機構に関係するパーツは、ボディ側の「(K)絞り連動レバー」とレンズ側の「(a)絞り連動レバー」の二つである。

画像1: 絞り連動レバー

レンズをカメラボディに装着すると、絞り連動レバー同士が接触/連動する。


レンズ側の絞り連動レバーと絞りリング、絞り羽根は以下のように作動する。

画像2: 絞りリングの回転と絞り羽根の変化

レンズ単体で(カメラに取り付けずに)レンズの絞りリングを回すと、絞りが開放〜最小絞りの間で変化する(実際に絞り羽根が絞り込まれる)

尚、3時方向にある絞り連動レバーはAi以降のレンズでは絞りリングを回すと同時に位置が上下する。但し、オールドニッコールの場合は変化しない。(画像はオールドニッコールの例)

画像3: 絞り連動レバーと絞り羽根開放

矢印の絞り連動レバーを手で上端に押し上げると絞りは開放状態になり、手を離すとスプリングの力で絞りリングで設定した絞り値に戻る。

例えば絞りリングで絞り値をF16にセットし、矢印の絞り連動レバーを手で上端に押し上げると絞りは開放状態になり、手を離すとスプリングの力で元のF16に戻る。


つまり、絞りリングで絞り値を最小絞りにセットしておけば、「絞り連動レバー」の上下移動で開放〜最小絞りまでをコントロールできる。


この手の動きは、後述するカメラボディ側の絞り連動レバーと同じである。

カメラへレンズをセットすると、ボディ側とレンズ側の絞り連動レバーが接触連動する。

画像4: カメラへのレンズのセット


カメラにレンズをセットすると、ボディ側の絞り連動レバー(最上端に位置する=上向き赤矢印)がレンズの絞り連動レバー(右向き赤矢印)を押し上げることで絞りは開放状態になる。
(レンズの絞りリングをどの絞りに設定していても実際の絞り羽根は開放状態となる)
この状態(絞り開放)でピント合わせや構図の決定をする。


(画像の右半分は、フィルムカメラの裏蓋を開けフィルム面から撮影した)
画像5: 被写界深度の確認(プレビューボタン)

実絞り値(実際に撮影される時の絞り値)で被写界深度の確認をしたい場合は、プレビューボタンを押すとボディ側の絞り連動レバーが最下端まで下がり、レンズの絞り連動レバーがスプリングの力でそれを追いかけて元の設定絞り値(例えばF16)に絞り込まれるので、実絞り値での被写界深度がファインダーで確認できる。

プレビューボタンを離すと、再びボディ側の絞り連動レバーが最上端まで上がり、レンズの絞り連動レバーを押し上げることで絞りは開放状態に戻る。

撮影時には、絞りが絞り込まれた後にシャッターが作動し、露光後再び絞り開放となる。

画像6: 撮影(ボディ側で絞り制御しない場合)
シャッターボタンを押すと、以下の手順で露光される。

(1)ボディ側の絞り連動レバーが最下端まで下がり(※)、

(2)レンズの絞り連動レバーがスプリングの力でそれを追いかけ、設定絞り値(例えばF16)まで絞り込まれ、

(3)同時にミラーが上がり、

(4)シャッターが作動してフィルム(撮像素子)に露光され、

(5)ミラーが下がると同時に、

(6)ボディ側の絞り連動レバーが最上端まで上がり、レンズの絞り連動レバーを押し上げることで絞りが元の開放状態に戻る。

(※:ボディ側で絞り制御しない場合のみ)


 

●AEと絞りのコントロール方法の変遷

初期のニコン機ではAE(自動露出)機能が搭載されておらず、露出計(外付け/内蔵)の指針を見ながら、シャッター速度リングや絞りリングを手で回して適正露出となる組み合わせを決定していた。この頃の自動絞り機構は単純で前述の画像4(カメラへのレンズのセット)と画像6(撮影)のような動作をする。

しかし、カメラ側で絞りをコントロールするシャッター速度優先AEでは、撮影者がシャッター速度を先に決め、適正となる絞りをカメラが自動的に決定しレンズの絞りを(カメラボディから)作動させる必要がある。

ニコンのAEカメラとして昭和47(1972)年の「Nikomat EL」に搭載された絞り優先AEの場合は、撮影者がレンズの絞りリングを回した後にカメラが電子制御によってシャッター速度をコントロールできるので機構的にはシンプルであった。

一方、絞り優先AEに比べて絞りを(カメラボディ側から)機械的に作動させる必要があるシャッター速度優先AEは難しかったようで、昭和48(1973)年3月発売の「Nikon F2 フォトミック S」では、「EEコントロールユニット」を増設してレンズの絞りリングを直接サーボモーターで回すという力業でシャッター速度優先AEを実現したが、これはいかにも苦肉の策、というか洗練されたやり方ではなかった。(下の画像は、Nikon F2 フォトミックAS用EEコントロールユニット)
 

EEコントロールユニット DS-12 DS-12+モータードライブMD-2+250フィルムバックMF-1
 


ボディ側から絞りをコントロールできる第二の方法としては、ボディ側の「(K)絞り連動レバー」を最上端から最下端までの間の適正な(絞りに対応する)位置に移動することで、レンズの「(a)絞り連動レバー」を動かして(追随させて)絞りを作動させることである。


画像7: ボディ側の絞り連動レバーによる絞り作動(イメージ)

ボディ側の絞り連動レバーがAEで決定された絞り値に対応する位置に移動(白矢印)すると、レンズの絞り連動レバーがスプリングの力でそれを追いかけて絞りが絞り込まれる。(但し実際に絞り込まれるのはシャッターを切って露光される直前である。)

注)この画像はイメージです。絞りの制御範囲はF1.2〜F32(F45?)、制御ステップは1/3EV以下の単位で行なわれると思われます。(つまり、もっと多段階制御となる)

この方式の前提条件は、ボディ側の絞り連動レバーの動き(位置)とレンズの絞り込み状態が1:1に対応していなければならない。
(例えばボディ側の絞り連動レバーがF8の位置にある時、レンズ絞りもF8に絞られなければならない)

しかし、昭和52(1977)年から発売されたAiニッコールでは、ボディ側絞り値の変化(ボディ側の絞り連動レバーの変化)に対してレンズ側絞り連動レバーがリニアに比例しておらず、ボディ側から正確な絞りコントロールを行なうには昭和55(1980)年に発売されたAi-Sレンズの登場を待たなければならなかった。(●Ai-S Nikkorレンズ参照)

そしてAi-Sレンズ発売から2年後の昭和57(1982)年5月に「Nikon FG」で初めてプログラムAE絞り優先AEが搭載され、さらに翌年の昭和58(1983)年9月に発売された「Nikon FA」ではプログラムAE絞り優先AEに加えてニコン初のシャッター速度優先AEと世界初のマルチパターン測光が採用された。
(但し、SタイプではないAiレンズでも露出精度を確保する為、「●瞬間絞り込み測光」を採用している)

 

●AEの種類

絞り優先AE 撮影者が絞りを先に決めておけば、カメラが適正なシャッター速度を自動的に決定(電子制御)する方式
シャッター速度優先AE 撮影者がシャッター速度を先に決めておけば、カメラが適正な絞りを自動的に決定しレンズの絞りを制御する方式
プログラムAE 撮影状況をカメラが自動的に判断して、適正な絞りとシャッター速度を決定する方式


 

●カメラ側からの絞りのコントロール

シャッター速度優先AE、プログラムAE、オートモード等や、マニュアルモード時のカメラのコマンドダイアルによる絞り設定時には、画像7のようにボディ側の絞り連動レバーがAE(やマニュアル操作)で決定された絞り値に対応する位置に移動する。(実際に絞り込まれるのはシャッターを切って露光される直前である)

画像8: 絞りリングの回転と絞り羽根の変化


レンズの絞りは最小値にセットしておく。(この例ではF32)

こうすることで、ボディ側の絞り連動レバーが上下移動することにより、レンズの絞り連動レバーがスプリングの力で追随して開放〜最小絞り値まで自在に変えることができるようになる。

もしレンズ絞りを最小絞りにせず例えばF8などになっていると、ボディ側の絞り連動レバーの上下移動でコントロールできるのは開放〜F8までの範囲となってしまう。このような誤操作を避ける為に最小絞り警告機能がある。((M)最小絞り設定警告レバー●最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー参照)

画像9: 露出(絞り)の決定


カメラが適正な絞り値を決定する。(この例ではF5.6)

マニュアルモード時にはサブコマンドダイヤルを回して適当な絞りを選択する。

画像10: 撮影
シャッターボタンを押すと、以下の手順で露光される。

(1)ボディ側の絞り連動レバーが画像9で決定された絞り値(F5.6)に対応する位置まで下がり

(2)レンズの絞り連動レバーがスプリングの力でそれを追いかけ、設定絞り値(F5.6)まで絞り込まれ、

(3)同時にミラーが上がり、

(4)シャッターが作動してフィルム(撮像素子)に露光され、

(5)ミラーが下がると同時に、

(6)ボディ側の絞り連動レバーが最上端まで上がり、レンズの絞り連動レバーを押し上げることで絞りが元の開放状態に戻る。





●露出計連動爪と開放F値設定




露出計連動爪(カニ爪) 露出計連動ピン


昭和34(1959)年6月発売の「Nikon F」は、製品コンセプトとしてシャッター速度と絞りの両方に完全に連動する露出計を着脱可能の外部測光式(ニコンメーター1型や、3年後に発売されるファインダー交換式のフォトミックファインダー)とした。 そのためにレンズの絞り環をマウント側におき、露出計と連動させるための「(c)露出計連動爪(カニ爪)」を付けたのが始まりで、どのレンズでもF5.6の位置に付けられ、これを使って絞りの絶対値を露出計に伝えることができた。


ニコンメーター1型 Nikon F フォトミック

測光方式の進展のなかでTTL開放測光方式(実際にレンズを通った光をボディ内測光素子で測光する)が生まれ、これを実現するには装着レンズの開放F値をボディ(露出計)に伝える必要があるが、ニコン初のTTL開放測光式一眼レフである「Nikomat FT」(昭和40(1965)年7月)ではボディに開放F値補正目盛りが付けられており、レンズ交換ごとにその開放F値を設定しなければならなかった。この設定を忘れてしまうと当然適正露出は得られず、不良写真を量産してしまうことになる。

そこで、その2年後の昭和42(1967)年10月に発売された「Nikomat FTN」や、翌年の昭和43(1968)年9月「Nikon フォトミックFTN」では、開放F値半自動設定(通称「ガチャガチャ方式」)によって簡単に設定可能となった。

Nikomat FT Nikomat FTN Nikon フォトミックFTN

 

開放F値半自動設定(通称「ガチャガチャ方式」)の手順

   (1)レンズの絞りをF5.6に合わせる
   (2)レンズの(c)露出計連動爪をボディの(L)露出計連動ピンに合わせて装着する
   (3)レンズの最小絞りまで左一杯に回す(これで現在カメラにセットされている開放F値がリセットされる)
   (4)続いて今度は右一杯に回す(この回転角度から装着レンズ開放F値がボディ側に伝えられる)


昭和52(1977)年にAiレンズが発売された為、昭和51(1976)年10月発売の「ikon F2 フォトミック SB」が(L)露出計連動ピンのある最後のカメラとなった。 尚、昭和61(1986)年4月発売のAF搭載機「Nikon F-501」(CPU内蔵方式)と同時発売のCPU内蔵AFニッコールレンズ群(Ai AF Nikkor 50mm F1.8Sなど)以降は、この連動爪はなくなっている。 (参考:●露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR・Gタイプ使用可否一覧


レンズ側露出計連動爪に対応する露出計連動ピンのあるボディ一覧>

カメラ名 発売年月
 Nikon F フォトミック   昭和37(1962)年4月 
 Nikon F フォトミックT   昭和40(1965)年9月 
 Nikon F フォトミックTN   昭和42(1967)年4月 
 Nikon フォトミックFTN   昭和43(1968)年9月 
 Nikon F2 フォトミック   昭和46(1971)年9月 
 Nikon F2 フォトミック S   昭和48(1973)年3月 
 Nikon F2 フォトミック SB   昭和51(1976)年10月 
 NIKKOREX F(ニコレックス F)   昭和37(1962)年6月 
 Nikomat FT   昭和40(1965)年7月 
 Nikomat FTN   昭和42(1967)年10月 
 Nikomat FT2   昭和50(1975)年3月 
 Nikomat EL   昭和47(1972)年12月 
 Nikomat ELW   昭和51(1976)年2月 


Ai方式以前の、この 露出計連動爪(カニ爪)が付いているレンズは、 「オートニッコール」、「オールドニッコール」、「従来レンズ」、「従来(非Ai)レンズ」、 「非Aiの旧ニッコール(カニ爪方式)」などと呼ばれる。

● そしてこれらのレンズは一部の機種を除きデジタル一眼レフには物理的に装着できない。 (●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ 参照)

    よって、デジタル一眼レフ等で古いニッコールレンズを楽しみたいなら、最低限Ai-Sタイプのレンズを選択すべきである。

● 後のAi方式レンズの一部にも残されている (c)露出計連動爪(カニ爪)は、 Ai方式以前の露出計内蔵フィルムカメラを使用する場合にのみ必要なものであり、Ai方式のカメラのみで使用する場合は不要である。(メーカーにて無料で連動爪の取り外し依頼可能)

Ai方式以前の露出計内蔵カメラに AFレンズを使用(Gタイプレンズは使用不可)する場合は絞り込み測光となるが、 メーカーの連動爪の取り付け改造により開放測光で使用できる。(ニコンの修理サービス拠点で対応、改造費 ¥2,000)




●Ai方式



昭和52(1977)年に商品化された、開放F値自動補正方式(AI = Automatic Maximum Aperture Indexing 方式)。
 (尚、Ai方式の改良版として、昭和55(1980)年からAi-S方式に切り替わっている。)

Ai方式とはレンズの絞り値をカメラボディに伝える為の機構で、旧来の露出計連動爪(カニ爪)方式レンズ装着時の面倒な操作性を改善するために開発された。

レンズを装着する度にそのレンズの開放F値(明るさ)をボディ内の補正目盛りにセットしたり、絞りリングを左右に回す「ガチャガチャ方式」など、手間の掛かる手順なしに、レンズ装着のみで露出計と連動する。(●露出計連動爪と開放F値設定 参照)

レンズ絞り環後端部に設けられた「(d)露出計連動ガイド」が、ボディ側の(B)露出計連動レバーを介してレンズ開放絞りから何段絞ったかをボディ内蔵露出計に伝える方式である。ボディ側の(B)露出計連動レバー内部には可変抵抗が内蔵されており、回転角を電気抵抗値に変換して露出計に入力される。


(1) 露出計連動ガイドの追加

レンズに追加された露出計連動ガイド



● どの交換レンズでも絞り環の上で開放F値から測ってほぼ一定の位置にガイドの端面がくる。

<開放F値に対応する露出計連動ガイド位置> (注:以下の画像はAi-Sニッコール)



1段当たりの角度は実測7.5度。開放F値の位置から回転角で35度だけ絞り込む側に寄った位置にガイド端がくる。

注)上図は開放F値F2.8のAi-Sタイプ。また、F1.4の位置だけは本来の位置から少しずれている。(周辺減光補正の為か?)

<開放F値と露出計連動ガイド位置の例>



露出計連動ガイドの長さは35mmである。(=フォトミックAファインダー側の(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)がレンズ側の露出計連動ガイドの使わない側の端面に落ち込まないようにするため)

● 昭和52(1977)年に商品化され、当年41本のAiレンズが発売された。(Ai テレコンバーター2本含む)
    Ai方式対応のカメラは昭和52(1977)年3月発売の「Nikon F2 フォトミックA」から最初である。




(2) 開放F値連動ガイドの追加

ボディ側の(I)開放F値連動レバーに連動し、開放F値を受け取って自動露出やファインダー内表示、マルチパターン測光などに用いられる。(Nikon F4、FAなど)

レンズに追加された開放F値連動ガイド



● この開放F値連動ガイドの受け部であるボディ側の「(I)開放F値連動レバー」は暫くの間実装されていなかった。

    ( ●開放F値連動レバー/開放F値連動ガイド 参照)


(3) レンズ側の絞り表示が二重になり、マウント側のファインダー内表示用の小文字の絞り値が追加された。
     (「F2 フォトミックA」などの後付けファインダーでは絞り環の数字をファインダー内で直読するための光学系が新設されている) 

(4) 上記の表示用絞り値がよく見えるようにカニの爪は穴の空いたタイプ(ブタ鼻)となった。

 いわゆる「ブタの鼻」と言われるタイプ。。

尚、昭和61(1986)年4月発売のAF搭載機「Nikon F-501」(CPU内蔵方式)と同時発売のCPU内蔵AFニッコールレンズ群(Ai AF Nikkor 50mm F1.8Sなど)以降は、この連動爪は廃止されている。

(5) かつて販売されていた「EEコントロールユニット(サーボモーターによる絞り制御)」に連動させる為の(f)EEコントロールユニット用連動ガイドを設けた。(このガイドは後に(k)最小絞り設定警告用ガイドとして利用されている)

最小絞り設定警告用ガイド <参考>EEコントロールユニット DS-12
 
 
(6)レンズマウント面と絞りリング後部(スカート部)のフラット化

非Aiのオールドニッコールレンズのマウント部 Aiニッコールレンズのマウント部

初期のオールドニッコールレンズ(非Ai)の絞りリング後部(スカート部)は、ボディ装着時にマウント接合部からの光漏れ防止(?)や防塵対策の為にマウント接合部を覆うように長くしていた、と思われるが、結果的にデジタル時代の露出計連動ガイド(所謂Aiレバー)や最小絞り警告レバーなどとの干渉、そしてボディ前面との干渉など、多くの制限が発生してしまっている。Ai化と同時にレンズマウント面と、絞りリング後部(スカート部)のフラット化が行なわれたので、この点での装着制限はなくなっている。 (物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ 参照)
 

●Ai方式レンズと非Ai方式レンズの見分け方
Ai方式レンズには全て絞りリングの縁に(d)露出計連動ガイドが付く。さらに(c)露出計連動爪は穴の開いたタイプ(ブタ鼻)になっている。
 

●Aiニッコール(純正)と改造Aiニッコールの見分け方
レンズ後部の(e)開放F値連動ガイドの有無で判断する。あればAiニッコール、なければ改造Aiニッコール
開放F値連動ガイド

 

●改造Aiニッコール
Ai方式以前のレンズ(カニ爪方式)の絞りリングを交換または切削し、(d)露出計連動ガイドの役割をする切り欠きを作り込んだレンズ。 一時期、メーカーによってこのAi改造が行われていたが現在は行なわれていない。

純正のAiレンズ後部にある(e)開放F値連動ガイドはAi改造レンズには付いていない(上の画像参照)。 このため装着するボディによって、純正Aiレンズでは可能な多分割測光がAi改造レンズでは不可という機能上の制約がある。 ( ●開放F値連動レバー/開放F値連動ガイド 参照)

 

●Ai方式のボディと非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズの組み合わせについて
Ai方式のボディには(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)が可倒式と固定式の機種が存在する。

・ レバー固定式のボディでは、このレバーと絞りリング後部が干渉するため非Aiのオールドニッコール(従来方式)レンズは取り付けできない。
   (同じ理由でNikon FやF2時代の古いボディキャップ(BF-1より前)もこのレバーと干渉してしまうので、BF-1以降のキャップを使用すること。)

・ レバー可倒式のボディでは、このレバーを上に倒して回避させることで非Aiレンズを装着することができる。但し、露出計と連動しない為(開放測光ではなく)絞込み測光となる。

非Aiのオールドニッコールレンズのマウント部 Aiニッコールレンズのマウント部

固定式レバー     可倒式レバー
レバーを押しつぶす。。。 レバーを倒したままなら不可 レバーを跳ね上げればOK

  尚、非Aiレンズを自分でAi改造することも可能である。

  (B)露出計連動レバーの有無、可倒式/固定式のボディ一覧はこちらを参照。

  その他の制限については、物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせを参照。
 


●「 Ai方式 」のレンズ名表記
レンズ名が”Ai”で始まるレンズ。開放F値の後に”S”や”D”などが付くのは別タイプのレンズとなる。

例) Ai Nikkor 50mm F1.4  = ネイティブなAi方式のレンズ(=Aiニッコール)
Ai Nikkor 50mm F1.8S  = 最後に”S”が付いている = Ai-S方式のレンズ(=Ai-Sニッコール)
Ai AF Nikkor 24mm F2.8D  = 最後に”D”が付いている = Dタイプレンズ(距離情報伝達機能を持つ)と呼称。 (Ai-S方式でもある)
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G  = 先頭に”Ai”がなく、最後に”G”が付いている = Gタイプレンズ(絞りリングが省略されたレンズタイプ)と呼称。 (=絞りリングがないので、当然Ai(Ai-S)方式ではない)

レンズ名の見方はこちらを参照。


 
●「 AI 」と「 Ai 」の表記の違い
メーカーサイトによれば、「 Ai 」は亀倉雄策氏のデザインした正方形のロゴマーク(デザイン上の処理)であり、その印象から「 Ai 」と誤記されやすいが、「 AI 」が正しいとのこと。
 

《 コラム 》 Ai方式 - ややこしいお話その1(^^);と補足解説

「Ai方式」「Aiタイプ」といっても多種多様のレンズがあり、「Ai方式のニッコールレンズ」というだけでは、そのレンズの種類(仕様)を確定できない。(コラム: Ai-S方式 - ややこしいお話その2も参照)

「Ai方式」とは、外観上の最大の特徴である (d)露出計連動ガイド (Ai連動レバー)というパーツが付いている、ということを示すのみであり、最初期の「Ai Nikkor 50mm F1.4」などCPU非搭載のMFレンズから、 「Ai AF VR Zoom-Nikkor 80-400mm f/4.5-5.6D ED」などCPU・手ブレ補正機構搭載のレンズまで様々な製品がある。

