ニコンレンズテクノロジー用語解説 (By キンタロウ)



    SC CC M/A D DC マイクロレンズ
NC IF A-M G PC レフレックスレンズ
ED RF RD DX Ai 魚眼レンズ
AS SWM AF-S AF-I VR
Ai-S
Ai-P カニの爪 DXフォーマット クロップ Fマウント画像



SC コーティング技術 【 SC:Nikon Super Integrated Coating 】
従来の多層膜コーティングに改良を加え、広い波長域で高い透過率を実現。フレアやゴーストを軽減し、高コントラスト、豊かな階調表現が可能。またカラーバランス、色再現性にも優れている。
NC ナノクリスタルコート 【 NC:Nano Crystal Coat 】
ナノサイズ の極めて微細な結晶粒子をコーティングした、超低屈折率層を持つコーティング。広い波長域で従来の反射防止コーティングの限界を超えた極めて高い反射防止効果が実現でき、さらにレンズ斜めから入射する光に起因するゴースト、フレアに対してもこれまでにない優れた効果を発揮。超望遠レンズ AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8G (IF) に採用。
ED EDレンズ (ED: Extra-low Dispersion)
特殊低分散ガラスを使用したレンズで、低屈折率・低分散で、色収差の補正や焦点ズレによる色のにじみを抑える。
AS 非球面レンズ (AS: Aspherical Lens)
面が球面でも平面でもない曲面を持ち、球面収差や歪曲収差を補正する。
CC 近距離補正方式 (CC: Close-Range Correction System)
レンズを複数の群に分割し、それぞれ異なる動きをさせてピントを合わせる方式。近距離側での像面湾曲を抑え、像面が平坦になるように、複数のレンズ群を独立して移動させるようにした。
IF IF方式 【 IF:Internal Focusing 】
レンズ系を前・中間・後群に分割し、中間のレンズ群のみを移動させてピントを合わせる方式。フォーカシングによる収差変動を減少させ、保持バランスに変化がなく、AF合焦スピードの高速化にも貢献。
RF RF方式 【 RF:Rear Focusing 】
レンズ系を複数の群に分割し、後群のみを移動させてピントを合わせる方式。AF 撮影での迅速なピント合わせや操作性の向上に貢献。特に前玉径の大きな大口径 AF レンズの一部に採用。
SWM 超音波モーター 【 SWM:Silent Wave Motor 】
AF駆動用の SWM (超音波モーター) は進行波を回転エネルギーに変え、フォーカス光学系を駆動させる。高速で、静粛性に優れたオートフォーカス撮影が可能。

M/A M/Aモード オートフォーカス中でもピントリングを回せば、タイムラグ無しでマニュアルによるピント合わせができるモードで、AF-S レンズに装備されている。ファインダーをのぞいたまま、瞬間的にピントの調節が可能。
A-M A-M切り替えリング このリング ( AF180mm F2.8D はレバー ) を装備した AF レンズは、レンズ鏡筒内に設けられたクラッチの働きによって AF 時には距離リングが回転せず、マニュアルフォーカス時にピントリングの回転に適度な負荷がかかりマニュアルレンズと同じような操作感を可能にする。
RD 円形絞り 【 RD:Rounded Diaphragm 】
特殊な羽根形状により、絞りが円形になるように設計したのが円形絞り。これにより美しいボケ味を得ることができる。
D Dタイプレンズ 【 D:Distance(距離) 】
距離信号を持つレンズの内、レンズ本体に絞り環を有するもの。レンズの距離リングに連動するエンコーダーを内蔵し、被写体までの距離情報をカメラボディ側へ伝達することにより、より的確な露出制御や調光制御を実現する。

   ・3D-RGB マルチパターン測光 II ( D2X ・ D2Hs ・ D50 ・ D200 ・ D2Xs ・ D50 ・ D40 ・ D40x)
   ・3D-RGB マルチパターン測光 ( D2H ・ D1 シリーズ・ D70 ・ D70s ・ F6 ・ F5 )
   ・3D-10 分割マルチパターン測光 ( D100 ・ F100 ・ F80 )
   ・3D-25 分割マルチパターン測光 ( U2 )
   ・3D-6 分割マルチパターン測光 ( U )