デジタル一眼レフの時代においては、 (d)露出計連動ガイド は 互換性維持のための単なる1パーツに過ぎない。

上記の「Ai AF VR Zoom-Nikkor 80-400mm f/4.5-5.6D ED」を例にあげると、

 ・ ボディ内モーター駆動のAFで、
 ・ 手ブレ補正機構(VR)搭載し、
 ・ 撮影距離情報を伝えられるDタイプで、
 ・ ED(特殊低分散)ガラスを採用した
 ・ Ai方式の露出計連動ガイド残してある
 ・ ズームレンズ

である。

さて、前述の「Ai Nikkor 50mm F1.4」のようにCPU非搭載のMFレンズなど、 Ai-SタイプではないネイティブのAi方式レンズは「Aiニッコール」、「非SタイプのAiニッコール」などと呼ばれ、 全てMF(マニュアルフォーカス)レンズであり、CPUも内蔵していない。 つまり露出計連動爪(カニ爪)方式の初期ニッコールレンズに露出計連動ガイド+αを追加したものである。

CPUを内蔵していない為、「Nikon F2 Photomic A」以降のAi対応フィルムカメラと、同じくAi対応の一部のハイエンドデジタル一眼レフ(※1)でのみ露出計が作動する。一部のハイエンドデジタル一眼レフで使用するには、レンズ情報手動設定機能でレンズの焦点距離と開放絞り値を設定する。Ai対応のカメラ以外では装着は可能だが露出計は作動しない。(何故ならボディ側に(B)露出計連動レバーがないから。)

(正確には、カニの爪が残されているので「Nikon F フォトミック」など 露出計連動ピンのあるボディでも露出計が使用可能ではある。)

但し。。。。後のAi-Sタイプで改良されたレンズ側絞り連動レバーの動きと絞りの段数のリニア化がされていないので、絞りのセットは(サブコマンドダイヤルを使ったボディ側からではなく)レンズ側で行なう必要があり、露出モードもレンズ側で絞りをセットするA(絞り優先オート)かM(マニュアル)のみで、P(プログラムオート)やS(シャッター速度優先オート)は使えない。

実の所、リニア化されているAi-Sタイプのレンズ使用時でも S(シャッター速度優先オート)モードやP(プログラムオート)モードが使える機種は「Nikon FA」など数機種に限られている。 これは、装着レンズがAiタイプやAi-Sタイプの混在環境において、その 区別の煩雑さと、レンズが最小絞りにセットされていない場合の警告手段がなかったことなどが理由である。 (●瞬間絞り込み測光参照)


(※1)Ai対応の一部のハイエンドデジタル一眼レフ (2013年12月1日追記)

  カメラボディ側の(B)露出計連動レバーの有無、可倒式/固定式のボディ一覧はこちらにあるが、デジタル一眼レフで(B)露出計連動レバーがあるのは一部のハイエンド機種に限られる。しかも「Nikon Df」以外の全てが固定式の連動レバーであるので、非Aiレンズ(非CPU、オールドニッコールレンズ)はレバーに干渉してしまい物理的に装着できない。(●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ参照)

 平成25(2013)年11月28日発売の「Nikon Df」がニコンデジタル一眼レフカメラとしては初めて可倒式の露出計連動レバーを採用し、非Ai方式レンズ(非CPU、カニ爪方式のオールドニッコールレンズ)が装着可能となった。(詳細はこちらを参照)




●Ai-S Nikkor レンズ



Ai方式 の改良版として昭和55(1980)年から発売され、シャッター速度AEに対応するため、主に絞り制御の適正化を行なっている。

Ai方式が商品化された当時は、「 Nikomat EL 」など絞り優先AE(レンズ側で絞りを設定)のみに対応していればよかったが、その後のシャッター速度優先AEプログラムAEなどマルチモードAEに対応するにはカメラボディ側から絞りを正確にコントロールする必要があった。

カメラボディ側から絞り値をコントロールする動作は以下の通りである。( ●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE 参照 )

(1)レンズを装着するとレンズ側の(a)絞り連動レバーを押し上げ、絞りを開放状態にする。(レンズ側は最小絞りにセット)

(2)次にシャッターボタンを押すとボディ側の(K)絞り連動レバーが下がり、押し上げられていたレンズ側の(a)絞り連動レバーがスプリングの力でこれを追いかけ、あらかじめ設定された絞り位置で停止する。

ボディ側の絞り連動レバーに追随するレンズ側絞り連動レバー スロー再生すると。。。
●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE 参照 )

しかしAiレンズではボディ側絞り値の変化(ボディ側の絞り連動レバーのストローク)に対して、レンズ側絞り連動レバーの動き(ストローク)がリニアに比例しておらず、多くの場合、開放から2段くらい絞ったところで連動レバーのストローク(上下ストローク長は最大約9mm)の半分以上を費やし、小絞り側ではレバーの動きが非常に小さいものになっている。

例えばボディ側で絞りをF11にセットし、 ボディ側の(K)絞り連動レバーがF11の位置まで下がったとしても、実際にレンズ側で正確にF11に絞り込まれるかは保証できなかった。 つまり、ボディ側で設定/決定された絞り値と(絞り連動レバー経由で)実際に絞り込まれる絞り値の間に誤差が発生してしまう。

(その為、「Nikon FG」等ではシャッターレリーズ後に絞りが絞り込まれた時点で再測光してシャッター速度を再調整している → ●瞬間絞り込み測光

この対策として、昭和55(1980)年から発売されたAi-Sレンズでは、レンズ側絞り連動レバーの動きを絞りの段数にほぼ比例(リニア化)するようにした。


図1: Aiレンズの場合(イメージ)
    図2: Ai-Sレンズの場合(イメージ)


(図1のAiレンズでは、リニアに変化するボディ側の絞り連動レバーに対してレンズ側絞り連動レバーのピッチが比例していない。)

このリニア化は、シャッター速度優先AEやプログラムAEなど、ボディ側から絞りを制御する場合に有効であり、絞り優先AEの場合はレンズ側で絞りを設定するので、あまり意味はなかった。。。のだが、その後カメラのサブコマンドダイヤルで絞り値を設定できるようになると大きな問題となる。

さらに、Ai方式レンズに加えて、焦点距離に関する情報((j)焦点距離識別リッジ)、Sタイプレンズの識別情報((g)レンズタイプ識別ノッチ)などが付加された。

焦点距離識別リッジ レンズタイプ識別ノッチ
焦点距離識別リッジ 焦点距離が135mm以上のレンズを識別して、プログラムAEでは手ブレを防ぐために高速プログラムに切り替える。
レンズタイプ識別ノッチ AiレンズとAi-Sレンズの区別用。ボディ側の(E)レンズ識別ピンに対応する。使用されているボディはF4のみと思われる。


もう一点、レンズのピントリングの回転角とピントの移動量の関係を見直し、「回転角度:ピント移動量」を可能な限り統一しているらしい。

 

●Sタイプレンズと非Sタイプレンズの見分け方
○ Sタイプレンズでは絞り環の最小絞り値が、絞り目盛り/ファインダー内表示用絞り目盛りともにオレンジ色に着色されている。

Ai-Sレンズの絞り環 Aiレンズの絞り環


○ シリアルNo.から、そのタイプも分かるサイト。

   Nikon Lens Versions and Serial Nos
 


●「 Ai-S方式 」のレンズ名表記
レンズ名が”Ai”で始まり、F値の後に”S”や”D”が付く。

例) Ai Nikkor 50mm F1.8S  = F値の後に”S”が付いている = Ai-S方式のレンズ。Ai-Sニッコール、Aiニッコール(Sタイプ)などと呼称
Ai AF Nikkor 24mm F2.8D  = F値の後に”D”が付いている = Dタイプレンズ(距離情報伝達機能を持つ)と呼称。(= Ai-S方式でもある)

 
●「 Ai-S方式 」のレンズの呼び方
一般にAi-S方式のレンズは、「Ai-Sニッコール」「Aiニッコール(Sタイプ)」などと呼ばれる。頭に”非CPUの”と付ける場合もある。
対してAi方式のレンズは、「Aiニッコール」「Aiニッコール(非Sタイプ)」などと呼ばれる。
 

《 コラム 》 Ai-S方式 - ややこしいお話その2(^^);

「Ai-Sタイプ」といっても多種多様のレンズがあり、「Ai-Sタイプのニッコールレンズ」という表現だけでは、そのレンズの種類(仕様)を確定できない。

 「Ai-Sタイプのニッコールレンズ」には、

  (1) CPUを内蔵していないMF(マニュアルフォーカス)レンズ (Ai Nikkor 50mm f/1.4S など = 「Ai-Sタイプのオールドニッコールレンズ」)
  (2) CPUを内蔵してはいるがCPU方式とは言わないF3AF用AFレンズ(Nikon F3AF、F-501、F4でのみAF使用可能)
  (3) CPU内蔵のMF(マニュアルフォーカス)レンズ (Ai-P。Ai Nikkor 45mm F2.8P など)
  (4) CPU内蔵で非DタイプのAF(オートフォーカス)レンズ (Ai AF Nikkor 50mm F1.4S など)
  (5) CPU内蔵でDタイプのAF(オートフォーカス)レンズ (Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED など)

などの種類がある。さらに(5)には、超音波モーター(AF-S)や コアレスモーター(AF-I)搭載/非搭載のレンズもある。 ( 参考: Fマウントレンズ体系図/分類

Ai/Ai-S方式のレンズが発売された頃は、「Aiニッコール」や「Ai-Sニッコール」「Aiニッコール(Sタイプ)」などと呼ばれており、 これ以前の露出計連動爪(カニ爪)方式のレンズは「オートニッコール」、「オールドニッコール」、「従来レンズ」、「従来(非Ai)レンズ」、「非Aiの旧ニッコール(カニ爪方式)」などと呼ばれて明確に区別ができた。

しかし、その後AFレンズ(同時にCPU搭載)やDタイプ(距離エンコーダー内蔵)レンズ、超音波モーター(AF-S)内蔵レンズが続々と発売され、 これら(の一部)にもAi-S方式の露出計連動ガイドが 残されてはいるが、AFレンズ以降はAi方式は互換性保持の為の単なる一パーツの扱い(レンズ名の一部に”Ai”が残されている)となり、レンズ種別は「CPU内蔵レンズ」「AFレンズ」「Dタイプレンズ」などを組み合わせて表わすこととなった。
(例:Ai AF VR Zoom-Nikkor 80-400mm f/4.5-5.6D ED = 「CPU内蔵Ai方式の手ブレ補正付きDタイプAFレンズ」)

よって、上述の(1) CPUを内蔵していないMF(マニュアルフォーカス)レンズ (Ai Nikkor 50mm f/1.4S など)のみがネイティブな(純粋な、無印の)Ai-Sレンズであり、 「Ai-Sタイプの非CPUオールドニッコールレンズ」とでも呼称すれば他のレンズタイプと区別ができるかもしれない。

ちなみに、平成13(2001)年3月から発売されたGタイプレンズは、絞りリング自体が廃止されているので当然Ai-Sタイプではなく、 (d)露出計連動ガイドは勿論、(j)焦点距離識別リッジ(g)レンズタイプ識別ノッチ)なども省略されている。勿論、前述の レンズ側絞り連動レバーの動きと絞りの段数のリニア化は当然なされている。


 
《 コラム 》 ニコンの「時間」

Ai方式が発売された1977(昭和52)年当時は一眼レフにもAE(自動露出)化の波が押し寄せていて、「ミノルタ SD」(1977年)や「キヤノンA-1」(1978年)など、絞り優先AE/シャッター速度優先AEを搭載したマルチモードAE機が発売された時期でもあった。当然ニコンでもAE機の開発が進められていたはずだが、シャッター速度優先AE実現のためには「絞り制御のリニア化」が必要であったにも関わらず、Ai方式では対応されていない。「リニア化」が行なわれたAi-S方式の発売はAi方式のたった3年後の昭和55(1980)年であり、ニコンにしては珍しく技術的予測が甘かったか?(^^);

Ai方式の企画/開発時に将来のシャッター速度優先AE実現を見越した「絞り制御のリニア化」に対応していれば、Ai方式/Ai-S方式のレンズが混在するという Fマウントの複雑化要因の一つが無くなっていたはずなのにネ。。。。

尚、ニコンのAE機は、

 ・ 昭和57(1982)年5月、「Nikon FG」にプログラムAE搭載
 ・ 昭和58(1983)年9月、「Nikon FA」にニコン初のシャッタースピード優先AEが搭載

された。

その後の「CPU内蔵」は1986年4月にAF化と同時に行なわれたが、C社のEFマウントは1987年3月に発売なのでニコンが1年先行してはいる。しかし、EFマウントは完全電子マウントであるのに対し、ニコンの超音波モーター搭載(AF-S)は1996年11月、絞りリングの省略(Gタイプ)は2001年3月、電磁駆動絞りは2008年2月にPC-Eレンズ発売、と実にゆったり(?)とした「時間」経過が如何にもニコンらしい。

図1: Fマウント関連の主な機能と時期
連動爪方式 1959年6月
(18年)
Ai方式 1977年3月
(3年)
Ai-S方式 1980年2月
(6年)
AF化+CPU内蔵 1986年4月
(10年)
AF-S 1996年11月
(4年)
VR 2000年11月
(1年)
Gタイプレンズ 2001年3月
(7年)
電磁絞り 2008年2月
()内は経過年




●CPU連動方式/CPU内蔵レンズ/電子接点



カメラボディとレンズ間の情報伝達を電気信号で行なう方式。初期のAFニッコールには、 NEC製 uPD7554A(4ビットシングルチップマイクロコンピュータ)が搭載されていた。(発表時)

昭和61(1986)年4月発売のAF搭載機「Nikon F-501」からCPU内蔵方式が採用され、同時発売のAFニッコールレンズ群(Ai AF Nikkor 50mm F1.8Sなど)以降、全てのレンズにCPUが搭載されている。( 参考: Fマウントレンズ体系図/分類 )

ちなみにボディ側のCPUには、例えば「D70」では富士通の32bit RISC CPU(FRファミリ)、D7000には東芝製「TMP19A44FEXBG microcontroller」が搭載(=ネット情報)されており、「D70」や「D750」、「Nikon 1V3」等のOSには工業用途リアルタイムオペレーティングシステムである μITRONが採用されている。

ボディ側電子接点 レンズ側電子接点

 

● CPU連動方式のレンズ群

 以下は全てCPUを内蔵したレンズ群であり、全てのニコンデジタル一眼レフに装着でき、露出計も作動する。(但しDXタイプレンズはAPS-C判カメラとクロップ機能を持つFXハイエンド一眼レフでのみ使用可)

レンズ種別 解説
AFレンズ 92/09月以前のAFレンズ(無印AFレンズ)。CPU内蔵(但しF3AF用レンズは除く)だが、DタイプでもGタイプでもない。
AF-Sレンズ AF駆動用のSWM (超音波モーター) を内蔵したレンズ。全てCPU内蔵で、GタイプDタイプDXレンズ/非DXレンズがある。
Dタイプレンズ 撮影距離情報をカメラに伝えられる。全てCPU内蔵で、モーター内蔵/非内蔵、AF/MFの両タイプがある。(Ai-Sタイプでもある。)
Gタイプレンズ 絞りリングを省略したレンズで、撮影距離情報をカメラに伝えられる。古いフィルムカメラでは使用不能。
全てCPU内蔵、AF、非Aiタイプであり、Dタイプ(距離信号を持つ)でもある。(モーター内蔵/非内蔵の両タイプがある)
Eタイプレンズ PC-Eではない一般のレンズに電磁駆動絞りを搭載した新タイプのレンズ群。AF-SVR(手振れ補正)、非Ai、Gタイプでもある。
DXタイプレンズ APS-C判のデジタル一眼レフに特化したレンズ。 但し、フルサイズ(FXフォーマット)判のボディ(D3、D3S、D3X、D700など)に装着すれば、DXフォーマットサイズで撮影(クロップ)も可能。全てCPU内蔵で、AF、非Aiタイプ、Gタイプである。(フィッシュアイレンズの1本以外は全てAF-Sタイプでもある。)

 別な表現をすると、CPUを内蔵しているのは、全AFレンズ(但しF3AF用レンズは除く)、及び、 マニュアルフォーカスのDタイプレンズ(PC、PC-Eレンズ)、Ai-Pレンズである。


注) CPU搭載機種(AF対応機)には、BF-1A以降のボディキャップを使用すること。BF-1A以前(BF-1など)のボディキャップはボディの電子接点とキャップ後端部が干渉してしまうので故障の原因となる。
 

● レンズ〜ボディ間の伝達情報(推定)

 ・レンズ基本情報要求コマンド(ボディからレンズへ)
 ・レンズ識別番号(レンズID)(補足解説1
 ・レンズ種別、開放F値(Wide/Tele)、最小絞り値(絞り開放からの絞り込み段数)、焦点距離(Wide/Tele)、回転角、繰出し量
 ・レンズタイプ( マニュアル、 AF-S/ AF-I/ Ai-PDXDGVRE(電磁絞り)
 ・レンズ収差情報補足解説3
 ・撮影時の焦点距離情報
 ・撮影時の距離情報(DタイプGタイプEタイプ
 ・レンズが無限または至近の制限位置にある時の信号
 ・切換えスイッチの状態(VR-ON/OFF、AF/MF切り替えスイッチ、フォーカス制限切り替えスイッチなど)
 ・ボディからレンズへの絞り作動指示、レンズからの作動完了シグナル(電磁絞りレンズ対応)
 ・AF-Sレンズ時、ボディからピント移動方向とその量、フォーカス開始/停止コマンド
 ・レンズからボディへAF作動要求(AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR などのAF作動ボタン)
 ・VRレンズ時、レンズへの手ブレ補正作動指示、センタリング指令、レンズからのセンタリング完了シグナル
 ・AF-SVRレンズ電磁絞りレンズへの電源供給、レンズ内CPUへの電源供給、GND(グラウンド)
 

《 補足解説1 : レンズ識別番号(レンズID) 》

 装着レンズ名は、名称そのものではなく対応する識別番号(レンズID:IDentification)が、レンズからボディに伝えられる。レンズIDは撮影画像のExif情報(カメラの機種、使用レンズ、撮影情報を記録)内に書き込まれ、ビューアーやフォトレタッチソフトなどで表示ができる。レンズ識別番号(レンズID)から実際のレンズ名に変換するには対応テーブルが必要である。

レンズIDサードパーティ製を含む拡張レンズID 参照 ) 

《 補足解説2 : ボディ〜レンズ間の通信 》

 CPU連動方式では、カメラボディとレンズ間の情報伝達を「シリアル通信」で行なっている。つまり電気抵抗値などのアナログ値によるものではなく、コンピュータ間通信で使われるデジタルデータ通信であり、1個のピンを経由してデジタルデータを1ビット単位で転送できるので、ピン(ケーブル)本数を減らすことができ、低コスト且つ高クロック化による高速データ転送が可能である。

例えば電源ON時やレンズ装着時にボディ内CPUからレンズ内CPUに対し、レンズ基本情報要求コマンドを送ると、レンズ側CPUから、レンズ識別番号、開放F値、最小絞り値、焦点距離、レンズタイプなどの情報が送られてくる。逆にレンズのVR-ON/OFFスイッチなどが切り替わったような場合は、レンズ内CPUからボディ側にイベント発生の外部割込みが発せられ、状態変化が伝えられる。 (以上推定)
 
 今後、レンズに関連する機能が追加/変更された場合でも、ボディ内CPUのファームウェアのバージョンアップだけで対応可能となる(かもしれない)など、柔軟性が高い。( ●そして完全電子マウントへ(?) 参照 ) 

《 補足解説3 : レンズ収差情報 》

 平成24(2012)年3月発売の「Nikon D4」では、 「G/Dタイプレンズ装着時に自動ゆがみ補正を[する]に設定すると、広角レンズ使用時のたる型のゆがみや望遠レンズ使用時の糸巻き型のゆがみを撮影時に補正できる」という機能が追加されている。補正の為にはレンズの歪曲収差(ディストーション)情報が必要であることから、装着レンズ内に当該データを保持している。
 :
 :
ものと思われたが。。。
 :
 :
実際には補正情報はカメラ本体のファームウェア内に「ゆがみ補正データ」というデータベースで保持している。このデータの最新版はメーカーサイトからダウンロードする必要がある。自動ゆがみ補正はD/Gタイプレンズに加え、Eタイプレンズを装着した場合にも機能する。ファームウェア内に補正データを持つことで、撮影時だけではなく、撮影後の画像に対しても画像編集機能で補正が行なえるという利点がある。装着レンズと補正データのリンク(関連付け)はレンズ識別番号(レンズID)によるが、サードパーティ製レンズの一部には純正レンズのレンズIDを流用しているものがあるらしく、誤った収差補正を行なってしまう可能性があるようだ。 

《 補足解説4 : レンズ側の設定絞り値通知 》

「レンズ側の設定絞り値をボディ側に通知する」のもありそうであるが、ない。 CPU内蔵以降はボディ側で(サブコマンドダイヤルなどで)絞りの設定を行なうことを基本としているので通知自体が不要である。非CPUのAi(-S)レンズを使用する場合は、 レンズ側の露出計連動ガイドと連動するボディ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)経由で渡される。(レンズ情報手動設定機能のある一部機種でのみ可)
ボディ側に露出計連動レバー(Ai連動レバー)がない機種の場合は、非CPUのAi(-S)レンズの装着時にレンズ側の設定絞り値を知る手段がないので、 露出モードはM(マニュアル)でのみの使用となる。(但し、露出計は使用不可)
 

● F3AF用のボディ/レンズ群

  昭和58(1983)年4月発売の「Nikon F3AF」もボディ/専用レンズ共に電子接点を持っているがCPU連動方式とは言わない。 ( 参考: F3AF用レンズ

 

カメラボディ側電子接点端子数

電子接点数 カメラ名(一例)
6端子  F3AF
7端子  F-501、F4、D100、D70、D70s、D50、D80、D40、D40x、D60、D90、D5100、D5200
8端子  F5、F100、D1シリーズ、D2H、D2X、F6、D200、D300シリーズ、D3シリーズ、D700シリーズ、D800シリーズ、D3000シリーズ、D5000、D5300、D5500、D7000シリーズ
 

レンズ側電子接点ピン数

電子接点数 レンズ種別
5ピン  AFニッコールレンズ(AF-SやVRが搭載されていない最も基本的なAFレンズ)
6ピン  Nikon F3AF用ニッコールレンズ(但し、CPU連動方式とは言わない) 
7、8、10ピン  DXニッコール、AF-S、VR、PC-Eレンズ(10ピン)、Eタイプレンズ(10ピン)
 

● ボディ側電子接点パターン

接点数 接点パターン(端子番号) 電子接点画像 機種例
1 2 3 4 5 6 7 8
6
×   画像なし F3AF

一部のピンがオフセットされている(?)
7   F4、F-401X、F-501、F-601、F80D/F80S、F90X、D100、D70(s)、D50、D80、D40(x)、D60、D90、D5100、D5200
8 F5、F100、D1シリーズ、D2H、D2X、F6、D200、D300シリーズ、D3シリーズ、D700シリーズ、D800シリーズ、D3000シリーズ、D5000、D5300、D5500、D7000シリーズ
端子番号 1 2 3 4 5 6 7 8    
端子名 V
d
d










S
I

S
O
    G
N
D
       
 

● レンズ側接点(ピン)パターン

パターン
番号
接点数 接点パターン(ピン番号) 電子接点画像例 レンズ例 (発売日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
A 10 Ai AF-I Nikkor ED 400mm F2.8D(IF)   (94/7)
Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED(99/09)
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G (03/03)
AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF) (05/12)
PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED (08/02)
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II (09/11)
AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR (13/5)
B 8     AF-S Nikkor 50mm F1.4G (08/12)
AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G (09/03)
AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR (10/02)
C 7       AF-S DX Nikkor 18-55mm F3.5-5.6G VR (08/2)
D 6



×

      AI AF Nikkor 80mm F2.8S
AI AF Nikkor ED200mm F3.5S(IF)

F3AFと同時発売。コアレスマイクロモーター駆動ユニット内蔵、ピンが波型配列になっている。)
E 6



×

      画像なし。上の「AI AF Nikkor 80mm F2.8S」のピン配列と同。 TC-16(S) (AFテレコンバーター) (84/4月)

 1.6倍のテレコンバーター + CPU + ピント合わせ用マイクロモーター内蔵で、開放F値がF2以上のMFレンズを装着すればAF作動が可能になる。ボディ側から電子接点経由でAF作動信号(と電源供給)を受け、テレコン内可動レンズ群(5群5枚)を内蔵モーターで前後に全群移動して合焦させる(カメラ側からはモーター内蔵のAFレンズに見える)。F3AF、F-501、F4で使用可能。
F 5 × ×       Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S (86/4)
Ai AF NIKKOR 85mm F1.8S (88/2)
Ai AF Nikkor 24mm F2.8D (93/12)
Ai AF Nikkor 85mm F1.4D (IF)  (95/12)
Ai Nikkor 45mm F2.8P(01/07月)

初期のCPU内蔵AFニッコールで電子接点の基本形となる。
G 5 × ×      
AF TELECONVERTER

 ・ TC-16A(AS) (84/4月)

1.6倍のテレコンバーター + CPU 内蔵で、開放F値がF3.5以上のMFレンズを装着すればAF作動が可能になる。ボディ側AFカップリングの回転を受け、テレコン内可動レンズ群(5群5枚)が前後に全群移動して合焦させる(カメラ側からはAFレンズに見える)。デジタル一眼レフでは使用できないが、回路変更とピン移動でパターンFに合わせればD100やD200でAF作動可能らしい。
   ピン番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10    
  端子名 V
d
d










S
I

S
O
    G
N
D
         
 
● ピンの波型配列について

パターンDとEはF3AF関連のレンズ/AFコンバータのピン配列であるが、波型配列となっている理由として考えられるのは、接点磨耗対策ではないかと思う。ニコンの電子接点は、ボディ側が固定接点、レンズ側は稼動ピン(スプリング内蔵)となっており、レンズ脱着毎にボディ接点上をレンズ側稼動ピンが接触しながら往復することになる。よって、もしピンが直線上にあるとボディ側接点の同じ部分を往復することになり、局所的に接点磨耗が起こる率が高くなる。そこでレンズ側ピンを波型(ジグザグ)配列にすることで所謂摺動抵抗の磨耗性対策を行なっているのではないか。。(電車のパンタグラフの摺板(すり板)の局所磨耗を防ぐ為に架線をジグザグに張るのと同様の考え方)

F3AF開発の頃の摺動接点は耐久面で材質や表面のメッキなどに若干の不安があったのかもしれない。F3AFの3年後に発売されたAF機であるF-501とAFレンズ群では、これらの問題が解決され、ピンが直線状に並べることができるようになった、と思われる。
 

● 電子接点/ピン割当て表(推定)

  上記「レンズ側接点(ピン)パターン」のパターン番号Fは、初期のCPU内蔵AFニッコールで電子接点の基本形となっているが、その接点の機能を推定してみた。  (参考) 「Modify TC-16A

端子
(ピン番号)
ピンパターン 端子名 機能 備考
A B C D E F G
1 Vdd電源 ボディからレンズへの電源供給
2 × 外部割込み ボディ〜レンズ間のコマンド/データ送受信のトリガー(引き金) データ送受信開始のきっかけとなる。
3 同期クロック ボディ〜レンズ間のコマンド/データ送受信の同期用クロック このクロックに同期してピン4にデータが伝送される。
4 SI/SO ボディ〜レンズ間のコマンド/データ送受信ポート ボディからのコマンド、レンズからのレスポンスデータ送受信用。
5 × × × -  
6 × × - AF-S関係?
7 GND グラウンド(接地)
8              
9                
10                
 

電子接点接続図(上記サイトから)
 

《 コラム 》 古いAi-Sレンズを電子化するタンポポチップ(Dandelion Chip)


エムユーケイカメラサービスより、タンポポチップ(Dandelion chip。ロシア製)という面白い商品が発売されている。

これは5点の電子接点が付いた電子回路内蔵の小さな後付けチップで、非CPUのAi-Sレンズ後端部に装着(接着)すると、ボディ側電子接点と導通しAFレンズ(但し手動フォーカス)またはAi-P(CPU内蔵のMFレンズ)相当に扱える。


チップの電子接点数は5ピンで、前述のレンズ側接点(ピン)パターンF、即ちAFレンズの電子接点の基本形と同一である。

チップに対し(ボディ側からの操作で)、焦点距離、開放絞り値、最小絞り値、MF/AFスイッチ、AF照合ステップ微調整のパラメータをセットすると、D40やD90などで露出計作動、絞り作動、ボディ表示パネルへの絞り値表示、手動によるオートフォーカス(?)が可能で、Exifデータにも焦点距離、開放絞り値、撮影時の絞り値が反映される。

チップのMF/AFスイッチの切り替え(ボディ側からの操作)によって、「MF」にすると、カメラ側からはAi-P(CPU内蔵のMFレンズ)に見え、手動フォーカス&フォーカスエイドによるピント確認ができる。「AF」にすると、カメラ側からはAFレンズ(CPU内蔵)に見え、AF作動(シャッター釦半押し)させ手動でフォーカスリングを回してファインダー内フォーカスポイントにピントを合わせるとAFの合焦音が鳴りシャッターが切れる。(手動AF?)

ミドルレンジ以上のデジタル一眼レフでは、レンズ情報手動設定機能があるが、これはレンズ交換毎に設定値(レンズNo.)を切り替える必要があるのに対し、当チップ装着レンズでは不要である。

使用できるボディやレンズは限られるが、アイディアとしては非常に面白い商品であると思う。




最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー



シャッター速度優先AEプログラムAEなどマルチモードAE機でボディ側から絞りをコントロールする場合、レンズが最小絞りにセットされていなければならない。何故なら、例えば最小絞り値がF32のレンズを装着して絞りを(最小絞りのF32ではなく)F8にセットした場合、ボディ側でコントロールできるのは開放絞り〜(セットした)F8までとなってしまい、レンズの絞り全域(開放絞り〜F32)のコントロールができないからである。

●一眼レフの基本構造と自動絞り/AE  の カメラ側からの絞りのコントロール 参照 )

誤操作防止のため最小絞りでなければ液晶表示パネルなどに警告エラーが表示されるが、最小絞りにセットされているか否かの判別方法は以下の3通りある。


      (1)CPU連動方式専用ボディ
           最小絞り設定警告レバーの形式(スライド式/押し込み式)
      (2)CPU連動方式+Ai方式併用のボディ
      (3)Ai専用ボディ


 

(1) CPU連動方式専用ボディ

ボディ側に(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)がない機種

デジタル一眼レフでは、D100/D70/D70s/D50/D80/D40/D40x/D60/D90/D3000シリーズ/D5000シリーズ

レンズ側の(k)最小絞り設定警告用ガイド(Aiレンズにあり、どのレンズでも最小絞りにセットすると同一位置に来る)がボディ側の(M)最小絞り設定警告レバーを半時計回りにスライドまたは押し込むことにより、最小絞りにセットされているか否かを検知する。

 

ボディ側の(M)最小絞り設定警告レバーには、 円周方向スライド式と押し込み式の両方式がある。


最小絞り警告レバーの形式 機種
円周方向スライド式 D100、D70、D70s、D50、D80、D90
押し込み式 D40、D40x、D60、D3000、D3100、D3200、D3300、D5000、D5100、D5200、D5300、D5500

D70やD90などの円周方向スライド式の機種では、一部の非Aiレンズ(従来方式のカニ爪付きオールドニッコール)で絞りリングがこのレバーを上から押し付ける形となって破損する恐れがある。但しAi改造することで装着可能となる。( 「D70に旧Nikkor-H Auto 50mm F2を改造取り付け」 参照 )

非Aiレンズ(カニ爪付きオールドニッコール) (M)最小絞り設定警告レバーを押しつぶす
D70やD90などの円周方向スライド式の機種では、非Aiレンズの絞りリングのスカート部がボディの(M)最小絞り設定警告レバーを上から押し付けてしまい、レンズを装着できない。

●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ 参照)

一方、D40など押し込み式の機種では非Aiレンズでも無改造で装着可能である。(但し、メーカー非推奨)

尚、干渉するのはレバーだけとは限らない(レンズ後端部とミラーなど)為、装着は自己責任で行なって下さい。

 参考: ●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ


尚、CPU連動方式専用ボディに非Aiレンズ(古いカニ爪付きオールドニッコールなど。Gタイプレンズ除く)を装着した場合は、レンズ側に(k)最小絞り設定警告用ガイドがないので、最小絞りに設定していない場合の警告は出せず、露出はマニュアルモードのみとなる。(露出計も作動しない)
 


(2) CPU連動方式+Ai方式併用のボディ

CPU連動方式で、ボディ側に(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)はあるが、(M)最小絞り設定警告レバーがない機種

銀塩一眼レフではF4/F5/F6など、デジタル一眼レフでは、D1シリーズ/D2シリーズ/D3シリーズ/D200/D300シリーズ/D600シリーズ/D700シリーズ/D800シリーズ/D7000シリーズ

・ ボディ側に(M)最小絞り設定警告レバーがなく、最小絞り値はレンズ装着時に電子接点で渡され、現在の絞り値は開放F値(電子接点経由)と(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)とで算出されるので、最小絞りでなければ警告される。

・ Ai、Ai-Sなど非CPUレンズ使用時は、開放F値と焦点距離を手入力して露出計も使用ができるが、露出モードはA・MモードのみでP・Sモードは使えない。A・Mモードでは絞り設定をコマンドダイヤルではなく、レンズの絞りリングを回して行なう。(つまり最小絞りにセットする訳ではないので警告も有り得ない)
 


(3) Ai専用ボディ

CPU連動方式ではなく、ボディ側に(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)はあるが、(M)最小絞り設定警告レバーがない機種

Nikon FG/FAなど、プログラムAE、シャッタースピード優先AEを持つ機種

・ 最小絞りであるか否かの判断方法がない

・ 「Nikon FG」では最小絞りに設定していない場合の警告はない。(ファインダー内にも絞り値表示なし)

・ 「Nikon FA」では、シャッタースピード優先AE時に最小絞りにセットする必要がない。というよりも最小絞りか否かの検知ができない。
通常は設定したシャッター速度を優先し適切な絞りが自動で設定されるが、開放絞り〜セットした(適当な)絞り値間で適正露出が得られない場合はシャッター速度自体をシフトしてしまう。 (●瞬間絞り込み測光

尚、 「Nikon FA」ではシャッタースピード優先AE時にレンズ絞り値をF11以上にセットしないと警告(FEE)が表示される。これは、ボディ側の「(I)開放F値連動レバーとレンズ側の(e)開放F値連動ガイドの連動で得られる装着レンズの開放絞り値と、(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)による設定絞り値(開放絞りからの相対値)から現在の絞り値(例えばF11)が求められる。しかし、最小絞り値は求める方法(手段)がない。


(参考) 絞り環のないレンズ(Gタイプレンズ)を装着した場合

Gタイプレンズ(CPU内蔵)はレンズ側に絞りリングがなく(d)露出計連動ガイド(k)最小絞り設定警告用ガイドも共に存在しないが、このタイプのレンズ装着時には常に最小絞り状態となるので警告も有り得ない。




レンズ焦点距離識別レバー(プログラム切り替えレバー)



Ai-Sレンズに追加された(j)焦点距離識別リッジにより焦点距離が135mm以上のレンズを識別して、プログラムモードでは手ブレを防ぐために高速プログラムに切り替える。このレバーは「Nikon FA」に初めて装備された。また、マルチパターン測光にも用いられる。

標準プログラム: プログラム線図上の1/125秒でF5.6の点を通り、45度の角度を持つ。
高速プログラム: 全体が高速側にシフトするとともに、プログラム線図上の1/125秒でF4の点を通り、勾配も急傾斜となる。

レンズ焦点距離識別レバー 焦点距離識別リッジ

レンズ焦点距離識別レバー(プログラム切り替えレバー)を持つカメラ一覧

カメラ 高速プログラム切替え方法 備考
FA 自動切換え  
F-301 手動切換え  
F-501 自動切換え  
F-401 自動切換え CPUレンズ情報を基に135mmを境に自動切換え。 (135mm含むズームレンズでも自動で切り替わる)
F-801 自動切換え (基本はCPU連動)
F4 自動切換え (基本はCPU連動)

尚、Nikon F5ではこの(F)レンズ焦点距離識別レバー(E)レンズ識別ピン(I)開放F値連動レバーが廃止されている。




●瞬間絞り込み測光



プログラムAEやシャッター速度優先AEなどのボディ側からレンズ絞りを制御するAEで、絞り制御の誤差を補正するために、シャッターレリーズ後絞りが絞り込まれた瞬間に再度測光する方式。

シャッターレリーズ後、ミラーアップ直前に、 

(1)レンズの絞り込みを開始
    ↓
(2)被写体光を測光回路で監視
    ↓
(3)絞り込み停止・測光値をもとにシャッター速度決定
    ↓
(4)ミラーアップ
    ↓
(5)シャッター幕走行

という手順で測光・露出を行なう。

これは SタイプではないAiレンズ を使用した場合、ボディ側の絞り連動レバーとレンズ側の絞り連動レバーの動きが リニアに対応しておらず 、設定した絞り値と実際に絞り込まれる絞り値に誤差が発生するため、この差を(3)のステップでシャッター速度を再調整することにより高精度の露出制御を行なうものである。但し、レリーズタイムラグが長くなることと接眼部からの逆入射光の影響が大きいという欠点がある。


《 背景 》

ニコンでは昭和40(1965)年9月発売の「Nikon F フォトミックT」において「TTL開放測光方式」が採用され、 昭和52(1977)年にはAiニッコール(開放F値自動補正方式)が商品化された。

ニコンのAEカメラとしては、昭和53(1978)年4月に「Nikon FE」が「絞り優先AE(A)」を搭載したのが始まりであるが、「絞り優先AE(A)」の場合は手動設定した絞り値に対し、カメラ側が電子制御により正確なシャッター速度をコントロールできる。

しかし「シャッター速度優先AE(S)」や「プログラムAE(P)」を実現するには測光値に応じてカメラボディ側から絞りをコントロールする必要があるが、 Aiニッコールではボディ側絞り値の変化(ボディ側の絞り連動レバーの変化)に対して、レンズ側絞り連動レバーがリニアに比例しておらず自動決定された絞り値と実際に絞り込まれる絞り値の間に誤差が発生してしまう。 ( ●Ai-S Nikkor参照)

この問題を解決するために、Ai方式の改良版として昭和55(1980)年に正確な絞りのコントロールが可能なAi-Sニッコールが商品化された。
レンズ側の環境が整ったところで、昭和57(1982)年5月に「Nikon FG」が初めてプログラムAEを搭載し、昭和58(1983)年9月には 「Nikon FA」で「絞り優先AE(A)」、「シャッター速度優先AE(S)」、「プログラムAE(P)」を実現した。

ちなみに、「プログラムAE(P)」では実際に撮影されるシャッター速度がそれほど正確でなくても「瞬間絞り込み測光」で露出は正確に割り出せるが、「絞り優先AE(A)」や「シャッター速度優先AE(S)」では、シャッター速度や実効絞り値の正確さが要求されるため、AE実装の敷居は高い。

しかしこれらのカメラで使用するレンズが全てAi-Sタイプとは限らず、Aiタイプ(非Ai-S)のレンズも使われるわけで、 両タイプレンズの混在状態で正確な自動露出を実現するために「瞬間絞り込み測光」という言わば苦肉の策を採らざるを得なかった、ということである。
 
《 コラム 》 瞬間絞り込み測光、もう少しややこしいお話(^^);

Ai-Sレンズではボディ側から絞りを正確にコントロールできるようになったので、本来は瞬間絞り込み測光を行なう必要がないはずである。 装着したレンズタイプがAiAi-Sかの判別はボディに追加された レンズ識別ピンAi-Sレンズ側の レンズタイプ識別ノッチ で行なえるので、Aiレンズレンズなら瞬間絞り込み測光による露出制御を、Ai-Sレンズなら通常の測光によるAEを行なえばよい。

ところがもう一点問題があった。それはレンズが最小絞りにセットされているか否かという点である。

シャッター速度優先AEやプログラムAEなどマルチモードAE機でボディ側から絞りをコントロールする場合、レンズが最小絞りにセットされていなければならない。(そうしなければ絞りの制御(可動)可能範囲が開放〜設定絞り値の範囲に制限されてしまう)

誤操作を防ぐ為にも最小絞りにセットしていない場合は警告を出すべきであるが、 Ai/Ai-Sレンズには(k)最小絞り設定警告用ガイド(Aiレンズにあり、どのレンズでも最小絞りにセットすると同一位置に来る)があるので、ボディ側に(M)最小絞り設定警告レバーがあれば可能であるが、FGやFAではこのレバーが存在しない((M)最小絞り設定警告レバーが装備されたのは、FAの4年後に発売されたF-401が最初)。ということは最小絞り未設定の警告を出す手段がない。

つまり、当時のボディではAiレンズとAi-Sレンズの混在環境においてレンズが最小絞りにセットしてあるか否かは正確に判断できないことになる。この点からも「瞬間絞り込み測光」によって実際にセットされている(最小絞りではないかもしれない)レンズ絞り値を元に、シャッター速度による露出再調整を行なう必要があった、ということである。 ( ●最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー参照 )

「Nikon FA」で「シャッター速度優先AE(S)」を使用する場合、通常は設定したシャッター速度を優先し適切な絞りが自動で設定されるが、もし開放絞り〜セットした(適当な)絞り値間で適正露出が得られない場合は(優先であるはずの)シャッター速度自体をシフトしてしまう。

例えばシャッター速度を1/250秒、絞りを(最小絞りではない)F8にセットすると、通常は絞りを開放絞り〜F8の間で適正露出になるように調整されるが、この範囲を超えるような明るい環境ではシャッター速度を1/500秒〜最高速度まで自動的に無段階変更される。逆に1/250秒で絞り開放でも露出不足になる場合は、シャッター速度を調整し1/250秒以下に変更して適正露出を確保する。(FGもFAも電子制御式フォーカルプレーンシャッター搭載なので無段階制御が可能)

つまり「シャッター速度固定AE」ではなく、文字通り「シャッター速度優先AE」という動作となる。

ちなみにボディに追加されていた「レンズ識別ピン」は、F5以降に廃止されている。


瞬間絞り込み測光方式を採用している機種は以下の4機種のみである。

昭和57(1982)年5月 Nikon FG ニコン初のプログラムオート搭載。+絞り優先AE
昭和58(1983)年9月 Nikon FA ニコン初のシャッター速度優先AE搭載。+絞り優先AE、プログラムAE
昭和60(1985)年9月 Nikon F-301 絞り優先AEと、二種類のプログラムAE(標準プログラムAE 高速プログラムAE)搭載。シャッター速度優先AEは非搭載)
昭和61(1986)年4月 Nikon F-501 CPU連動方式の最初の機種。露出計連動レバー(Ai連動レバー)はある


では、Ai-SAiタイプ(非Ai-S)のレンズが混在する状況のままで、これらの4機種以降のカメラでは露出制御はどうしているのか?