また、カメラ内蔵スピードライト及び別売りスピードライトとの組み合わせにより

   ・D-3D-マルチ BL 調光 ( D2 シリーズ・ D1 シリーズ・ D100 )
   ・3D-マルチ BL 調光 ( F6 ・ F5 ・ F100 ・ F80 シリーズなど )
   ・i-TTL-BL 調光 ( D2 シリーズ・ D70 ・ F6 )

の先進機能を可能にする。

G Gタイプレンズ レンズ本体に絞り環を持たず、ボディ側から絞り制御を行う新しいレンズシリーズ。
レンズ本体のコンパクト化が可能となり、さらに最小絞りにセットして撮影する必要がなく、操作性が向上。また、D タイプレンズと同様に、被写体までの距離情報をカメラ側に伝達する機能も持ち、より的確な露出制御や調光制御を実現。

G:「Genesis」( 創生・起原・発生 ) の頭文字。
DX デジタル専用レンズ 35mm 判レンズよりもイメージサークルを小さくし、光学性能をニコンデジタル一眼レフカメラ ( D2 シリーズ・ D1 シリーズ・ D100 ・ D70 ) に最適化したレンズ。同じ焦点距離の 35mm 判レンズよりも軽量かつコンパクトにすることで操作性が向上。フィルム一眼レフカメラに装着はできるが撮影は不可。
AF-S 超音波モーター内蔵レンズ AF駆動用の SWM (超音波モーター) を内蔵。被写体の激しい動きにも追従する合焦スピードと、ボディ駆動の AF レンズにはない静粛性を合わせ持ち、これらが要求されるスポーツや野生動物の撮影シーンに威力を発揮。

【 AF 撮影可能機種 】
 F4 ・ F5 ・ F6
 プロネア600i ・ プロネアS
 F70D ・ F80シリーズ ・ F90シリーズ ・ F90Xシリーズ ・ U ・ U2
 D1シリーズ ・ D2シリーズ ・ D100 ・ D70 ・ D70s ・ D50 ・ D200 ・ D80 ・ D40 ・ D40x
AF-I コアレスモータ内蔵レンズ AF駆動用のコアレスモータをレンズ内に内蔵。Dタイプ。
VR 手ブレ補正内蔵レンズ 【 VR : Vibration Reduction 】
VR(手ブレ補正) 機能は、レンズ内の 2 種類のセンサーがカメラのブレ ( ピッチングとヨーイング ) を検出。光学系の一部がブレをなくす方向に駆動して、撮影者によって異なる手ブレ限界シャッタースピードから 3 段階相当の手ブレ軽減効果を発揮。また、流し撮りの際はセンサーがこれを自動的に検知し、モードの切り換えなしに左右方向のカメラの動きに対しては縦のブレのみを、上下方向のカメラの動きに対しては横のブレのみを軽減。アクティブモードを備えている VR レンズでは、乗り物などに乗っているときなどの揺れの激しい条件での手ブレ補正も可能。

【 VR 機能使用可能機種 】
 F5 ・ F6 ・ F100 ・ F80 シリーズ ・ U ・ U2
 D1 シリーズ ・ D2 シリーズ ・ D100 ・ D70 ・ D70s ・ D50 ・ D200 ・ D80 ・ D40 ・ D40x

DC ボケ像コントロールレンズ 【 DC : Defocus-image Control 】
DC リングの操作で、レンズの一部を前後に動かすことにより、被写体の前後のボケ像の形状をコントロールできるレンズ。ボケ味を背景か前景のどちらかを優先して選択できる。また、DC リングの目盛りを絞り値より大きな数値にセットするとソフトフォーカス的な効果を得ることも可能。
PC パースペクティブコントロールレンズ 【 PC : Perspective Control 】
レンズ系をフィルム面と平行に移動 ( シフト ) することによって遠近感を変化させ、像の歪みを補正・強調できるレンズ。 PC マイクロニッコール 85mm F2.8D はこの機能に加え、レンズ系を傾けること ( ティルト ) によってピントの合う範囲をコントロールする機能を持っている。
Ai Ai方式レンズ 【 Ai : Automatic Maximum Aperture Indexing 】
絞りリングの縁に露出計連動ガイドが付いている開放F値自動補正方式レンズ。昭和52(1977)年に商品化され、同年「Nikon FM」がこの方式の新機種として発売された。