翌年の昭和62(1987)年に発売されたAF機「F-401」は、 Aiレンズ対応の露出計連動レバー(Ai連動レバー)が省略されており、AFレンズ(全てCPU内蔵)のみフル機能使用可とし、CPU内蔵レンズ以外は露出計が作動しない。つまり非CPUのAiAi-S含む)レンズ使用時は「マニュアル露出モード(M)」のみ可能で、「絞り優先AE(A)」、「シャッター速度優先AE(S)」、「プログラムAE(P)」は使えない(シャッターがロックされてしまう)。尚、この「F-401」で初めて(M)最小絞り設定警告レバーが装備された。

昭和63(1988)年発売のAF機「Nikon F4」でも、CPU内蔵レンズのみフル機能使用可能であり、CPUを搭載していないAiAi-S、改造Aiレンズ使用時は露出モードが「絞り優先AE(A)」、「マニュアル露出モード(M)」ドのみ可能で、「シャッター速度優先AE(S)」、「プログラムAE(P)」は使えない。尚、測光モードはAiAi-Sレンズがマルチパターン測光可能で、開放F値連動ガイドのない改造Aiレンズは中央部重点測光モードのみ可能である。

つまり、上記4機種以降はAiレンズの絞り(非リニア)作動の誤差を「瞬間絞り込み測光」などの方法で救うことはせず、(CPU内蔵ではない)Aiレンズ使用時は(Ai-Sを含めて)ボディからの絞りコントロールを一切止めてしまった。即ち「シャッター速度優先AE(S)」、「プログラムAE(P)」をばっさりと切り捨てたということである。(ボディ側から絞りコントロールをしない、つまりレンズ絞りリングで絞りをセットする「マニュアル露出モード(M)」、「絞り優先AE(A)」は使用可)

実のところ、上記4機種とF4以外はAiタイプAi-Sタイプの区別ができるボディ側マウントパーツである「レンズ識別ピン」が省略されているので区別しようがない。省略の理由は複雑なメカ連動を廃して、「今後はCPU内蔵レンズを使ってください」ということだろう。

この方針は最近のデジタル一眼レフになっても同様で、露出計連動レバー(Ai連動レバー)有無やレンズ情報手動設定機能有無によって以下の3種に分類される。
 
表1: CPUを内蔵していないAi-S、Ai、改造Aiレンズ使用時の露出モードと測光モード
露出計連動レバー(Ai連動レバー)有無 レンズ情報手動設定(※1)有無 機種例 露出モード 測光モード
あり あり D200、D2X、D3 A・M RGBマルチパターン測光
中央部重点測光
スポット測光
なし D1、D2X A・M 中央部重点測光
スポット測光
なし - D100、D70 M 露出計は使用不可
  (※1: 非CPUレンズであっても、レンズ情報(焦点距離、開放絞り値)を設定すれば、マルチパターン測光が使用可能)

上記表1のA(絞り優先オート)やM(マニュアル露出モード)のいずれも、絞り値の設定はレンズの絞りリングで行なう。(コマンドダイアルでは不可)



《 関連用語 》

絞り優先AE(A) 撮影者が絞り値を決め、カメラが自動的に適正なシャッター速度を決定する。
シャッター速度優先AE(S) 撮影者がシャッター速度を決め、カメラが自動的に適正な絞り値を決定する。
プログラムAE(P) 被写体の明るさに応じて、カメラが自動的に絞りとシャッター速度を決定する
マニュアル露出モード(M) 撮影者がシャッター速度と絞り値を決定する。


    ●Ai-S Nikkor 参照




開放F値連動レバー開放F値連動ガイド



ボディ側の(I)開放F値連動レバーは、AiレンズAi-Sレンズ後部にある「(e)開放F値連動ガイド」に連動し、開放F値を受け取って自動露出やファインダー内表示、マルチパターン測光などに用いられる。(Nikon F4、FAなど)

レンズに追加された開放F値連動ガイド


初期のニッコールレンズ(カニ爪方式)ではレンズ交換する毎に開放F値をセットし直す(開放F値手動設定)必要があったが、 昭和52(1977)年に発売されたAi方式(開放F値自動補正方式)レンズの後部には、絞り値をボディに伝える露出計連動ガイドと、レンズの開放F値を伝える開放F値連動ガイドが追加され、レンズを装着すれば即露出計が作動するようになった。(但し、露出計作動は(d)露出計連動ガイドだけでも可能)

実際に開放F値連動ガイドにより レンズの開放F値がボディに伝えられる(使われる)ようになったのは、後の シャッター速度優先AEプログラムAEマルチパターン測光の各機能が搭載された時であり、 機種としては、 昭和57(1982)年5月発売の「Nikon FG」が初めてプログラムAEを搭載し、昭和58(1983)年9月には 「Nikon FA」で「絞り優先AE(A)」、「シャッター速度優先AE(S)」、「プログラムAE(P)」を実現した。

しかし、昭和61(1986)年にはボディとレンズ間の情報伝達を電気信号で行なう CPU連動方式が採用され、開放F値は電子接点経由で渡されるようになったため、この(e)開放F値連動ガイドに対応するボディ側の(I)開放F値連動レバーを持つカメラはFG、FAなど数機種に限られる。

●開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係参照)

ネイティブ(純正)のAiAi-Sレンズには「開放F値連動ガイド」があるが、 改造Aiレンズには存在しない。このためF4、FAではネイティブのAiニッコールでは多分割測光(5分割マルチパターン測光)などが可能であるが、改造Aiレンズでは不可能である。

尚、F5ではこのレバーは廃止されている。




●開放測光とレンズ開放F値のアヤシイ(?)関係



昔々、1960年代に一眼レフの露出計が外付け方式から内蔵型のTTL測光(Through the Lens:実際にレンズを通った光をボディ内測光素子で測光する)方式に切り替わり始めた頃、測光は「絞り込み測光方式」が採用されていた。

これはピント合わせの時はレンズを絞り開放で行ない、測光時には(ボディの絞込みボタンを押して)実際に撮影する絞りまで絞り込んだ状態で行なうものであり、測光機構面では簡単な構造ではあるが、

 ・ 測光時に絞り込み操作が必要
 ・ 絞り込むことによりファインダーが暗くなる
 ・ その為に接眼部からの逆入光の影響で測光誤差が生じやすい

などの問題があり、これらの問題を解決する為に「開放測光方式」が生まれた。
この方式は常に絞り開放状態で測光を行ない、「レンズの開放F値」と「現在の絞り値」をカメラボディへ通知してその測光値を補正する。

例えばF2の明るさのレンズを装着し、絞り開放(F2)で測光値がシャッター速度1/500秒となる明るさで、絞りを1段(F2.8)絞ったとする。
TTL開放測光では露出計に入る光の量はF2(開放)のままであるが、測光値としてはシャッター速度を1段遅い1/250秒と算出しなければならない。
その為には 「 開放F値(F2) 」と「 開放から1段絞ったという情報 」をボディ(露出計)に伝えて露出計を1段分補正(電気的補正)する必要がある。


 絞り開放(F2)、1/500秒  ・・・ 露出計には絞り開放(F2)の光量が入射している
絞りをF2.8にする ・・・ 露出計には絞り開放(F2)の光量が入射している状態のままで変わらない(ファインダーも開放の明るさ)
絞りを1段絞ったという情報が露出計に伝えられる
露出計は1/250秒を示す(電気的に補正)



ニコンの初期のTTL露出計搭載機では各レンズに設けられている連動爪(カニ爪)により絞り値をボディに伝えられたが、開放F値については

 ・ Nikomat FT /  Nikon F フォトミックT / Nikon F フォトミックTN : 開放F値手動設定(レンズ交換する毎に開放F値をセットし直す)
 ・ Nikomat FTN / Nikon フォトミックFTN 以降: 開放F値半自動設定(通称ガチャガチャ

という方法を採用していた。

そして、この方式では絞りの絶対値(F2やF2.8など)が連動爪(カニ爪)によりボディに通知されるので現在の絞り値をファインダーで確認することもできた。

例えば、「 Nikon F フォトミックTN 」ではフォトミックファインダー内にカニの爪経由でレンズ絞りの動きに対応した絞り表示板を持ち、後ろ斜面の小窓から見ることができるし、「 F2フォトミック 」ではファインダー内に直接現在の絞り値が表示される。

尚、より正確に言えば、露出計を動かす為だけであれば開放F値と現在の絞り値の両方を伝える必要はなく、開放F値から「何段絞り込まれたか」という情報だけあればよい。上記例でいえば、絞りを「1段絞った」という情報があればシャッター速度1/250秒を求めることができる。

そこで、昭和52(1977)年に露出計に対し(レンズ交換する毎に開放F値をセットし直すなどという)余計な手間なしで絞り値をボディに通知できるAi方式が商品化された。 これは開放F値自動補正方式(AI = Automatic Maximum Aperture Indexing 方式)と言われる通り、レンズを装着すれば自動的に開放F値が補正される。

        

Ai方式の露出計連動ガイドは、設定した絞りがそのレンズの開放絞りから何段絞ったものか(絞りの相対値)をボディ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)に伝えるもので、レンズの開放F値によりガイド位置が決まっている。


  <開放F値に対応する露出計連動ガイド位置> (●Ai方式 も参照のこと)

        


このAi方式は、レンズ後部にある「(e)開放F値連動ガイド」とレンズ絞り環にある「(d)露出計連動ガイド」によって、それぞれレンズの開放F値と開放F値から絞り込まれた段数(実絞り値と開放F値との差分)の両方をボディに伝えることができる。

しかし、Aiレンズが発売された頃のカメラ、例えば「 Nikon FM 」などには、「(e)開放F値連動ガイド」の受け部であるボディ側の「(I)開放F値連動レバー」は実装されていなかった。(つまり、レンズの開放F値がボディに伝えられていなかった)

その理由として考えられるのは、

(1) 前述の通り、露出計を動かす為だけであれば開放F値から「何段絞り込まれたか」という(露出計連動ガイドによる)情報だけあればよい。(絞り値相対値通知方式)

(2) 当時は絞り優先AEシャッター速度優先AEなどの露出オート機能がなかった。

(3) ファインダー内に現在の絞り値を表示させる方法も、Aiレンズの絞り環後端の絞り文字をファインダー内から直読させることで可能であった。

ことから、当面不要な開放F値を伝える為の余分な機構を付加することによるコストアップを避けた為と思われる。

ところが、Aiレンズ発売当時は他メーカーから絞り優先AEシャッター速度優先AEを搭載したマルチモードAE機が発売された時期でもあり、当然ニコンでもその開発は行なわれていたはずであるが、シャッター速度優先AEやプログラムAE(及び後のマルチパターン測光)を実現しようとなると、開放F値(絶対値)が必要になってくる。(尚、絞り優先AEで使う分には開放F値から絞り込まれた段数(絞り値相対値)を伝えるだけで問題なかった)

つまり、シャッター速度優先AEでは撮影者がシャッター速度を先に決め、レンズ絞りを最小絞りにセットしておき、適正絞り値はカメラが自動的に測光値から決定するのであるが、開放F値が分からなければどこまで絞りを開けられるかが分からない。例えば開放F値がF2.8のレンズを装着しているにも関わらず、設定シャッター速度によっては1/4000秒で絞り値「F2」などとなりかねない。

同様にカメラ側が開放F値(絶対値)を知らなければAEで自動決定した絞り値をファインダーに表示することが出来ない。 (相対絞り値だけでは不可能)

ここで初めてレンズの開放F値をボディに伝える機構 ((e)開放F値連動ガイドと 「(I)開放F値連動レバー)を 生かしてシャッター速度優先AEを実現する。。。。。

はずだったのであるが、実はAi方式にはもう一点大きな問題があった。

カメラ側でシャッター速度に応じた絞りを自動決定し、レンズの絞りをボディから制御するには、ボディ側絞り値の移動量(ボディ側の絞り連動レバーの移動量)とレンズ側絞り連動レバーの動きが線形(リニア)になっていなければならないのだが、 Aiレンズではそうなっておらず 、新たにその対策としてAi方式の3年後の昭和55(1980)年に改良版のAi-Sレンズを発売せざるを得なくなったのである。(《コラム》ニコンの「時間」

このあたりがFマウントのややこしい所ではある。

このSタイプ(Ai-Sタイプ)レンズはAiレンズに加え、上述のボディ側とレンズ側の絞り連動レバーの動きを線形(リニア)化した。 (●Ai-S Nikkorレンズ 参照)

そして昭和57(1982)年5月、「 Nikon FG 」でプログラムAEを実現し、翌年の昭和58(1983)年9月には 「 Nikon FA 」にニコン初のシャッタースピード優先AEと 世界初のマルチパターン測光 が搭載された。 (絞り優先AEシャッター速度優先AEプログラムAEを機械式連動で実現。世界初の5分割マルチパターン測光)

この「 Nikon FG 」や「 Nikon FA 」においてボディに追加された 「開放F値連動レバー」は、 レンズ側の「開放F値連動ガイド」 に連動して開放F値を受け取り、自動露出(AE)やファインダー内表示、マルチパターン測光(FAのみ)に用いられている。(尚、数年後には以下のCPU連動方式が商品化された為、「開放F値連動レバー」を持つボディは多分数機種しかないと思われる。)

以上の複雑怪奇な混乱状況を解決すべく、昭和61(1986)年4月発売の「 Nikon F-501 」において、ボディとレンズ間の情報伝達を電気信号で行なう CPU連動方式が採用された。 この方式は装着レンズ(CPU内蔵レンズ)の開放F値(や焦点距離、レンズタイプなど)が電子接点経由でボディに通知されるもので、「Nikon F-501」以降の機種は全てCPU連動方式となった。

尚、CPU連動方式のカメラではCPU内蔵レンズの使用を前提としているが、非CPUレンズ(Aiレンズ)装着時の露出計作動に対処する為に一部ハイエンド機種では露出計連動レバー(Ai連動レバー)も残されている。(CPU連動方式+Ai方式併用のボディ参照)

前述の通りマルチパターン測光やAEを実現するためには、装着した非CPU(Ai)レンズの開放F値を知る必要があるが、 これらのCPU連動方式カメラはレンズ側の (e)開放F値連動ガイドに対応する (I)開放F値連動レバーを持っていない (つまり装着レンズの開放F値を機械的に取得できないし、非CPUタイプのAiレンズには当然電子接点も存在しない)。

その為、これらの機種(F5やD1シリーズ除く)ではセットアップメニューに「レンズ情報手動設定機能」が付加され、装着した非CPU(Ai)レンズの開放F値と焦点距離を手動セットすれば非CPUレンズ使用時でも、ファインダー等への現在の絞り値(=レンズ情報手動設定機能で設定した開放F値+露出計連動レバーによる相対絞り値)表示や再生画面での焦点距離表示、RGBマルチパターン測光が使用可能となる。


以上を要約すれば、

  昭和40(1965)年 開放F値手動設定
             ↓
  昭和42(1967)年 開放F値半自動設定(通称ガチャガチャ
             ↓
  昭和52(1977)年 Ai方式による絞り値相対値通知。レンズ後部に(e)開放F値連動ガイド追加
             ↓
  昭和55(1980)年 Ai-S方式による絞り制御のリニア化
             ↓
  昭和57(1982)年 「 Nikon FG 」にプログラムAEを搭載 ((e)開放F値連動ガイド(I)開放F値連動レバーによる)
             ↓
  昭和58(1983)年 「 Nikon FA 」にシャッタースピード優先AEマルチパターン測光を搭載 (マルチモードAEを機械式連動で実現)
             ↓
  昭和61(1986)年 CPU内蔵方式による開放F値と絞り値通知(Nikon F-501)
             ↓
  平成15(2003)年 CPU内蔵方式+Ai方式併用機種に「レンズ情報手動設定機能」搭載 による開放F値と焦点距離情報手動登録(Nikon D2H)

となる。
 

● レンズ情報手動設定

CPU非搭載のAiレンズ(※非CPUレンズ)であっても、レンズ情報(焦点距離、開放絞り値)を設定すれば、RGBマルチパターン測光が使用可能となり、他の測光モードでも精度が向上する。 非Aiレンズ露出計連動ガイドがないレンズ)は不可だが、Nikon Dfでのみ使用可。(2013年12月1日追記)
平成15(2003)年10月発売のD2Hに初めて採用され、15年5月現在、 F6、D2H/D2Hs/D2X/D2Xs、D3/D3S/D3X、D200、D300/D300S、D700/D750、D7000/D7100/D7200、D4/D4S、D800/D800E/D810/D810A、D600/D610、Df に搭載されている。

※非CPUレンズ: CPU非搭載のAiレンズ。Ai、Ai-S、改造Aiレンズ、PCニッコール、Ai-S(Ai)テレコンバーター、オート接写リングなど。

設定内容 使用できる機能
レンズNo. レンズ情報のインデックスとなる(1〜9)
焦点距離 ・ 別売のスピードライトの自動ズーミング
・ 再生画面での焦点距離表示(焦点距離に*印が付く)
開放絞り値 ・ レンズで設定した絞り値表示(表示パネル、ファインダー内表示)
・ スピードライトの絞り連動外部自動調光
・ 再生画面での絞り値表示(絞り値に*印が付く)
露出計連動方式 ・ レンズで設定した絞り値表示(表示パネル、ファインダー内表示)
・ スピードライトの絞り連動外部自動調光
・ 再生画面での絞り値表示(絞り値に*印が付く)
焦点距離と開放絞り値 ・ RGBマルチパターン測光
・ 中央部重点測光、スポット測光、i-TTL-BL調光、D-マルチBL調光の精度も向上する。

CPU非搭載のAiレンズ(※非CPUレンズ)使用時の絞り値の設定はレンズの絞りリングを回して行なう(カメラボディのサブコマンドダイヤルは使えない)。 また使える露出モードは、A(絞り優先オート)とM(マニュアル)のみである。
 
● 「Nikon Df」のレンズ情報手動設定と非CPUレンズ

 平成25(2013)年11月28日に発売された「Nikon Df」は、ニコンデジタル一眼レフカメラとしては初めて可倒式の露出計連動レバーを採用した。
これにより、非Aiのオールドニッコールレンズ(カニ爪方式)が装着でき、事前にレンズ情報手動設定を行なっておけば、開放測光による適正露出が得られる。(露出モードはA、Mのみ対応)。

レンズ情報手動設定には、レンズ情報としてレンズNo、焦点距離、開放絞り値に加え、露出計連動方式(Aiレンズ/非Aiレンズの指定)が追加された。

<非Aiレンズ/非CPUのAiレンズの使い方>

  (1) 露出計連動レバーを倒してからレンズを装着
         ↓
  (2) レンズ情報選択(レンズNo.)
         
  (3) 露出モードをAまたはMにする
        ↓
  (4) レンズの絞りリングで絞り値を設定
        ↓
  (5) 本体のサブコマンドダイヤルを回して、レンズの絞り値をセットする(非Aiのカニ爪方式オールドニッコールレンズのみ。非CPUのAiレンズは不要)
        ↓
  (6) 撮影する


※非CPUレンズ: CPU非搭載のAiレンズ。Ai、Ai-S、改造Aiレンズ、PCニッコール、Ai-S(Ai)テレコンバーター、オート接写リングなど。

尚、非CPUレンズであっても全てのレンズが装着できるわけではなく、Dfでは以下のレンズは使用できないことになっている。

  ・ AFテレコンバーター TC-16AS
  ・ フォーカシングユニットAU-1を必要とするレンズ(400mm f/4.5、600mm f/5.6、800mm f/8、1200mm f/11)
  ・ フィッシュアイ(6mm f/5.6、7.5mm f/5.6、8mm f/8、OP10mm f/5.6)
  ・ 2.1cm f/4
  ・ K2リング
  ・ F3AF用(AF80mmf/2.8、AF ED200mmf/3.5、テレコンバーターTC-16S)
  ・ 旧PC35mm f/3.5
  ・ 旧レフレックス 1000mm f/6.3
  ・ NIKKOR-H Auto 2.8cm/3.5(28mm/3.5)(No.361999以前の製品)
  ・ NIKKOR-S Auto 3.5cm/2.8(35mm/2.8)(No.927999以前の製品)
  ・ NIKKOR-S Auto 5cm/2(50mm/2)
  ・ NIKKOR-Q Auto 13.5cm/3.5(135mm/3.5)(No.752999以前の製品)
  ・ Micro-NIKKOR 5.5cm/3.5
  ・ Medical-NIKKOR Auto 200mm/f5.6
  ・ Auto-NIKKOR Telephoto-Zoom 85-250mm/f4-4.5
  ・ Auto-NIKKOR Telephoto-Zoom 200-600mm/f9.5-10.5

上記レンズ以外でも、レンズ個体の状態によっては装着できないことがある。

詳しくは、 ●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ 参照




●マルチパターン測光



画面を複数のエリアに分割して測光し、それぞれのエリアから得られたデータをマイクロプロセッサ(MPU)で演算して 適正露出を算出する測光方式である。このMPU に記憶されている逆光撮影など数万枚の実写データを解析したアルゴリズムを適用して、その状況にもっともふさわしいとみなせる露出値を演算し決定する。

マルチパターン測光はニコンが開発し、「Nikon FA」にはじめて搭載されたが、 この機種では5つの受光部による測光値を高輝度および低輝度カット処理をしたあと、 最高輝度値、輝度差、カット数、それぞれの位置の明暗の情報によってパターン分析を行ない、4つの露出演算法のなかの一つを選び、 それを元に演算処理をしていた。

              

その後「Nikon F90」に初めて搭載した「3D-マルチパターン測光」では、DタイプおよびGタイプのレンズから得た被写体までの距離情報も加味することで測光精度を一段と向上している。

「Nikon F5」で搭載された「3D-RGBマルチパターン測光」では、従来の測光情報(明るさ/選択AFエリア/被写体までの距離)の他に、多分割の測光用CCDセンサで被写体の色調までも露出決定の要素に取り込み、測光精度をさらに高めることが出来る。

特に明るい色(白や黄色)の被写体や、暗い色(黒や濃い緑色)の被写体が画面全体を大きく占めているような場合に威力を発揮し、色による反射率の違いを加味して目で見た感じにより近く再現する。

(メーカーサイトによれば、「平均輝度/画面全体のコントラスト/画面上部と下部のコントラスト/選択されているAFエリアの輝度/色情報/選択されているAFエリアの位置/距離情報」をニューラルネットワークにて処理し最適な露出を決定している。)


(ニコンメーカーサイトより)



D2X/D2Hs以降から搭載されている「3D-RGBマルチパターン測光II」では、 通常の露出演算アルゴリズムに加えてプロフェッショナル向けデジタル一眼レフカメラから継承した 露出評価アルゴリズムを採用し、ハイライト部の輝度と大きさを検出して背景が暗い画像の白飛びや露出アンダーを防いで 適正な露出量を測定する。さらにその情報をオートホワイトバランスに活用し、より自然な色再現を実現している。

D4、D800/D800Eでは、91KピクセルRGBセンサーによる「3D-RGBマルチパターン測光III」が搭載され、 約91,000ピクセルの画素を駆使して撮影シーンを精査し、 撮影画面全域の詳細な測光データに、アドバンストシーン認識システムによる「光学ファインダー撮影時の顔認識」、「ハイライト解析」情報を応用することで、一段と測光精度を高めた。

「光学ファインダー撮影時の顔認識」では、 画面内に人物の顔を認識すると、カメラがこれを主要な被写体と判断し、顔領域の大きさや明るさを考慮して、背景と人物のバランスがとれた露出制御を実現。顔が暗くかげりがちな逆光時や、部分的に白とびしがちな順光時でも、人物の表情を自然な明るさで捉えることができる。

尚、マルチパターン測光はカメラ自身が露出補正を行なう形式であり、その露出決定ロジックは公開されていない。

よって、カメラ側で自動で行なわれる補正量が不明であり、さらに撮影者が露出補正を加えると結果が予測し辛い場合がある。この場合は中央部重点測光を使用した方が露出補正の経験則が生かし易い。


マルチパターン測光の種類と搭載している主な機種

マルチパターン測光の種類 搭載している主な機種
3分割マルチパターン測光 F-401、F-401S
5分割マルチパターン測光 FA、F-401X、F-601、F-801
3D-5分割マルチパターン測光 Us
3D-6分割マルチパターン測光 F50Dパノラマ、F60Dパノラマ、U
3D-8分割マルチパターン測光 F70Dパノラマ、F90、F90D、F90S、F90X、F90Xd、F90Xs
3D-10分割マルチパターン測光 F80、F100、D100
1005分割3D-RGBマルチパターン測光 F5、F6、D1、D1X/D1H、D2H、D70、D70s
420分割3D-RGBマルチパターン測光II D50、D80、D40、D40x、D60、D90、D5000、D5100、D3000、D3100、D3200
1005分割3D-RGBマルチパターン測光II D2X、D2Hs、D2Xs、D200、D300、D300S、D3、D700
2016分割3D-RGBマルチパターン測光II D7000
91KピクセルRGBセンサーによる3D-RGBマルチパターン測光III D4、D800/D800E






●そして完全電子マウントへ(?)



さて、最新のGタイプAF-Sレンズでは絞りリングとAFカップリングが無くなり((e)開放F値連動ガイドは残されているが現行機種では使用されていない)、メカ的連動機構で唯一残っているのが絞り連動レバーであるが、08年2月に発売された「PC-E NIKKOR 28mm F3.5D ED」で初めて電磁絞り(電子制御式絞り)が採用された。

08年2月現在ではPC(パースペクティブ・コントロール)レンズという特殊な(構造上連動レバーをマウント〜絞り間で通せない)レンズへの搭載のみだが、果たして他のレンズへの展開はあるのか。。

絞りの制御精度は格段にアップするとは思われるが、現行のレバー方式でも精度上は問題ないレベルにあり、高速連写時の開放から最小絞りまでの絞り駆動速度面ではレバー(スプリング)方式の方が勝っているというデータもある。ベローズや接写リングなどのエクステンションパーツ使用時や望遠レンズへのテレコンバータ装着時でも自動絞りが使えるというメリットもあるが、現状では電磁絞り対応のカメラボディが少ない(フィルムカメラはF6も含めて全滅。デジタル一眼レフは09/8月時点で、Nikon D3シリーズ、D300シリーズ、D700のみ。 但し、下記の「14/09/23追記」参照)。ちなみに電磁絞り非対応のカメラでこのPCレンズを使用する場合は「※プリセット絞り」で使用することになる。

現在でもAF-S(超音波モーター内蔵)レンズが使えない機種、或いはAF-Sレンズ以外ではAFが使えない機種、VR(手ブレ補正内蔵)機能が使えない機種、Gタイプレンズでは絞りをコントロールできない機種、装着できても露出計が作動しない組み合わせなど、非常に複雑な使用制限がある。この様な現状に加えて、 PCレンズの様な特殊撮影用ではなく一般撮影に使われる汎用レンズに前記機種以外では使えない(売れない)電磁絞りを採用するのかどうか。。。

但し、FXフォーマットカメラがリリースされた今、DXに比べて弱い超望遠レンズ、嘗てラインナップにあった1000mmクラスの絞り慣性の大きな超望遠レンズなどにリニューアル版としてレスポンス向上の目的で採用されるかもしれない。(→ 14/09/23追記 参照)

今後前記機種以外で電磁絞り対応のボディが増えてくるのだろうか?

電子接点数を見ると、PC-Eレンズは10ピン、D3・D700・D300・D300Sは8端子となっている。つまりレンズ側の10ピン全てを使用している訳ではなく、ボディ側も8端子あれば電気的には電磁絞り連動/制御できることになる。(→ 14/09/23追記 参照)

さらに絞り制御/駆動そのものはレンズ側(サーボモーター)で行なわれ、カメラ(コントローラ)側からは絞り制御コマンドを出力、レンズ側からのフィードバックを含めサーボ系を構成していると思われる。つまりボディ側に新たな制御チップ(IC)を載せている訳ではなく既存のカメラでもボディ側のファームウェアに電磁絞り制御機能を追加(バージョンアップ)すれば前記機種以外でも対応できそうな気もする。(→ 14/09/23追記 参照)

PC(パースペクティブコントロール)機能については、デジタルカメラでは通常レンズで撮影した画像を(ある程度までは)ソフトで後加工できるが、そうはいかないフィルムカメラ、特にF6クラスでは特殊ユーザーにニーズがあると思われ、いずれはファームウェアで対応する。。。。ことはまずないだろう。(それよりニコンお得意の単に切り捨て?はたまたF7に期待?はできないよね。。)

ニコンではAF-S(超音波モーター内蔵)レンズ以外ではAF作動しないD40や、絞りリングのないGタイプレンズをリリースした前歴(?)があるだけに、 いずれは(過渡期を経て徐々に)電磁絞りレンズが主流になっていく可能性が高い。ただ、コスト面では絞り連動レバーによるメカ的連動機構のほうが(ここ暫くの間は)優れているはずなので、電磁絞りは高価格帯のレンズから採用されていくに違いない。

やがて、コストダウンが進めば低価格帯のレンズにも電磁絞り(+AF-S搭載)が採用され、相応の本数がラインナップされると、Eタイプ専用(完全電子制御化)ボディが発売されることになるだろう。

 

《 14/09/23追記 》

 その後、電磁絞り対応ボディは増え、14/9月現在、D3シリーズ、 D4、D300シリーズ、Df、D800シリーズ、D700シリーズ、D600シリーズ、D5000シリーズ、D3000シリーズ(D3000除く)、D7000シリーズで使用可能となった。(一部のカメラではファームウェアバージョンアップが必要)

D5100、D5200の電子接点数は7端子であるので、最低7端子あれば制御可能ということである。これら新たに発売された入門機を含むカメラが電磁絞りに対応したということは、当然今後発売されるカメラでも対応されることになるはず。つまり電磁絞り対応レンズが徐々に増えていくことは間違いない。 (→ Eタイプレンズが使えるカメラ


 そして。。。。。

 2013年5月31日に、電磁絞り搭載の「AF-S NIKKOR 800mmF5.6E FL ED VR」 が発売された。PC-Eのような特殊レンズではなく、一般のレンズに電磁絞りを搭載したレンズを新たに「Eタイプ」と呼称するようになった。従って、ニコンのレンズ開発ロードマップ上に電磁絞り搭載、即ち「完全電子マウント」対応レンズの開発はかなり具体化されていることだろう。

 しかし。。。。。

 困ったことに、PC-Eが使用できたD90、D3000ではEタイプレンズが使用できなくなるなど、新たな制限が生まれている。(Eタイプレンズが使えるカメラ参照)
新機能・新製品が出る毎に(少しづつ)旧製品が使えなくなる。。うーむ。。。これはデジャヴュか。。。

 

《 15/8/4追記 》

 2015年7月16日、「AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR」が発売された。DXフォーマット、広角側開放F値2.8の5倍標準ズームレンズ、DXレンズ初のナノクリスタルコートやフッ素コート、電磁絞り機構を搭載、手ブレ補正効果4.0段のVR機構、EDレンズと非球面レンズを採用している。

FX判望遠系の高級レンズのみならず、DX判の標準ズームにも電磁絞り機構を搭載し始めた訳で、今後ますます電磁絞りレンズが発売されることになるだろう。でも。。。135,000円はやはり、高級レンズか。。。。

さらに、

 2015年8月27日、FX判大口径標準ズーム「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」 発売予定 (税別 28万7,500円)
 2015年9月17日、「AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR」 発売予定 (税別 17万5,000円)

と、続々と発売される予定。


※プリセット絞り: PCレンズでは通常の絞りリングとは別にプリセット用リングを持つ。事前に絞りリングで適切な絞りを設定しておけば、プリセット用リングを停止端まで回して絞り開放〜設定絞りまで簡単にセットできる。構図/ピント調整時には絞り開放で、撮影時には設定絞りまで簡単に絞り込むことができる。






●物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせ



昭和34(1959)年6月にNikon Fから始まった「Fマウント」は、2009年6月に誕生から50周年を迎え、2014年10月にはニッコールレンズ生産累計9000万本を達成している。「不変のFマウント」と言われるだけに、最新のデジタル一眼レフに数十年前に発売されたニッコールレンズを装着することもできるが、物理的に装着できないレンズや露出計が作動しないなど、その組み合わせによっては制限がある。

物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせの理由は、非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズの絞りリングと、

  (1) カメラ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)の干渉
  (2) カメラ側の最小絞り設定警告レバーの干渉
  (3) レンズ絞りリング後部(スカート部)とカメラ側マウント部周辺の干渉
  (4) レンズ絞りリング後部(スカート部)の内径と、ボディ側マウント外径の違いによる装着不能

及び、

  (5) その他、ボディ銘板との干渉
  (6) バックフォーカス長が短いレンズ

の6点である。


表1: 装着の問題となるレンズ分類(概略)
レンズ分類 レンズ例
CPU内蔵 AF Ai-Sレンズ Dタイプ(一部例外あり) ・ Ai AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D(IF)
・ Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5D
非Aiレンズ Gタイプ ・ AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF)
DXレンズ ・ AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)
MF Aiレンズ Ai-Pレンズ ・ Ai Nikkor 45mm F2.8P (01/7月)
非Aiレンズ PC、PC-Eシリーズ ・ PC-E NIKKOR 24mm F3.5D (08/2月)
非CPU AF Aiレンズ F3AF用レンズ ・ Ai AF Nikkor 80mm F2.8S (83/4月) (F3AF、F-501、F4でのみAF作動可)
MF Aiレンズ 旧Aiレンズ(86/4以前)
改造Aiレンズ
・ Ai Nikkor 50mm F1.4 (77/3月)
非Aiレンズ 露出計連動爪 ・ Nikkor-H Auto 50mm F2 (64/1月)  ← これが問題のレンズ群!
( 参考: Fマウントレンズ体系図/分類 )


表2: 非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズとボディの組み合わせ
レンズ側 ボディ側 装着可否 カメラの例
非Aiのオールドニッコール
(カニ爪付きレンズ)
Aiボディ 可倒式露出計連動レバー F2 Photomic A、F3、F4、F5(※1)、F6(※1)、FM、Nikon Df(2013/11/発売のデジタル一眼レフ)
固定式露出計連動レバー × EM、FA、F100、D一桁シリーズ、D200、D300、D700、D7000
非Aiボディ 最小絞り設定警告レバーなし F、F-401、Nikomat FT
最小絞り設定警告レバーあり 円周方向スライド式 × D100、D70、D70s、D50、D80、D90
押し込み式 D40、D40x、D60、D3000シリーズ、D5000シリーズ
●非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズ
Ai化されていない旧来のカニの爪が付いているレンズ。
単なる「非Aiレンズ」ではないことに注意。GタイプレンズやPC-Eレンズは非Aiだが装着制限はない。( 参考: Fマウントレンズ体系図/分類 )
 ●Aiボディ
レンズとの露出(絞り)連動を行なうための「(B)露出計連動レバー」(所謂Aiレバー)を持つボディ。
このレバーには可倒式と固定式の2種類が存在し、固定式レバーではレンズの絞りリングと干渉する
  (※1) F5とF6はメーカーにて固定式レバーを可倒式に改造可能
  (B)露出計連動レバーの有無、可倒式/固定式のボディ一覧はこちらを参照
●最小絞り設定警告レバー
非Aiボディにレンズ装着時、絞りが最小絞りになっているかを検知するためのレバー。(最小絞り検知方法と最小絞り設定警告レバー参照)
・ Aiレンズにある(k)最小絞り設定警告用ガイド(どのレンズでも最小絞りにセットすると同一位置に来る)と接触して最小絞り状態を検知する。
・ このレバーには円周方向スライド式と押し込み式の2種類が存在し、円周方向スライド式ではレンズの絞りリングと干渉する
・ Aiボディにはこの最小絞り設定警告レバーはない。(電子接点経由で渡される開放絞り値と「露出計連動レバー(Ai連動レバー)」によって最小絞り状態を検知することができるため)

 

(1) 非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズの絞りリングと、カメラ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)の干渉


  非Aiのオールドニッコールレンズは絞りリング後部(スカート部)が飛び出している。

非Aiのオールドニッコールレンズのマウント部 (参考)Aiニッコールレンズのマウント部


Ai方式のボディには(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)が固定式と可倒式の機種が存在する。(→ 可倒式/固定式のボディ一覧
レバー固定式のボディには、非Aiのオールドニッコールレンズは取り付けできない。=絞りリング後部(スカート部)がこのレバーを押しつぶす。。。
レバー可倒式のボディでは、レバーを倒せば(退避させれば)非Aiのオールドニッコールレンズでも取り付け可能である。(当然露出計は連動しない)

 尚、ごく一部のオールドニッコールレンズの中には、固定式の(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)とマウントのちょうど間に絞りリング後部(スカート部)がすっぽりと入り込んで装着できるものや、スカート部の飛び出し長が短くて露出計連動レバーと軽い接触だけで取り付けできるものがある。(製造ロットによってスカート長が違うレンズが存在する)


固定式     可倒式
レバーを押しつぶす。。。 レバーを起こしたままなら不可 レバーを倒せばOK

 

(2) 非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズの絞りリングと、最小絞り設定警告レバーの干渉


  ボディ側の(M)最小絞り設定警告レバーには、円周方向スライド式と押し込み式の両方式がある。(レバーがない機種もある
  円周方向スライド式のボディに、非Aiのオールドニッコールレンズを取り付けてはいけない。(絞りリング後部がこのレバーを押しつぶす。。。)

円周方向スライド式 押し込み式
(M)最小絞り設定警告レバーを押しつぶしてしまう
上(前面)から押し込むと引っ込む方式なので装着OK

尚、ごく一部のオールドニッコールレンズの中には、絞りリング後部(スカート部)が短い(レンズマウントからの飛び出し量が小さい)ものがあり、円周方向スライド式のボディにも装着できるものや、スカート部直径が60mmのレンズについては飛び出しているスカート部が ボディマウントと最小絞り設定警告レバーの隙間に丁度入り込むようで、Ai非改造でも取り付けできるものもあるらしい。 (製造ロットによってスカート長や直径が違うレンズが存在する)

 

(3) レンズ絞りリング後部(スカート部)とカメラ側マウント部周辺の干渉


  レンズ絞り環後部(スカート部)とカメラ側マウント部周辺が干渉する場合がある。


取り付けOK 取り付け不可
(1)Aiレンズ (2)非Aiのオールドニッコール (3)非Aiのオールドニッコール
 
部はレンズ絞り環後部(スカート部))


(1)、(2)は正常。
(3)は、スカート部が長すぎてレンズマウントがボディ内に入り切らず、装着不可。


レンズ絞りリング後部(スカート部)の長さ カメラ側マウント部の厚み
画像A(非Aiのオールドニッコールレンズのマウント部) 画像B 画像C 画像D 画像E
マウント部の厚みは2.7〜2.9mm(実測値)


 ボディ側の(B)露出計連動レバー(Ai連動レバー)を倒していたとしても、レンズ側絞りリング後部のマウント部から飛び出している部分(スカート部)の長さ(画像A、B、C)が、カメラ側マウント前面〜ボディ間の厚み(画像D、E)よりも長いと、レンズがボディ内に入り切らず装着できない。無理に装着しようとすると、スカート部がボディ前面に接触(食い込み)し、絞りリングが固くて回せない、どころか無理に装着すると最悪の場合はレンズが外せなくなる。

Fマウントの規格に「カメラ側マウント部〜ボディ間の厚み(画像D、E)」は定義されていないのが理由で、デジタル一眼レフになって、ボディ内のメカや電子回路の高密度実装の為にボディ前面部の厚みが増し、フィルム一眼レフに比べ許容できるレンズ側スカート部の長さが短くなっている。(但し、イメージセンサー〜マウント前面までの長さであるフランジバック長は規格として定められている)

また、レンズ側のスカート部の長さも規格化されておらず、Ai化以前のオールドニッコール(カニの爪付き)の中にはスカート部が長いものがあり、しかも同一レンズであってもロットの違いや前期型/後期型により長さが変わっているものもある。その為、カニ爪付きのオールドニッコールレンズが装着できる「Nikon Df」であっても、装着不可のレンズが存在する。(ちなみに、Ai化と同時にマウント部と絞りリング後端部はフラットになっているので問題は発生しない。)

元々初期のニッコールレンズのスカート部は、ボディ装着時にマウント接合部からの光漏れ防止(?)や防塵対策の為にマウント接合部を覆うように長くしていた、と思われるが、結果的にデジタル時代の露出計連動ガイド(所謂Aiレバー)や最小絞り警告レバーなどとの干渉、そしてボディ前面との干渉など、多くの制限が発生してしまっている。

このことから、Ai化以前のオールドニッコール(カニ爪付き)のどのレンズが装着できるかは、レンズ(種類、ロット)によっても、カメラによっても変わってくるという、複雑な組み合わせが存在し、たとえ「Nikon Df」であってもこの問題からは逃れられない。「Nikon Df」の使用説明書にある「使用できないレンズ」の一覧も、本当にそれだけなのか・・・多分メーカーでも全てのレンズの全ロットについて正確/詳細に把握し切れていないように思えるがどうだろうか。。。

 

(4) レンズ絞りリング後部(スカート部)の内径と、ボディ側マウント外径の違いによる装着不能

 オートフォーカスカメラでは、マニュアルフォーカスカメラに比べて、約1mm程マウント外径が大きくなっている。レンズ側絞りリングスカート部の内径がこれより小さいと装着できない。古いマニュアルフォーカスのフィルムカメラで使用できたレンズが全てオートフォーカスカメラで装着できるとは限らない。

非Aiのオールドニッコール
 
部はレンズ絞り環後部(スカート部))


スカート部がボディ側マウント部に接触するので装着不可。



マニュアルフォーカスカメラのマウント オートフォーカスカメラのマウント

 

(5) その他、ボディ銘板との干渉

 一部の鏡胴の太い古いレンズは、ボディの銘板部(おでこの部分。ペンタプリズム前面、一部機種はスピードライト内蔵)と鏡胴部分が接触するので装着できない。(多分レフレックスレンズやメディカルレンズなど)

また古いPCニッコール(シフトレンズ)では、シフト操作時にボディ銘板部、あるいはシフトノブがボディグリップ部に接触する可能性がある。

PC Nikkor 35mm f/3.5

 

(6) バックフォーカス長が短いレンズ

 一眼レフカメラではレンズ後端と可動ミラーがぶつからないだけのバックフォーカス長(レンズ最後端(レンズ保持部材含む)とイメージセンサー面の間の長さ)が必要である。

Nikon Fの頃の60年代の魚眼レンズ(Fisheye NIKKOR 8mm F8 など)では、レンズ最後端がミラーボックス内に大きく入り込んでいて(バックフォーカス長が短く)ミラーと干渉する為、ミラーアップして使用しなければならなかった。その為、ミラーアップ機能を持たないカメラでは、これらのレンズを使用すろことができない。

Fish-Eye-Nikkor 8mm f8 バックフォーカス


 


●非Aiのオールドニッコールレンズ(カニ爪付き)が装着できるカメラ


 以上の理由の内、(1)〜(4)に関して、非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズが物理的に装着できるのは以下のいずれかのカメラである。

 表3: 非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)レンズが物理的に装着できるカメラ
カメラの分類 カメラ例
フィルムカメラ 露出計なしのカメラ Nikon F、 F2、 Nikomat FS / NIKKOREX 35/F/35II /ZOOM 35、Nikon AUTO35
Ai方式以前のカニ爪対応のカメラ Nikon F Photomic/T/TN/ FTN、 Nikon F2 Photomic/S/SB、 Nikomat FT/FTN/EL/FT2/ELW
可倒式露出計連動レバーを持つカメラ Nikon F2 Photomic A/AS、Nikon F3/F3 HP/F3P/F3 AF/F3H、Nikon F4/ F4S/F4E、Nikomat FT3、Nikon EL2、 Nikon FM 、Nikon FE
押し込み式最小絞り設定警告レバーを持つカメラ F-401、PRONEA S
デジタルカメラ 露出計なしのカメラ (なし)
Ai方式以前のカニ爪対応のカメラ (なし)
可倒式露出計連動レバーを持つカメラ Nikon Df (平成25(2013)年11月28日発売) 使い方はこちらを参照
押し込み式最小絞り設定警告レバーを持つカメラ Nikon D40/D40x、D60、D3000シリーズ、D5000シリーズなど。
(但し正式(使用説明書)には装着不可となっているので自己責任で。。)


 
《 コラム 》 何故、物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせができちゃった?