Ai方式以前は連動爪(通称カニの爪)によって絞込み情報をボディに伝えていた。
Ai-S Ai-S方式レンズ Aiレンズではボディ側絞り値の変化に対して、レンズ側絞り連動レバーがリニアに比例していなかった(小絞り側ではレバーの動きが非常に小さい)のを変更し、レンズ側絞り連動レバーの動きを、絞りの段数にほぼ比例するようにした。
さらに、AI方式レンズに加えて、レンズの開放F値、焦点距離に関する情報、Sタイプレンズの識別情報などが付加された。
Ai-P   CPU内蔵MFレンズ。(Sタイプレンズ。距離エンコーダなし)
マイクロレンズ   レンズ単体で無限遠から 1/2 倍または等倍までの撮影が可能なレンズ。
マイクロニッコールレンズは独自の近距離補正方式等の採用で、撮影距離が無限遠から至近距離まで光学性能を保ちながら、レンズ単体で無限遠から 1/2 倍または等倍までの撮影が可能。全撮影距離でシャープな描写力をもち、接写、複写をはじめ、スナップや一般撮影にも適す。
レフレックスレンズ   反射鏡と屈折レンズを組み合わせ、それぞれの利点を活かしたカタジオプトリックと呼ばれる光学系を採用し、全長が短く色収差の非常に少ない超望遠レンズを実現。光量調節はレンズ後部に ND フィルターを装着。入射光束は中抜けとなり、ボケ像が点はリング状に、線は 2 本に分離。そのボケを活かした独特な表現も可能。
魚眼レンズ   180 °の画角をフィルムに撮影できるレンズ。特に Ai AF フィッシュアイニッコール 16mm F2.8D は世界で初めて魚眼レンズに近距離補正方式を採用し、近距離撮影でも優れた性能を発揮。
カニの爪   Ai方式以前は連動爪(通称カニの爪)によって絞込み情報をボディに伝えていた。
レンズの開放F値設定には以下の2方式がある。

・手動設定方式
  レンズを装着した後、開放F値設定ダイヤルにより開放F値を 設定する方式
・半自動設定方式
  レンズを装着した後、絞り環を最小絞りから開放まで一往復 させることにより、開放F値を設定する方式(通称ガチャガチャ)
DXフォーマット   ニコンデジタル一眼レフのAPS-Cサイズフォーマット。DXニッコールレンズはこのフォーマット専用である。

・画像サイズ: 23.7×15.7mm。 対角線長28.42mm、36mm対角線(43.27mm)比1.5倍。
クロップ   D2Xに搭載された機能。12.4メガピクセル撮像素子の中央部6.8メガピクセルを切り出せる。

<D2X仕様から>

 ・DXフォーマット記録画素数: [L] 4,288x2,848メガピクセル
 ・クロップ高速時: [L] 3,216x2,136メガピクセル

<クロップ画像>

 ・画像サイズ: 約17.8×11.8mm ( 3,216 / 4,288 * 23.7 = 17.775mm、 2,136 / 2,848 * 15.7 = 11.775mm )
 ・面積比:  (3,216*2,136)/(4,288*2,848)=0.56
 ・対角線長: 21.3mm  ( = ルート( (17.775^2) + (11.775^2) ) )
 ・36mm対角線(43.27mm)比: 2倍 ( = 43.27/21.3 )
Fマウント画像  
F4マウント   Fマウント画像


参考:  ニコンFマウント解説 ( Fマウントの詳細、露出計連動方式・Fマウントレンズ体系図についての解説 ) 