前述の通り、物理的に装着できないカメラとレンズの組み合わせが存在する理由の内、非Aiのオールドニッコール(カニ爪付き)については、

 (1) カメラ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)の干渉
 (2) カメラ側の最小絞り設定警告レバーの干渉
 (3) レンズ絞りリング後部(スカート部)とカメラ側マウント部周辺の干渉
 (4) レンズ絞りリング後部(スカート部)の内径と、ボディ側マウント外径の違いによる装着不能


の4点なのであるが、これらの問題を考えてみる。

問題になるレンズは、共に、非Aiレンズ、正確には「CPUを内蔵していない非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)のレンズ」である。

  例) Nikkor-H Auto 50mm F2 (1964年1月発売。カニ爪付き)


(1) カメラ側の露出計連動レバー(Ai連動レバー)の干渉

D5100やD3200など、非Aiボディ(露出計連動レバーがない機種)のエントリーモデルでは装着は可能である。(非公式。露出計は作動しない)

しかし、露出計連動レバーを持つAiボディ(=上位機種に当たる)は、後に「Nikon Df」が発売されるまで固定式の露出計連動レバーを採用し続けていた。

でも、「手持ちの古いレンズを最新のデジタル一眼レフで使いた〜〜〜〜〜い」というユーザーも少なからず存在するだろう。特にニコンは「不変のFマウント」を標榜し、古くからのニコンファンは多くのレンズ資産をもっている人も多いだろうから。

装着さえできれば、たとえ露出計が連動しなくても、何回か試し撮りし液晶モニターでヒストグラムなどを確認すれば適性露出を求めることもできるのにね。。

可倒式の露出計連動レバーを採用した平成25(2013)年11月発売の「Nikon Df」露出計連動レバー部は以下のようになっている。

露出計連動レバーを起こした時 露出計連動レバーを倒した時
 

構造的には極めて単純で、ボディ側に露出計連動レバーが入る程度の窪みがあるだけである。この程度のことで可倒式にできるのであれば、他のデジタル一眼レフで何故できないのか。。

メーカーマーケティング部担当曰く、「ニコンDf誕生に迫る

「これには物理的な理由がありまして、非AIレンズは、AI対応ボディーのマウント外周部分にある露出計連動レバーに対応していませんので、レンズの絞り環の外周部分が露出計連動レバーの突起に干渉して装着できません。そのため、AI対応ボディーに非AIレンズを装着するにはこの突起部分を可倒式にする必要があります。しかし現在のカメラでは、この付近の構造上の理由で可倒式にはできなくなっています。 逆にDfの場合は、最初から可倒式の構造を取り入れるべく新規に設計しましたので実現できたのです。」

この程度の窪みさえ付けられないほど高密度実装されているとは思えないが、本当に構造上の理由だけだろうか?

最近流行のモノコック構造ボディなら分からなくもないけどね。

それとも、ニコン得意の「フェーズアウト作戦」か?

 「いつまでも古いレンズのサポートを続けていると、新しいレンズが売れないよね。。」
 「古〜〜〜〜いレンズを装着できるようにしても露出計が動かないし、だったらもう使えない(装着できない)ようにしようね」
 「色々制限もあり性能も落ちる古〜いレンズは捨てて、最新の高いレンズを買ってちょうだいな」



(2) カメラ側の最小絞り設定警告レバーの干渉

最小絞り設定警告レバーは、デジタル一眼レフではCPU連動方式専用ボディに追加されていて、2002年6月発売のD100から始まり、以下のカメラにある。

発売年月 最小絞り設定警告レバーの形式
円周方向スライド式   押し込み式  
2002年6月 D100
2004年3月 D70
2005年4月 D70s
2005年6月 D50
2006年9月 D80
2006年12月 D40
2007年3月 D40x
2008年2月 D60
2008年9月 D90(D80の後継機)
2009年5月 D5000
2009年8月 D3000
2010年9月 D3100
2011年4月 D5100
 

なかでも2004年3月発売のD70は爆発的に売れ、初めてデジタル一眼レフの世界に入った人も多いだろう。

で、手持ちのオールドニッコールレンズをカメラのレンズマウント部に装着してみた。。ら、

  何となく固くて回し辛いが、
     ↓
  無理やり装着できた
     ↓
  で、カメラ側の最小絞り設定警告レバーを押しつぶし、
     ↓
  絞りリングが固くて回せない、
     ↓
  と多くのユーザーがメーカーにクレームを入れ。。

となったのは想像にかたくない。


取接を読まないユーザーが悪い?

例えば、D70の使用説明書の最初の方には、

 ・ 「カメラの機能を充分に活用するためには、GまたはDタイプのCPUレンズの使用をおすすめします。」

そして最後の方には

 ・ 別売アクセサリー「装着可能なレンズおよび使用可能な機能」に「非CPUレンズなどに一部装着不可能なレンズ(P227)があります。」

で、その後(P227)に使用できないレンズとして、何本かあげられている。

この中に、

 ・ Ai改造をしていないレンズ(Ai方式以前の連動爪を使用するタイプ)

ここでようやく、「非Aiのオールドニッコール(カニ爪方式)のレンズ」が使用不可であることが分かる。。

使用説明書をよく読まないのが悪いといえるかもしれないが、最後の最後までよ〜〜〜〜く読まないと分からないのである。

これは、

  誤操作による故障を起こさせかねない部品を使う、という構造設計上のミス

ではないだろうか?

円周方向スライド式も押し込み式も部品コスト面や組み立てコストもほぼ変わらない、どころか押し込み式の方が安そうに思われるだけに、技術者の読みが甘かったか。。

上記年表で、D70発売後しばらく後にクレーム多発、2年半後のD40で押し込み式に改良。なのに4年以上も経過して発売されたD90だけは円周方向スライド式のままになっている。まぁ、D80(スライド式)の後継機だから律儀にこれも後継しちゃったのかもね。(笑)

ただ、円周方向スライド式のカメラは全てAFモーター内蔵機であり、押し込み式は(ボディにAFモーターを内蔵していない)モーター内蔵レンズ専用機なので、AFカップリングが邪魔をして押し込み式にできなかったのかもしれない。。けどね。さて、事実はどちら??



(3) レンズ絞りリング後部(スカート部)とカメラ側マウント部周辺の干渉
(4) レンズ絞りリング後部(スカート部)の内径と、ボディ側マウント外径の違いによる装着不能

たとえカメラ側に露出計連動レバー(Ai連動レバー)や最小絞り設定警告レバーがなくても干渉や装着不能な組み合わせは起こり得る。元凶はレンズ側のスカート部の長さや内径が規格化されていないことで、どのレンズ(種類、ロットなど)とカメラの組み合わせが該当するかはメーカーのみが知り得ることでもあるが、膨大な量になると思われる。

ひょっとして、メーカーも全てを把握し切れていない可能性も充分にあるかも。。

各カメラの使用説明書にある「使用できないレンズ」が全てなのか、それ以外にもあるのか、現状では「現物合わせ」にならざるを得ないようだ。。。







●モーター内蔵レンズ専用機とレンズの組み合わせ



以下の機種はボディ内にAFモーターが内蔵されていない為、AFモーターが内蔵されているレンズ(AF-SAF-Iレンズ)でのみAF撮影が可能である。(AFモーター内蔵レンズ以外ではマニュアルフォーカス撮影となる。但しフォーカスエイドは利用可能)

モーター内蔵レンズ専用機 (平成27(2015)年2月現在)
Nikon D40/D40x、Nikon D60、Nikon D3000シリーズ(D3000、D3100、D3200、D3300)、
Nikon D5000シリーズ(D5000、D5100、D5200、D5300、D5500)






DXレンズのイメージサークルとFXフォーマットカメラの組み合わせ



レンズにはイメージサークルという焦点面に鮮鋭な画像が結像する円形の範囲があり、フィルム/撮像素子のサイズをカバーする大きさが必要である。

イメージサークル(イメージ図)


昭和34(1959)年発売のNikon F以降、最新のデジタル一眼レフであるNikon D3Sまでの全一眼レフにおいて、フィルムの露光(撮影)サイズやイメージセンサーのサイズには大別して以下の5種類が存在する。

表1.ニコン一眼レフの露光(撮影)サイズ
フィルム/撮像素子の種類 フォーマット名/別名 撮影サイズ
(※1)
使用可能レンズ(※2) 主な機種 備考
135判レンズ
(FX用レンズ)
DX用レンズ
36mm判フィルム ライカ判、135フォーマット 24×36mm × Nikon F〜Nikon F6、FA、F-801、F100。。
APS-H判フィルム IX240判 16.7×30.2mm PRONEA 600i、PRONEA S ※3
2/3インチ判イメージセンサー 8.8×6.6mm(?) E2N/E2Ns、E3/E3s ※4
APS-C判イメージセンサー DXフォーマット 23.6×15.8mm D1/D2シリーズ、D100、D200、D300、D90.。。
35mm判イメージセンサー FXフォーマット、フルサイズ 36.0×23.9mm D3シリーズ、D700
・ 135フォーマット: 35ミリフィルムを使用し露光サイズ24×36mmの最も広く使われているフォーマット。「135」はドイツのコダックが命名した規格名。
DXフォーマット: ニコンのデジタル一眼レフにおいて、APS-Cに準じたサイズを持つイメージセンサーを示す。
FXフォーマット: ニコンのデジタル一眼レフにおいて、135フォーマット(35mm判)に準ずるサイズを持つイメージセンサーを示す。

※1: APS-C判イメージセンサーと35mm判イメージセンサーのサイズは代表例。
※2: 使用可能レンズ ◎:使用可  ○:DXレンズ装着時にクロップで使用可 △:ネットでは一部のDXレンズが使用可との情報あり
※3: 専用レンズ 「IXニッコール」 3本が開発されているが、135フォーマット(35mm判)カメラには装着不可。従来のニッコールレンズが全て装着可。
※4: 縮小光学系を持っているので35mm判レンズをそのままの画角で使用可能

一方、レンズにはイメージサークルという焦点面に結像する円形の像面があり、フィルム/撮像素子のサイズをカバーする大きさが必要である。

ニッコールレンズのイメージサークルの大きさは、

         135フォーマット判レンズ(FXフォーマット用レンズ) > DXフォーマット用レンズ

となっているので、36mm判フィルムカメラ(135フォーマット)やFXフォーマット判カメラにDXフォーマットレンズを装着すると四隅がケラレてしまう。但し、クロップ指定すればDXフォーマットの撮影が可能である。また、DXフォーマットレンズであってもズームレンズの長焦点距離側ではイメージサークル径が大きくなるので、レンズによってはFXフォーマット判カメラでもケラレなく使えるものもある。(参考:【伊達淳一のデジタルでいこう!】D700で使えるDXレンズを検証

図1.イメージサークルとフィルム/撮像素子サイズのイメージ (白枠部がフィルム/撮像素子のサイズを示す)
FXフォーマット用レンズをFX判カメラに装着 FXフォーマット用レンズをDX判カメラに装着 DXフォーマット用レンズをFX判カメラに装着
フィルム/撮像素子のサイズをカバーしている 焦点距離1.5倍相当の画角となる 四隅がケラレてしまう。。。






露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR・Gタイプ使用可否一覧



ニコン全一眼レフの露出計連動ピン(カニ爪の受け側)有無、Aiレンズに対応するAi連動可否、CPUレンズとの連動可否、AF機能有無、AF-SAF-Iレンズの使用可否、及びVRレンズGタイプレンズの使用可否を示す。


  露出モード(※1 露出計連動ピン Ai連動※2 CPU連動 AF機能(※3 VRレンズ Gタイプレンズ※4
Nikon F − (露出計なし)   × ×
Nikon F Photomic/T/TN M       × ×
Nikon Photomic FTN M       × ×
Nikon F2 − (露出計なし)   × ×
Nikon F2 Photomic/S/SB M        × ×
Nikon F2 Photomic A/AS M   Ai連動 (倒)     × ×
Nikon F3/F3 HP/F3P/F3H A・M   Ai連動 (倒)     × ×
Nikon F3 AF A・M   Ai連動 (倒)     × ×
Nikon F4/F4S/F4E A・S・P・PH・M   Ai連動 (倒) CPU連動 AF (◎) × P・S
Nikon F5 (※5 A・S・P・M   Ai連動 (固/倒) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon F6 (※5 A・S・P・M   Ai連動 (固/倒) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
  露出モード(※1 露出計連動ピン Ai連動※2 CPU連動 AF機能(※3 VRレンズ Gタイプレンズ※4
Nikomat FT/FTN/FT2 M        × ×
Nikomat FS − (露出計なし)   × ×
Nikomat EL/ELW A・M       × ×
Nikomat FT3 M   Ai連動 (倒)     × ×
Nikon EL2 A・M   Ai連動 (倒)     × ×
PRONEA 600i P・S・A・M     CPU連動 AF (◎) × P・S・A・M
PRONEA S AUTO・P・S・A     CPU連動 AF (◎) × P・S・A
Nikon FM/FM2/New FM2 M   Ai連動 (倒)     × ×
Nikon FE/FE2/FE10 A・M   Ai連動 (倒)     × ×
Nikon EM A・M   Ai連動 (固)     × ×
Nikon FG A・P・M   Ai連動 (固)     × ×
Nikon FA P・S・A・M   Ai連動 (固)     × ×
Nikon FG-20 A・M   Ai連動 (固)     × ×
Nikon FM10 M   Ai連動 (固)     × ×
Nikon FM3A A・M   Ai連動 (固)     × ×
NIKKOREX 35 M         × ×
NIKKOREX F M ○(外付露出計)       × ×
NIKKOREX 35II M         × ×
NIKKOREX ZOOM 35 M         × ×
Nikon AUTO35 S・M         × ×
  露出モード(※1 露出計連動ピン Ai連動※2 CPU連動 AF機能(※3 VRレンズ Gタイプレンズ※4
Nikon F-301 P・PHI・A・M   Ai連動 (固) ×   × ×
Nikon F-401/401S/401X P・S・A・M     CPU連動 AF (▲) × P・S・A・M
Nikon F-501 P・PDUAL・PHI・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (▲) × ×
Nikon F-601 PM・P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (▲) × ×
Nikon F-601M PM・P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動   × P・S
Nikon F-801/801S PD・PH・P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (▲) × P・S
Nikon F50D AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (▲) × P・S・A・M
Nikon F60D AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (▲) × P・S・A・M
Nikon F70D IMG・P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) × P・S
Nikon F80D / F80S P・S・A・M     CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon F90/D/S/X/Xd/Xs P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) × P・S
Nikon F100 P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon U/U2 AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon Us AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (▲) × P・S・A・M
  露出モード(※1 露出計連動ピン Ai連動※2 CPU連動 AF機能(※3 VRレンズ Gタイプレンズ※4
Nikon D1/D1X/D1H P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D2H/D2X/D2Hs/D2Xs P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D3/D3S/D3X P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D4/D4S P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon Df P・S・A・M Ai連動 (倒) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
  露出モード(※1 露出計連動ピン Ai連動※2 CPU連動 AF機能(※3 VRレンズ Gタイプレンズ※4
Nikon D40 /D40x AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (△) VR可 P・S・A・M
Nikon D50 AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D60 AUTO・IMG・P・S・A・M CPU連動 AF (△) VR可 P・S・A・M
Nikon D70/D70s AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D80 AUTO・IMG・P・S・A・M     CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D90 AUTO・IMG・P・S・A・M CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D100 P・S・A・M     CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D200 P・S・A・M   Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
  露出モード(※1 露出計連動ピン Ai連動※2 CPU連動 AF機能(※3 VRレンズ Gタイプレンズ※4
Nikon D300/D300S P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D600/D610 AUTO・IMG・P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D700 P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D750 AUTO・SCENE・P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D800/D800E
D810/D810A
P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D7000 P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D7100/D7200 AUTO・IMG・P・S・A・M Ai連動 (固) CPU連動 AF (◎) VR可 P・S・A・M
Nikon D3000/D3100/D3200
D3300
AUTO・IMG・P・S・A・M CPU連動 AF (△) VR可 P・S・A・M
Nikon D5000/D5100/D5200
D5300/D5500
AUTO・IMG・P・S・A・M CPU連動 AF (△) VR可 P・S・A・M
 
※1: P:プログラム S:シャッター速度優先 A:絞り優先 M:マニュアル AUTO:オート IMG:イメージプログラム

P(標準プログラムAE) 通常の撮影用プログラムAE。プログラム線図上で最適なシャッター速度と絞り値を自動設定する
PM(マルチプログラムオート) 装着するレンズによりプログラム線図が変わり最適なシャッター速度と絞り値を自動設定する。 Nikon F-601に搭載。
PHI(高速プログラムAE) レンズ焦点距離に関わらず、手ブレを防ぐためにプログラム線図上で高速側にシフトし、やや高速のシャッター速度を優先する(手動切替)。Nikon F-301、Nikon F-501に搭載。
PH(高速プログラムオート) 同上。F4、Nikon F-801に搭載。
PDUAL(デュアルプログラムオート) 135mm以上のレンズを使う場合、手ブレ防止範囲内のプログラムに自動でシフトする(135mm域を含むズームレンズでも自動切換えされる)。Nikon F-501に搭載。
PD(デュアルプログラム) 同上。Nikon F-801に搭載。
IMG(デジタルイメージプログラム)
SCENE(シーンモード)
ポートレートやスポーツなど撮影するシーンが決まっているとき、選択指定した撮影シーンに合わせて各種設定をカメラが自動的にコントロールする。D7000ではモードダイヤルをSCENEに合わせた後にコマンドダイヤルを回して設定する
U1・U2(ユーザーセッティングモード) 事前登録した撮影モードや撮影時の設定で撮影できる。D7000に搭載。

※2: 倒=可倒式レバー  固=固定式レバー(固定式の機種には従来方式(非Aiのオールドニッコール)レンズは取り付けできない)

※3: AF可否は以下の通りとなる。
AF機能 ボディ側
AFカップリング有無
AF可否 備考
モーター内蔵レンズ(AF-SAF-I モーター非内蔵レンズ
あり F4、F90、F100、D3、D5100など
なし ×(マニュアル操作) D40など、モーター内蔵レンズでのみAF可
あり ×(マニュアル操作) F-401など初期のAFフィルムカメラ

※4: P:プログラムオート(AUTOモードとイメージプログラムモードを含む)  S:シャッター速度優先  A:絞り優先  M:マニュアル
     F4などでA・Mモード使用時は絞りの変更を絞りリングで行なう(コマンドダイアルでは不可)ので、GタイプレンズはA・Mモードは使用不可。

※5: F5、F6はメーカーにて固定式露出計連動レバー(いわゆるAi連動レバー)を可倒式に改造できる。

 

露出計連動ピン(カニ爪)を持つ機種   Nikon F Photomic / Nikon F Photomic T / Nikon F Photomic TN / Nikon Photomic FTN
Nikon F2 Photomic / Nikon F2 Photomic S / Nikon F2 Photomic SB
Nikomat FT / Nikomat FTN / Nikomat FT2 / Nikomat EL / Nikomat ELW / NIKKOREX F
 


 


露出計連動レバーを持つ機種    
 
        露出計連動レバーCPU連動方式
両方を持つ機種
  
     CPU連動方式のみの機種
  (可倒式)            
    Nikon F2 Photomic A
Nikon F2 Photomic AS
Nikon F3全シリーズ
Nikomat FT3
Nikon EL2 / Nikon FM / Nikon FE
(可倒式露出計連動レバー) Nikon F-401全シリーズ
Nikon F50D / Nikon F60D
Nikon F80D・F80S
Nikon U / Us / U2
PRONEA 600i / PRONEA S

Nikon D40(D40x)
Nikon D50 / D60
Nikon D70 / D70s
Nikon D80 / Nikon D90
Nikon D100
Nikon D3000 / D3100 / D3200 / D3300
Nikon D5000 / D5100 / D5200 / D5300 / D5500
Nikon F4全シリーズ



Nikon Df
                  
                   
  (固定式)                
    Nikon EM / Nikon FM2
Nikon FG / Nikon FE2 / Nikon FA
Nikon New FM2 / Nikon FG-20
Nikon FM10
Nikon FM3A / Nikon F-301




 (固定式露出計連動レバー)  
Nikon F5 (可倒式に改造可)
Nikon F6 (可倒式に改造可)
Nikon F-501 / Nikon F-601 / Nikon F-601M
Nikon F-801 / F-801S
Nikon F70D
Nikon F90 / F90D / F90S
Nikon F90X / F90Xd / F90Xs
Nikon F100

Nikon D1全シリーズ / Nikon D2全シリーズ
Nikon D3 / D3S / D3X
Nikon D4 / D4S
Nikon D200
Nikon D300 / D300S
Nikon D600 / D610
Nikon D700 / D750
Nikon D800 / D800E / D810 / D810A
Nikon D7000 / D7100 / D7200
                   
                   


 

Gタイプレンズが使えない機種(AF-S、VRも使用不可)

Nikon F / Nikon F Photomic / Nikon F Photomic T / Nikon F Photomic TN / Nikon Photomic FTN
Nikon F2 / Nikon F2 Photomic / Nikon F2 Photomic S / Nikon F2 Photomic SB / Nikon F2 Photomic A / Nikon F2 Photomic AS
Nikon F3 / Nikon F3 HP / Nikon F3P / Nikon F3 AF / Nikon F3H

NIKKOREX 35 / NIKKOREX F / NIKKOREX 35II / NIKKOREX ZOOM 35 / Nikon AUTO35

Nikomat FT / Nikomat FS / Nikomat FTN / Nikomat EL / Nikomat FT2 / Nikomat ELW / Nikomat FT3
Nikon EL2 / Nikon FM / Nikon FE / Nikon EM / Nikon FM2 / Nikon FG / Nikon FE2 / Nikon FA
Nikon New FM2 / Nikon FG-20 / Nikon FM10 / Nikon FE10 / Nikon FM3A

Nikon F-301 / Nikon F-501 / Nikon F-601





  Gタイプレンズが使える機種(AF-S、VRは不可)
 
露出モード[P・S・A・M]全て使用可能な機種

Nikon F-401全シリーズ
Nikon F50D / Nikon F60D / Nikon Us
    Gタイプレンズ+AF-S+VRが使える機種

Nikon F5 / Nikon F6
Nikon F80D・F80S / Nikon F100 / Nikon U / Nikon U2

全デジタル一眼レフ
 
  露出モード[P・S]のみ使用可能な機種         
 
Nikon F-601M / F-801 / F-801S
         
      Gタイプレンズ+AF-Sが使える機種(VRは使用不可)

Nikon F4シリーズ
PRONEA 600i / PRONEA S
Nikon F70D
Nikon F90全シリーズ
Nikon F90X全シリーズ
     
               
         






●ニコンデジタル一眼レフカメラ系統図



(この系統図は、「ニコン全一眼レフカメラ発売年表/仕様」にもあります。)


フラッグシップ
   
1999年
(平成11年)
  1999/9                                         1999年
(平成11年)
D1
2000年
(平成12年)
                                              2000年
(平成12年)
 
 
     
2001年
(平成13年)
  2001/5   2001/7                 DXミドルレンジ                   2001年
(平成13年)
D1X D1H
     
 
2002年
(平成14年)
                          2002/6                   2002年
(平成14年)
D100
2003年
(平成15年)
  2003/10                           DXエントリー               2003年
(平成15年)
D2H
       
2004年
(平成16年)
                                2004/3           DXファミリー   2004年
(平成16年)
D70
                 
2005年
(平成17年)
  2005/1   2005/3                 2005/11   2005/4           2005/6   2005年
(平成17年)
D2X D2Hs D200 D70s D50
           
               
2006年
(平成18年)
  2006/6                     DXフラッ グシップ   2006/9           2006/12   2006年
(平成18年)
D2Xs D80 D40
 
 DX
                 
FX フラッグシップ                
2007年
(平成19年)
  2007/11                     2007/11                 2007/3   2007年
(平成19年)
D3   D300 D40x
 
     
               
    FXハ イミドル                  
2008年
(平成20年)
  2008/12             2008/7           2008/9   DXエントリー
(ハイエンド)
  2008/2       2008年
(平成20年)
D3X D700 D90 D60
                     
         
2009年
(平成21年)
  2009/11                       2009/8         2009/5 2009/8 DXエントリー
(ローエンド)
  2009年
(平成21年)
D3S D300S D5000 D3000
   DX
        ハイ ミドル            
2010年
(平成22年)
                              2010/10           2010/9       2010年
(平成22年)
D7000 D3100
                   
2011年
(平成23年)
                                      2011/4             2011年
(平成23年)
    D5100
   
                 
FXハイエンド         FXローエンド
                               
2012年
(平成24年)
  2012/3       2012/3,4           2012/9             2012/12   2012/5       2012年
(平成24年)
D4 D800/800E D600 D5200 D3200
     
                               
2013年
(平成25年)
        2013/11                 2013/10     2013/3     2013/11             2013年
(平成25年)
Df   D610 D7100 D5300
                       
2014年
(平成26年)
  2014/3       2014/7     2014/9                       2014/2       2014年
(平成26年)
D4S D810 D750 D3300
           
2015年
(平成27年)
          2015/5               2015/3     2015/2           2015年
(平成27年)
D810A D7200 D5500






 


●デジタル一眼レフカメラとレンズの組み合わせ



デジタル一眼レフカメラとレンズの組み合わせには多数のパターンがあります。AFや露出計が正常に使えるもの、AFは作動しないが露出計は使えるもの、カメラに装着はできるが露出計は使えないもの、カメラに装着するとパーツを壊すものなど様々あり、少し古いカメラでは最新機能を持つレンズが使用できないこともあります。

ニコンユーザーには、数多くのレンズ資産をもつ方も大勢いるはずで、手持ちの古いレンズが使えるカメラを探したり、或いは最新のカメラを購入したいが古いレンズが使えるのか、という疑問を持つこともあるでしょう。

これらは「Nikon F」以来の「不変のFマウント」を継承しているが故の問題ではあるのですが、基本を理解しておけば数十年前のレンズを最新のデジタル一眼レフカメラに装着して楽しむことも可能なのです。

当サイトを開設以来、多くのメールを頂いていますが、その中でも「このカメラでこのレンズは使える?」的な質問が相当数あります。

個々の特定のカメラとレンズの組み合わせ可否判断は簡単なのですが、これを「一般化」して表現するのはなかなか難しい。。のですが、以下に可否判断方法を示します。


  < インデックス >

1.事前に知っておくべきこと
  ●CPUレンズ/Gタイプレンズ/Eタイプレンズ/Dタイプレンズの見分け方
  ●CPUレンズ/非CPUレンズ
  ●Dタイプレンズ/Gタイプレンズ/Eタイプレンズ
  ●PC-Eタイプレンズ、PCレンズ、Ai-Pタイプレンズ
  ●モーター内蔵レンズ(AF-S/AF-I)
  ●VR(手ブレ補正内蔵レンズ)
  ●FXレンズ/DXレンズ
  ●オールドニッコール、カニ爪レンズ、Aiタイプ(Aiレンズ)/Ai-Sタイプ(Sタイプレンズ)/非Aiタイプ(非Aiレンズ)/改造Aiレンズ/非CPUのAiレンズ
2.デジタル一眼レフカメラの分類
3.レンズ名に含まれる文字による組み合わせ可否判断方法(1)(フローチャート形式)
4.レンズ名に含まれる文字による組み合わせ可否判断方法(2)(表形式)
5.手持ちのカメラで使えるレンズは何を買えばいい?
6.カニの爪付きのオールドニッコールレンズを使いたい
7.カメラ使用説明書の「使用できるレンズ」の見方


 

1.事前に知っておくべきこと


  以下の用語について、概略を理解しておいてください。ややこしいとは思いますが、よ〜〜〜く読めば段々理解できるようになります。
 
 
CPUレンズGタイプレンズEタイプレンズDタイプレンズの見分け方
(ニコンデジタル一眼レフの「使用説明書」から)

○ レンズ名のF値の後に ”G” や ”E” や ”D” が付くレンズです。現行ニッコールレンズの中心を成すレンズ群です。
例1)AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF) (02/06月) (F3.5-4.5の後に ”G” = Gタイプレンズ)
例2)AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR (14/8月) (f/2.8の後に ”E” = Eタイプレンズ)
例3)Ai AF-I Nikkor ED 500mm F4D(IF) (94/11月) (F4の後に ”D” = Dタイプレンズ)

 
CPUレンズ/非CPUレンズ
  ・ 昭和61(1986)年4月発売のAF機「Nikon F-501」以降の全てのレンズはCPUを内蔵しています。CPUレンズは「Fマウント体系図」に示す通り、FX/DX、AF(オートフォーカス)/MF(マニュアルフォーカス)、D/G/Eタイプモーター内蔵/非内蔵など、色々な種類のレンズが存在します。

CPUレンズ(電子接点)

・ CPUレンズは殆どのデジタル一眼レフに装着でき、露出計も作動します。例外はEタイプPC-Eレンズで、一部のデジタル一眼レフでは使用できません。

・ 非CPUレンズとは、昭和61(1986)年4月より前に発売されたレンズ群で、CPU非搭載のAiレンズや「カニ爪」が付いたレンズのことです。中でもカニの爪(ブタ鼻ではない)が付いたレンズは、「オールドニッコール」と呼ばれるニコンの最初期のレンズで、カメラへの装着には多くの制限があります。

カニの爪(非Ai) Aiレンズ(ブタ鼻爪
 
DタイプレンズGタイプレンズEタイプレンズ
  ・ レンズ名のF値の後に ”D” や ”G” や ”E” が付くレンズです。現行ニッコールレンズの中心を成すレンズ群です。
Dタイプレンズは、被写体までの撮影距離情報をカメラに伝達する機能を持ちます。
Gタイプレンズは、レンズ本体に絞り環を持たず、ボディ側から絞り制御を行なうレンズシリーズで、Dタイプと同様の機能を持ちます。
Eタイプレンズは、電磁絞り方式CPU搭載AF-S(超音波モーター内蔵)搭載の新レンズシリーズです。
・ 各カメラの使用説明書に「使用可能なレンズ」として挙げられています。全てCPUレンズでもあり、FX/DX、AF/MF、モーター内蔵/非内蔵など、色々な種類のレンズが存在します。一部の特殊なレンズを除き、殆どのデジタル一眼レフに装着でき、露出計も作動します。

例1)Ai AF-I Nikkor ED 500mm F4D(IF) (94/11月) (F4の後に ”D” = Dタイプレンズ)
例2)AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF) (02/06月) (F3.5-4.5の後に ”G” = Gタイプレンズ)
例3)AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR (14/8月) (f/2.8の後に ”E” = Eタイプレンズ)
 
PC-Eタイプレンズ、PCレンズ、Ai-Pタイプレンズ(Pタイプレンズ)
PC-Eタイプレンズは、レンズ名に ”PC-E” が付くレンズで、アオリ機構、レボルビング機構を備え、電磁絞り方式CPU搭載Dタイプ、全てMFレンズです。
・ PCレンズは、レンズ名に ”PC” が付くレンズで、アオリ機構、レボルビング機構を備えたMFレンズで、DタイプならCPU搭載レンズです。
Ai-Pタイプレンズは、レンズ名のF値の後に ”P” が付くレンズで、CPU搭載のMF(マニュアルフォーカス)レンズ(Aiタイプ)であり、発売されたのは3本のみです。

例1)PC-E Micro NIKKOR 45mm F2.8D ED (08/7月) (レンズ名に ”PC-E” が付く = PC-Eタイプレンズ )
例2)PC Micro Nikkor 85mm F2.8D (99/9月) (レンズ名に ”PC” が付き、F2.8の後に”D” = PCレンズ、Dタイプ )
例3)Ai Zoom Nikkor ED 1200-1700mm F5.6-8P(IF) (94/1月) (F5.6-8の後に ”P” = Ai-Pタイプレンズ)
 
●モーター内蔵レンズ(AF-SAF-I
  レンズ内にモーターを内蔵したレンズです。レンズ名に ”AF-S” や ”AF-I” が含まれています。
AF-S は超音波モーター内蔵レンズで、速い合焦スピードと静粛性を持ちます。CPUレンズDタイプでもあります。
AF-I はコアレスモーターを内蔵したレンズです。CPUレンズDタイプでもあります。
・ D40やD60、D3000シリーズ、D5000シリーズでは、これらのモーター内蔵レンズでのみAFが作動します。(モーター内蔵レンズ専用機

例1)AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF) (02/06月) (レンズ名に ”AF-S” が付く = AF-Sレンズ )
例2)Ai AF-I Nikkor ED 500mm F4D(IF) (94/11月) (レンズ名に ”AF-I” が付く = AF-Iレンズ )
 
VR(手ブレ補正内蔵レンズ)
カメラのシャッターが開いている間(露光中)に手が動いてしまうことによる手ブレを補正する機構(VR)を内蔵したレンズです。
・ 手振れ補正の方式としてはボディ内蔵型とレンズ搭載型の2種類がありますが、ニコンではファインダーで防振効果を確認でき、撮影時に被写体を捉えやすいというメリットから、レンズ搭載型を採用しています。
・ 全てのデジタル一眼レフで使用可能ですが、古いフィルムカメラでは使えない機種もあります。

 
例1)AF-S VR Zoom Nikkor ED 200-400mm F4G(IF) (04/2月) (レンズ名に ”VR” が付く = VRレンズ )
FXレンズDXレンズ/FXフォーマット/DXフォーマット
  DXレンズはAPS-Cサイズのイメージセンサー(DXフォーマット)を持つカメラ用に開発されたレンズ群です。レンズ名に ”DX” が含まれています。
DXレンズは全てCPU搭載、AF、Gタイプで、1本を除き全てAF-S(超音波モーター内蔵)レンズです。

FXレンズはフルサイズ(35mm判フィルム相当)のイメージセンサー(FXフォーマット)を持つカメラ用で、レンズ名に ”DX” が含まれていないレンズ全てが該当し、カニ爪付きの古いニッコールレンズから、最新の電磁絞りや超音波モーターを内蔵したレンズ(AF-S)まで色々な種類があります。

・ DXレンズをFXフォーマットのカメラに装着した場合:クロップ撮影となります。
・ FXレンズをDXフォーマットのカメラに装着した場合:焦点距離が1.5倍相当の画角となります。

例1)Ai AF Nikkor 50mm F1.4S (86/7月) (レンズ名に ”DX” がない = FXレンズ )
例2)AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF) (03/06月) (レンズ名に ”DX” が付く = DXレンズ )
 
●オールドニッコール、カニ爪レンズ、Aiタイプ(Aiレンズ)Ai-Sタイプ(Sタイプレンズ)/非Aiタイプ(非Aiレンズ)/改造Aiレンズ/非CPUのAiレンズ
  ・ オールドニッコールとは所謂「カニの爪」と言われる露出計連動爪が付いている最初期のレンズ(=非Aiタイプ、CPU非搭載)です。殆どのデジタル一眼レフには物理的に装着できませんが、平成25(2013)年11月発売の「Nikon Df」には装着でき、露出計も作動します。D40/D40x、D60、D3000シリーズ、D5000シリーズにも装着はできますがメーカー非推奨で露出計も作動しません。 → 非Aiのオールドニッコールレンズ(カニ爪付き)が装着できるカメラ 参照

   例)Nikkor-H Auto 50mm F2 (64/1月)

カニの爪

Aiタイプ(Aiレンズ)は昭和52(1977)年に商品化され、レンズ絞り環の後部に露出計連動ガイドという切り欠きを付けたレンズで、物理的には全てのデジタル一眼レフに装着できます。露出計はAiに対応したカメラでのみ作動します。レンズ名の中に ”Ai” という文字が含まれ、カニの爪が穴の開いた「ブタ鼻」に変わっています。

  例)Ai Nikkor 50mm F/1.4 (77/3月)

Aiレンズ(ブタ鼻爪 Aiレンズ(ブタ鼻爪

Ai-Sタイプ(Sタイプレンズ)Aiタイプ(Aiレンズ)の改良版で、昭和55(1980)年から発売され、主に絞り制御の適正化を行なっています。デジタル一眼レフで使う限りではどちらのタイプでも変わりはありません。レンズ名の中に ”Ai” という文字があり、F値の後に”S”が含まれます。

  例)Ai Nikkor 50mm f/1.4S (81/9月)

Aiタイプ(Ai-Sタイプ)レンズには、非CPU(CPU非搭載)のAiレンズ、CPU搭載のDタイプレンズ、超音波モーター内蔵のAF-Sレンズ(当然CPU搭載)など様々な種類が存在します。

非CPU(CPU非搭載)のAiレンズとは、Aiレンズが商品化された昭和52(1977)年から昭和61(1986)年4月のAF機「Nikon F-501」(CPU搭載)までの間に発売された、CPU(電子接点)を搭載していない(古い)Aiレンズのことです。「Fマウント体系図」の右端にある区分記号B、C、Dに当たります。
この「非CPU(CPU非搭載)のAiレンズ」は、装着できても露出計が作動しないカメラ(カメラ側に露出計連動レバーがない機種)が存在するので注意が必要です。

Aiレンズの露出計連動ガイド Ai対応カメラの露出計連動レバー

・ 非Aiタイプ(非Aiレンズ)は露出計連動ガイドという切り欠きがないレンズのことで、主にカニ爪付きのオールドニッコールを指します。(広い意味では絞り環そのものがないGタイプレンズ(CPU搭載)、特殊用途のPCレンズなども非Aiタイプとなりますが、通常はオールドニッコールを指します)

・ 改造Aiレンズとは、カニ爪の付いた初期のレンズの絞り環をAi用の露出計連動ガイド付きに交換したものです。以前はメーカーで交換作業を行なっていました(現在は行なっていません)が、自己責任で露出計連動ガイドの役割をする切り欠きを作り込むこともできます。

例1)Nikkor-H Auto 50mm F2 (64/1月) (オールドニッコール=”Ai”の文字がないので非Aiタイプ)
例2)Ai Nikkor 50mm f/1.4S (81/9月) (”Ai”の文字があり、f/1.4の後に”S"があるので、Ai-Sタイプ)

いずれにしても、デジタル一眼レフで使用する場合、カニ爪の付いたオールドニッコールレンズは、Ai化されたレンズに比べて多くの制限があります。

よって、古〜いレンズを使用して楽しみたいなら最低限Ai化以降のレンズを購入することです。



 
2.デジタル一眼レフカメラの分類


 まず、デジタル一眼レフカメラを幾つかのグループに分類します。分類方法は、FX/DX、「AFカップリング」有無、そして物理的に装着の障害となる「露出計連動レバー」「最小絞り警告レバー」の有無で行なっています。


 表1: デジタル一眼レフカメラの分類(2015年5月現在)
カメラ
グループ
機種名 FX/DX 露出計連動レバー
(Aiレバー)
AFカップリング 最小絞り警告
レバー
備考
A D1D1XD1HD2HD2XD2HsD2Xs
D200D300D300SD7000D7100D7200
DX あり(固定式) なし Ai対応ボディ(固定式レバー)
B D3D3SD3XD4D4SD600D610
D700D750D800D800ED810D810A
FX
C Df FX あり(可倒式) なし Ai対応ボディ(可倒式レバー)
D D50D70D70sD80D90D100 DX なし スライド式 CPUレンズ専用ボディ
E D40 D40xD60
D3000D3100D3200D3300
D5000D5100D5200D5300D5500
なし 押し込み式 モーター内蔵レンズ専用ボディ
※:露出計連動レバー(Aiレバー)がある機種は全てAFカップリングがあり、最小絞り警告レバーはない。


 表2: 各カメラグループの特徴
カメラ
グループ
特徴
A DXフォーマットのフラッグシップ、及びハイミドル機。
CPUレンズはほぼ全て使用可。但しPC-Eは一部機種でのみ使用可。FXレンズは焦点距離の1.5倍相当の画角となる。非CPUのAiレンズはA・Mでのみ使用可で露出計作動。オールドニッコール(カニ爪)は装着不可。
B FXフォーマットのフラッグシップ、及びハイミドル、ハイ/ローエンド機。
CPUレンズPC-Eを含めほぼ全て使用可。DXレンズはクロップで使用。非CPUのAiレンズはA・Mでのみ使用可で露出計作動。オールドニッコール(カニ爪)は装着不可。
C FXフォーマットの「Nikon Df」のみ。カニ爪オールドニッコールでも露出計が作動する唯一のデジタル一眼レフ。
CPUレンズPC-Eを含めほぼ全て使用可。DXレンズはクロップで使用。非CPUのAiレンズはA・Mでのみ使用可で露出計作動。オールドニッコール(カニ爪)も使用可で露出計作動。
D DXフォーマットのエントリー機。
CPUレンズはほぼ全て使用可。但しPC-Eは使用不可。FXレンズは焦点距離の1.5倍相当の画角となる。非CPUのAiレンズはMのみで使用可だが露出計作動しない。オールドニッコール(カニ爪)は装着不可。
E DXフォーマットのファミリー、エントリーのロー/ハイエンド機。
AFモーター内蔵レンズ以外ではAF作動しない。
CPUレンズはほぼ全て使用可。但しPC-Eは一部の機種でのみ使用可。FXレンズは焦点距離の1.5倍相当の画角となる。非CPUのAiレンズはMのみで使用可だが露出計作動しない。オールドニッコール(カニ爪)は装着可だが正式には認められていない。
※A・M:露出モード。Aは絞り優先オート、Mはマニュアル

 (注)Ai化以前のオールドニッコールレンズ(カニの爪付き。非CPU)は、カメラグループC(Nikon Df)とEにしか装着できません。他のカメラグループに無理に装着するとカメラの破損につながります。尚、どちらのカメラグループも、装着できない一部の古いニッコールレンズが存在します。特にカメラグループEは正式(使用説明書)にはAi化以前のオールドニッコールレンズ(カニの爪付き)は装着不可となっていますので、装着は自己責任となります。


 
3.レンズ名に含まれる文字による組み合わせ可否判断方法(1) (フローチャート形式)


レンズ名に含まれる文字で判断します。先に「レンズ名の見方」を見ておいて下さい。

  尚、以下のF3AF用レンズはいずれのデジタル一眼レフでも使用できませんので対象外となります。
     ・ Ai AF Nikkor 80mm F2.8S (83/4月)
     ・ Ai AF Nikkor ED 200mm F3.5S(IF) (83/4月)

以下、(1)から順に、判定していきます(順に絞り込んでいくので途中からでは意味がありません)。Yesの時点で確定します。



(1)レンズ名に ”DX” がある? カメラ
グループ
      解説
 Yes (=DXレンズ) A DXレンズ。 全てCPU内蔵、AF、非Ai、Gタイプ。1本(※)を除き全てAF-S(超音波モーター内蔵)
・ 例)AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF) (03/06月)

全グループ機種使用可。
但しグループB、Cではクロップ撮影となる。

(※)「AF DX フィッシュアイ Nikkor ED 10.5mm F2.8G」のみグループEではAF作動しない。
B
  C
 No (=FXレンズ) D
  E
 
(2)レンズ名に ”PC-E” がある? カメラ
グループ
  解説
 Yes (=PC-Eレンズ) A PC-Eタイプレンズ(電磁絞り、アオリ機構、レボルビング機構を備えたPCレンズ)。
・ 全てFX、CPU内蔵、MF。
・ 例1)PC-E Micro NIKKOR 45mm F2.8D ED (08/7月)

グループB、Cは全機種使用可。
グループA、Eは一部の機種で使用可。
グループDは使用不可。
B
  C
 No D ×
  E
 
(3)レンズ名のF値の後に ”E” がある? カメラ
グループ
  解説
 Yes (=Eタイプレンズ) A ・ 電磁絞りのEタイプレンズ。全てFX、CPU内蔵AF-S(超音波モーター内蔵)
・ 例1)AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR (14/8月)

グループB、Cは全機種使用可。
グループA、Eは一部の機種で使用可。
グループDは使用不可。
B
  C
 No D ×
  E
 
(4)レンズ名に ”AF-S” か ”AF-I” がある? カメラ
グループ
  解説
 Yes (=モーター内蔵) A ・ モーター内蔵レンズ。
・ 全てFX、CPU内蔵超音波モーター(AF-S)またはコアレスモーター(AF-I)内蔵。
・ 例1)AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF) (02/06月)
・ 例2)Ai AF-I Nikkor ED 500mm F4D(IF) (94/11月)