タムロンレンズテクノロジー用語解説



    SP LD ZL
XR ASL
Di AD
Di II IF

SP   【 SP:Super Performance 】
高い設計仕様に基づいた高性能なレンズ群。レンズ設計の条件として、スペックと画質を第一に優先。コストに縛られない、贅沢で革新的な設計思想。
XR   小型化へのキーテクノロジー。
光学系の全長を可能な限り短くすることで、同じ焦点距離、同じ開放F値でレンズ径を大幅に小さくし、レンズ全体を小型化する。
Di Diレンズ 【 Di:Digitally Integrated Design 】
デジタル一眼レフカメラの特性に配慮した光学設計のレンズ。
Di II デジタル専用レンズ 【 Di:Digitally Integrated Design 】
デジタル一眼レフカメラ(APS-Cサイズ相当)専用レンズで、デジタルカメラの特性に配慮した光学設計を採用。(NikonのDXと同)
LD LDレンズ 【 LD:Low Dispersion 】
色収差の原因となる分散性が非常に低い、低屈折率のガラス素材を使用したレンズ。
ASL 複合非球面レンズ 複合非球面のテクノロジー。
複合非球面レンズを採用して球面収差や歪曲収差などの諸収差を効果的に除去・補正し、高画質化を実現。
AD ADレンズ 【 AD:Anomalous Dispersion Glass(異常分散ガラス)】
光学ガラスのなかで、可視光の中のある波長域の部分分散比(ある特定の分散性を持つ領域の割合)が異常に大きいガラス素材を使用したレンズで、他の光学レンズとの組み合わせで特定波長域の分散性を適切にコントロールすることにより、望遠側で問題となる軸上色収差や広角側で問題になる倍率色収差の低減に役立つ。
IF IF方式 【 IF:Internal Focusing 】
周辺減光やフォーカシングに伴う画質劣化の抑制に効果的。また、最短撮影距離の短縮により、マクロ域にまで達する最大撮影倍率の達成や、前側鏡筒が回転しないことによる花形フードの採用、PLフィルターの使いやすさにも貢献。
ZL ズームロック機構 【 ZL:Zoom Lock 】
鏡筒がもっとも短くなるワイド側でズームリングを固定し、携帯時のズーム自重落下を防ぐ。





シグマレンズテクノロジー用語解説



    EX ASP OS IF
DG APO HSM DF
DC RF CONV.

EX EXレンズ 妥協のない設計思想を高い光学性能と操作性に結実させたハイレベルなレンズ。
DG DGレンズ デジタル一眼レフカメラの特性に最適化設計されたレンズ。35mm判一眼レフでも高い描写性能を発揮する。
DC DCレンズ イメージサークルをデジタル一眼レフの撮像素子の大きさ(APS-Cサイズ相当)に合わせて設計した専用レンズ。
ASP アスフェリカルレンズ 非球面レンズ。
APO APOレンズ 特殊低分散ガラスを採用し、色収差を極限まで補正。
OS   【 OS:Optical Stabilizer 】
手ブレ補正機構を搭載。
HSM EXレンズ ハイパーソニックモーター
超音波駆動のモーターを搭載。
RF   リアフォーカス
後部レンズ群を移動させてフォーカシングする方式。フォーカススピードが速く音も小さくなる。
IF   インナーフォーカス
レンズ内部のレンズ群を移動させてフォーカシングする方式。フォーカシングしてもレンズの全長が変わらない。
DF   デュアルフォーカス
フォーカスリングをAF側にスライドすることで、レンズ内部のフォーカス機構と外側のフォーカスリングの連動が切り離されるシステム。 AF時にフォーカスリングが回転せず、ホールディング性は良好。
CONV テレコンバーター対応レンズ APOテレコンバーターEXの装着が可能。AE(自動露出)機能も連動する。





トキナーレンズテクノロジー用語解説



    AT-X FK03 フローティングシステム
ATX PRO FK5 フォーカスクラッチ
P-MOレンズ フォーカスリングフリー機構

AT-X AT-Xシリーズ 高仕様・軽量・コンパクト・高性能、最先端の設計技術と最新の加工技術を駆使して製品化した新時代のレンズ群。
フォーカスクラッチ及びフォーカスリングフリー機構を搭載し、ズームレンズに於いては、F値変動のないコンスタントFナンバーを採用。
ATX PRO ATX PROシリーズ 過酷な状況下での使用に耐える性能」を基本コンセプトとして開発されたレンズ群
P-MOレンズ 非球面レンズ 第一レンズのガラス面とモールド非球面部を分離配置する、新発想の非球面レンズ
FK03 超低分散ガラス 蛍石に限りなく近い、SD(超低分散)ガラス
FK5 低分散ガラス LD(低分散)ガラス
フローティングシステム   レンズ全体を繰り出しながらレンズ後群が、カムにより追尾補正を行うシステム。
最短撮影距離においても最高の描写性能を実現。マクロレンズや超広角レンズに最適なシステム。
フォーカスクラッチ   フォーカスリングをスライドさせることでAFとMFの切り替えが可能。
フォーカスリングフリー機構   AF時にはフォーカスリングがフリーになり、バランスの良いホールディングが可能。
MF時には、フォーカスリングを手前に引くことで、適度なトルク感のあるマニュアルフォーカスが可能になる。
(ニコン用はボディ側のAF/MFスイッチを切り換え要)