全グループ機種使用可。
但しグループA、D、Eでは焦点距離1.5倍相当の画角となる。
B
  C
 No (=モーターなしのAF) D
  E
 
(5)レンズ名に ”AF” がある? カメラ
グループ
  解説
 Yes (=AFレンズ) A ・ モーターを内蔵していないAFレンズ。全てFX、CPU内蔵、AF(ボディ駆動)。
・ 例1)Ai AF Nikkor 50mm F1.4S (86/7月)
・ 例2)AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G (01/03月)

全グループ機種使用可。グループEはMF。
但しグループA、D、Eでは焦点距離1.5倍相当の画角となる。
またグループEはAFは使えず、MFとなる。
B
  C
 No (=MFレンズ) D
  E
 
(6)レンズ名のF値の後に ”D” か ”P” がある? カメラ
グループ
  解説
 Yes (=MF、CPU内蔵) A ・ CPU内蔵のMFレンズ。((5)でAFレンズは弾かれているはず)
・ 全てFX、CPU内蔵Aiタイプ、MF。”D"ならDタイプ、”P"ならAi-Pタイプ
・ 例1)Ai Nikkor ED 500mm F4P (88/3月)
・ 例2)PC Micro Nikkor 85mm F2.8D (99/9月)

全グループ機種MFで使用可。
但しグループA、D、Eでは焦点距離1.5倍相当の画角となる。
B
  C
 No (=MF、非CPU) D
  E
 
(7)レンズ名に ”Ai” がある? カメラ
グループ
  解説
 Yes (=非CPU、Aiタイプ) A 非CPUAiタイプのMFレンズ。全てFX、非CPUAiタイプ、MF。シリーズEレンズも含む。
・ 例1)Ai Nikkor 50mm f/1.4S (81/9月)

全機種MFで使用可。
但しグループAのD1シリーズでは、露出モードはA・M、中央部重点測光・スポット測光のみ可
グループAのD1シリーズ以外と、グループB、Cでは、露出モードはA・M、レンズ情報登録でマルチパターン測光も可。
グループD、Eでは、露出モードはMのみ。露出計使用不可。
グループA、D、Eでは焦点距離1.5倍相当の画角となる。
B
  C
 No (オールドニッコール) D
  E
 
(8)上のいずれでもないレンズ カメラ
グループ
  解説
 Yes A × ・ 非Aiのオールドニッコールレンズ。(カニ爪付き)
・ 全てFX、非CPU非Aiタイプ、MF。但し改造AiレンズやシリーズEレンズの場合は上の(7)のカテゴリーとなる。
・ 例1)Nikkor-H Auto 50mm F2 (64/1月)
・ 例2)Zoom 36-72mm F3.5 (81/10) (シリーズEレンズ = Ai-Sタイプ)

グループC(Df)とグループEに装着可能。グループC(Df)は事前登録で開放測光可能、露出モードはA・Mのみ。
グループEは正式には使用不可、自己責任で装着できたとしても露出計使用不可。
他のカメラグループには装着不可。
B ×
C
D ×
E




 
4.レンズ名に含まれる文字による組み合わせ可否判断方法(2) (表形式)


3.と同様、 レンズ名に含まれる文字で判断します。先に「レンズ名の見方」を見ておいて下さい。

尚、以下のF3AF用レンズはいずれのデジタル一眼レフでも使用できませんので対象外となります。
   ・ Ai AF Nikkor 80mm F2.8S (83/4月)
   ・ Ai AF Nikkor ED 200mm F3.5S(IF) (83/4月)


「レンズ名に含む文字」の「キー文字」とは、レンズ分類上で特にキーとなる文字列です。”DX”、”AF”、”Ai” はそれぞれレンズ名に含まれるかを判断して下さい。

  ・ ”DX” が含まれればDXフォーマットのレンズ、含まれていなければFXフォーマットレンズ
  ・ ”AF” が含まれればAF(オートフォーカス)レンズ、含まれていなければMF(マニュアルフォーカス)レンズ
  ・ ”Ai” が含まれればAiタイプのレンズ、含まれていなければAiレンズ

となります。

レンズ名からレンズタイプ、レンズ分類名区分記号CPU内蔵有無レンズ内モーター有無が決まり、各カメラグループでの使用可否が決定されます。

区分記号とは、「Fマウント体系図」の右端にある外部説明用の記号です。

例えば以下の表のNo.4(上から4行目)は、レンズ名に”AF-S”があり、”DX”はなく、”AF”はあってもなくてもよく、”Ai”がある場合、レンズタイプは「Dタイプ」、レンズ分類は「Ai AF-S」、区分記号は「M」、CPU搭載、モーター内蔵のレンズで、カメラグループA〜Eで使えますが、DXフォーマットであるグループA、D、Eでは焦点距離1.5倍相当の画角になります。


以下、上から順に、判定していきます(順に絞り込んでいくので途中からでは意味がありません)。


No. レンズ名に含む文字 レンズ
タイプ
レンズ
分類
区分記号 CPU レンズ内
モーター
カメラグループ 解説・注意点
キー文字 DX AF Ai A B C D E
1 AF-S - - G AF-S G(DX) Q Gタイプの超音波モーター内蔵DXレンズ。○はクロップ。
例)AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G(IF) (03/06月)
2 AF-S × - - G AF-S G P Gタイプの超音波モーター内蔵FXレンズ。○は1.5倍。
例)AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G(IF) (02/06月)
3 AF-S × - - E AF-S E R × Eタイプ。▲は一部使用不可あり。電磁絞り+ AF-S搭載。
例)AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR
4 AF-S × - D Ai AF-S M Dタイプの超音波モーター内蔵FXレンズ。○は1.5倍。
例)Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED
5 AF-I - - D AI AF-I L Dタイプのコアレスモーター内蔵FXレンズ。○は1.5倍。
例)Ai AF-I Nikkor ED 300mm F2.8D(IF) (92/9月)
6 PC-E - - - D PC-E I × × PC-Eタイプ(アオリ、レボルビング)。全てMF。▲:一部機種不可。
例)PC-E NIKKOR 24mm F3.5D (08/2月)
7 PC(※1) - - - D PC H × (※1)F値の後に”D”あれば、CPU内蔵DタイプPCレンズ。全機種MF。○は1.5倍。
例)PC Micro Nikkor 85mm F2.8D (99/9月)
8 PC(※2) - - - - 旧レンズ A × × × × × (※2)F値の後に”D”なしなら、非CPU非Aiの旧PCレンズ。全機種MF。△は装着非推奨。
例)PC Nikkor 28mm F3.5(81/2)
9 P(※3) - - - Ai-P G × (※3)F値の後に”P”があり、”Ai”あれば、CPU搭載Ai-Pレンズ。全機種MF。○は1.5倍。
例)Ai Nikkor ED 500mm F4P 他全3本
10 - × × G AF G N × CPU内蔵GタイプのAF。○は1.5倍。▲はAF作動せず。
例)AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G (01/03月)
11 (※4) × D Ai AF D K × (※4)F値の後に”D”あれば、CPU内蔵DタイプのAiタイプAF。○は1.5倍。▲は1.5倍でAF作動せず。
例)Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED
12 (※5) × S Ai AF S J × (※5)F値の後に”S”あれば、CPU内蔵Ai-SタイプのAF。
○は1.5倍。▲は1.5倍でAF作動せず。
例)Ai AF Nikkor 50mm F1.4S(86/7)
13 - - G AF G (DX) O × Gタイプのモーター非内蔵DXレンズ。○はクロップ。▲はAF作動せず。
AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED (03/11月)のみ
14 - × × (S) Ai Nikkor
(Ai、Ai-S)
D、E × × 非CPUの純正Aiレンズ。全機種MF。○はクロップ。▲は露出計作動せず。”Ai”文字含まなくても改造AiシリーズEレンズ(Ai-S)の場合あり。
例)Ai Nikkor 50mm f/1.4S (81/9月)、
例)Ai Nikkor 50mm F1.4 (77/3月
15 - × × × 旧レンズ A、B × × × × × 最初期の非Aiカニ爪レンズ(オールドニッコール/従来レンズ)。改造AiかシリーズEレンズの場合は、上のNo.14のカテゴリーとなる。
△:装着非推奨、1.5倍で露出計作動せず。
例)Nikkor-H Auto 50mm F2 (64/1月)
※1)レンズ名に含む文字 ○:その文字が含まれること ×:その文字が含まれないこと -:どちらでもよい
※2)カメラグループ
    ●:全機能使用可 ○:一部使用上の注意あり ▲:一部使用不可機種・機能あり △:装着は非推奨、一部使用不可機種・機能あり ×:使用不可
※3)解説・注意点 クロップ:FXカメラでDXレンズ撮影時画像中央部を切り出し 1.5倍:レンズ焦点距離表記の1.5倍相当の画角 MF:マニュアルフォーカス
その他)非CPU:CPU非搭載(レンズに電子接点なし) 非Ai:Ai化されていないレンズ

例)上記の表から、例えば

「Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D IF-ED」

は、レンズ名にキー文字がなく、”DX” もなく、”AF” と ”Ai” があるので、No.11か12のカテゴリーに入りますが、解説・注意点で「F値の後に”D”」があるので、このレンズはNo.11のカテゴリー(CPU内蔵、DタイプのAiタイプAF)と決定されます。

No.11は、FXフォーマットでAF、レンズタイプは「Dタイプ」、レンズ分類は「Ai AF D」、区分記号は「K」、CPU搭載、モーター非内蔵のレンズで、カメラグループA〜Eで使えますが、DXフォーマットであるグループA、D、Eでは焦点距離1.5倍相当になります。且つグループEではAFが作動しません。(MFとなります)


 
5.手持ちのカメラで使えるレンズは何を買えばいい?


カメラ
グループ
使用できるレンズは?
(◎最適 ○推奨 ▲一部機種制限あり △制限あり ×使用不可)
A ◎ DXフォーマットのAF-SVR搭載レンズです。レンズ名に ”DX” と”VR” があればOKです。DXレンズは殆どがAF-Sタイプです。
△ ”AF-S”、”AF-I” を含め、レンズ名に ”AF” があるFXフォーマットのAFレンズでもいいですが、焦点距離が1.5倍相当となります。
DタイプGタイプAi-Pレンズ(MF)もCPU搭載しているので使用できますが、FXフォーマットでは焦点距離が1.5倍相当となります。
EタイプPC-Eタイプのレンズは、D1シリーズ、D2シリーズ、D200では使用できません。D3000はPC-Eで使えますがEタイプは使えません。
△上記以外で非CPUのAiレンズも使用可能です。(レンズ情報手動設定要)
× 最初期の非Aiカニ爪レンズ(オールドニッコール/従来レンズ)は装着できません。ブタ鼻爪(Ai化済)の場合は使用可能です。(レンズ情報手動設定要)
B ◎ FXフォーマットのAF-SVR搭載レンズです。レンズ名に ”AF-S” があり、”DX" が含まれていなければOKです。
○ FXフォーマットのAFレンズです。”AF-S”、”AF-I” を含め、レンズ名に”AF”があればOKです。
DタイプGタイプAi-Pレンズ(MF)もCPU搭載しているので使用できます。
EタイプPC-Eタイプのレンズも使用できます。
△ DXレンズも使用できますが、クロップでの使用となります。
△ 上記以外で非CPUのAiレンズも使用可能です。(レンズ情報手動設定要)
× 最初期の非Aiカニ爪レンズ(オールドニッコール/従来レンズ)は装着できません。ブタ鼻爪(Ai化済)の場合は使用可能です。(レンズ情報手動設定要)
C ◎ FXフォーマットのAF-SVR搭載レンズです。レンズ名に ”AF-S” があり、”DX" が含まれていなければOKです。
○ FXフォーマットのAFレンズです。”AF-S”、”AF-I” を含め、レンズ名に”AF”があればOKです。
○ Dタイプ、Gタイプ、Ai-Pタイプ(MF)もCPU搭載しているので使用できます。
○ Eタイプ、PC-Eタイプのレンズも使用できます。
△ DXレンズも使用できますが、クロップでの使用となります。
△ 上記以外で非CPUのAiレンズも使用可能です。(レンズ情報手動設定要)
最初期の非Aiカニ爪レンズ(オールドニッコール/従来レンズ)も使用できます。(レンズ情報手動設定要)
D ◎ DXフォーマットのAF-SVR搭載レンズです。レンズ名に ”DX” と”VR” があればOKです。DXレンズは殆どがAF-Sタイプです。
△ ”AF-S”、”AF-I”を含め、レンズ名に”AF”があるAFレンズでもいいですが、焦点距離が1.5倍相当となります。
DタイプGタイプAi-Pレンズ(MF)もCPU搭載しているので使用できますが、焦点距離が1.5倍相当となります。
× EタイプPC-Eタイプのレンズは使えません。
△ 上記以外で非CPUのAiレンズも装着可能ですが露出計は作動しません。(メーカー非推奨)
× 最初期の非Aiカニ爪レンズ(オールドニッコール/従来レンズ)は装着できません。ブタ鼻爪(Ai化済)の場合は使用可能です。(露出計非作動)
E ◎DXフォーマットのモーター内蔵VR搭載レンズです。レンズ名に ”DX” と”VR” があればOKです。DXレンズは殆どがAF-Sタイプです。
△ ”AF-S”、”AF-I”以外でも、レンズ名に”AF”があるAFレンズでもいいですが、AFが作動せず、焦点距離も1.5倍相当となります。
DタイプGタイプAi-Pレンズ(MF)もCPU搭載しているので使用できますが、AFが作動せず、焦点距離も1.5倍相当となります。
EタイプPC-Eタイプのレンズは、D3000シリーズ、D5000シリーズで使用できますが、AF-Sレンズ以外はAFが作動しません。焦点距離も1.5倍相当となります。
△ 上記以外で非CPUのAiレンズも装着可能ですが露出計は作動しません。
最初期の非Aiカニ爪レンズ(オールドニッコール/従来レンズ)も装着可能ですが露出計は作動しません(メーカー非推奨)。ブタ鼻爪(Ai化済)の場合は使用可能です(露出計は作動しません)。
※A・M:露出モード。Aは絞り優先オート、Mはマニュアル


 
6.カニの爪付きのオールドニッコールレンズを使いたい

カニの爪には2種類あり、ブタ鼻爪はAi化されています。

カニの爪 ブタ鼻爪


・ 通常のカニの爪タイプのレンズ
カメラグループC(Nikon Df)は装着でき、露出計も作動します(レンズ情報手動設定要)。カメラグループEは装着可能ですが露出計は作動しません(但し、装着非推奨)。

・ Ai化されたブタ鼻爪付きのレンズ
カメラグループA、B、Cは装着でき、露出計も作動します(レンズ情報手動設定要)。カメラグループD、Eは装着可能ですが露出計は作動しません。



 
7.カメラ使用説明書の「使用できるレンズ」の見方


以下に使用説明書の一例として、D5500の「活用ガイド(使用説明書)」にある「使用できるレンズ」の記述について説明します。

D5500 「使用できるレンズ」

AF-Iレンズ:コアレスモーターを内蔵したレンズ
AF-Sレンズ:超音波モーター内蔵レンズ
Gタイプレンズ:レンズ本体に絞り環を持たないレンズ。
Dタイプレンズ:撮影距離情報をカメラに伝達する機能を持つレンズ。
PC-E NIKKORシリーズ:アオリ機構、レボルビング機構を備えたレンズで、電磁絞り方式CPU搭載Dタイプ、全てMFレンズ。
PCマイクロ85mm F2.8D:アオリ機構、レボルビング機構を備えたマクロ撮影可能な中望遠のマイクロレンズ。CPU搭載Dタイプ、非AiのMFレンズ。
AF-S/AF-Iテレコンバーター:AF-S/AF-I専用のテレコンバーター
Gタイプ、Eタイプ、Dタイプ以外のAFレンズ(F3AF用を除く):
昭和61(1986)年4月発売のAF機「Nikon F-501」と同時期から、91年のDタイプレンズ発表までに発売された比較的初期のAFレンズ群。
例)Ai AF Nikkor 50mm F1.4S (86/7月)
AI-Pニッコール:CPU搭載のMFレンズ(Aiタイプ)であり、発売されたのは3本のみ。
非CPUレンズ:CPUを搭載していないレンズ群。カメラに装着出来なかったり露出計が動かないなど、多くの制限がある。
ただ、この「非CPUレンズ」とあるのは正確な表現ではなく、カニ爪付きのニッコールレンズも「非CPUレンズ(且つ非Ai)」であるが、「Nikon Df」を除くデジタル一眼レフカメラでは使えない。正確には「非CPUのAiレンズ」、つまり最低限、Aiタイプでなければならない。。
実際、この使用説明書の次のページに、「使用できない非CPUレンズ」として、「Ai改造をしていないレンズ(Ai方式以前の連動爪を使用するタイプ)」とある。
Ai-S、Ai、シリーズEレンズ、Ai改造レンズ
・ Ai、Ai-Sは、レンズ絞りリングに露出計連動ガイドを取り付けたレンズ群。非CPUであってもAi化されていればカメラへの装着は可能であるが、カメラ機種によっては露出計が作動しない。Aiに対応したカメラ(露出計連動レバーを持つ機種)でのみ露出計が作動する。

・ Ai改造レンズとは、カニ爪の付いた初期のレンズの絞りリングをAi用の露出計連動ガイド付きに交換したもの。

・ シリーズEレンズは、昭和54(1979)年の「Nikon EM」に合わせて発売された普及型のレンズシリーズで、Aiタイプでもある。
メディカル120mmf/4:レンズ鏡胴先端にリング型スピードライトを取り付けた医療関係での使用を想定した特殊レンズ。
レフレックスレンズ:反射式の光学系を採用した望遠レンズ群。通常の屈折式望遠レンズに比べ大幅なコンパクト化が可能。
PCニッコール:アオリ機構、レボルビング機構を備えたPC(パースペクティブコントロール)レンズ。PC Micro Nikkor 85mm F2.8D(99/9月)など。
Ai-S、Aiテレコンバーター:Ai(Ai-S)用テレコンバーター。TC-300、TC-14ASなど。
ベローズアタッチメントPB-6:蛇腹状の接写用装置。PB-6はボディとの接続部に「縦横切り替え機能」がある。
オート接写リング:Aiタイプのレンズ用接写リング。PK-13など。


尚、D5500のカタログやメーカーサイト内D5500の「主な仕様」の中では、以下の様に簡略化されて記述されています。

交換レンズ
・オートフォーカス可能レンズ:AF-SおよびAF-Iレンズ
・オートフォーカス不可レンズ:AF-SおよびAF-I以外のGまたはDタイプレンズ、GまたはDタイプ以外のAFレンズ(IX用レンズ、F3AF用レンズは使用不可)、Pタイプレンズ非CPUレンズ(撮影モードM(マニュアル)で使用可能、ただしカメラで測光は不可)
※開放F値がf/5.6以上明るいレンズでフォーカスエイド可能

ここまで読み進んできた人には、簡単に理解できる。。。。。。。かも?
いずれにしても、1回読んだだけでは分かり辛いですが、何度も読み返してみればその内「アッ!!ナルホド!!」と分かる時がきっときます。。と思います。。




 


●終わりに




当サイトは元々は備忘録から始まっています。叔父が持っていた「Nikon F」を初めて触らせてもらった時の感激、精密機械の美しさと大口径レンズの輝きに魅せられた日々からン十年に渡るカメラの趣味を継続する中で、写真撮影そのものよりもメカ機構と電気的制御機構、つまり、手に乗る「メカトロニクス」製品であるカメラそのものに興味を惹かれていました。

例えば、昭和58(1983)年9月発売のFAはニコン初のシャッター速度優先AE、絞り優先AE、プログラムAEを機械式連動で実現、しかもプログラムAEは装着レンズによって「標準」「高速」の自動切換えなど、ここまでやるか!というくらい、機械的なメカニズムで実現しています。

カニ爪連動、ガチャガチャから、EEコントロールユニットによる力任せのEE機構、Ai、Ai-S、開放F値連動レバー、レンズタイプ識別ピン、レンズ焦点距離識別レバーなど様々なパーツを組み合わせたメカ連動機構を経て、現在のCPU搭載による電子制御までの系統的な歴史を網羅したサイトは、当時は残念ながら見当たりませんでした。

そこで、2005年頃からネットと書籍・雑誌からの情報収集と共に、当サイトを作成し始めたのですが、まぁ切りがない程の入力と編集・追加を繰り返し、結果としてこれだけ多ページに渡る予想外の大きなサイトになってしまっています。

内径がたった44mmしかない穴を通して、互換性を維持しながらレンズとボディ間のメカ/電子連動を実現するには大変な困難があったであろうことは想像に難くないのですが、例えば1977年発売のAiからたった3年後のAi-S(Aiの改良版)への移行や、Ai化時に追加された開放F値連動ガイドは数機種のカメラでしか使われなかったことなど、1986年のCPU連動方式発売までの9年間は相当の混乱(?)があったように思われますし、モーター内蔵AFレンズを採用したF3AFの後のボディ内モーター駆動AFへの移行/AF-Sへの回帰など、技術的な予測の甘さも所々見受けられ、これはこれで面白いものです。

本来ならば、この手のものは全情報を持つメーカーが作成してくれれば、とは思うのですが、どうでしょうか。。

最後まで残っていたメカパーツの絞り連動レバーもEタイプでは削除され、ようやく完全電子マウントに近づきつつあるFマウント。。。
近い将来、Eタイプ専用(完全電子制御化)ボディが発売されるはずですが、過去のレンズ資産(遺産?)を持つ多くのユーザーの為にも、ボディ内AF(AFカップリングや)や露出計連動レバー(Aiレバー)対応ボディは今後とも残してほしいですね。


説明文章や画像の稚拙さはお許し下さい。ついでに内容の間違いも・・・・・(^^);


  By キンタロウ






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