デジカメ画像等倍表示とは (By キンタロウ)


最終更新日 23/07/15


撮影したデジタル画像をモニター表示する場合、画質・レンズ性能やピントのチェック、レタッチなどの為に元画像をピクセル等倍や数100%の拡大表示を行なうことがあります。

しかしモニター解像度を超える画像をピクセル等倍で表示した場合は、大部分が画面からはみ出してしまい元画像のほんの一部しか表示できませんし、画素数が多くなればなるほど画像の一部を拡大して見ることになります。


例えば D70画像(610万画素)とD200画像(1020万画素)を17型SXGA(1280×1024)モニターでピクセル等倍表示した場合、以下のように見えます。

D70画像(610万画素)を17型SXGAモニターで等倍表示 D200画像(1020万画素)を17型SXGAモニターで等倍表示



17型モニター(中央部の枠)の大きさは、約34×27cm、
画像全体の大きさは80×53cm( = A4用紙の7.1倍 )、
画像全体の22%(面積比)の範囲がモニターに表示される
17型モニター(中央部の枠)の大きさは、約34×27cm、
画像全体の大きさは102×69cm( = A4用紙の12.5倍 )、
画像全体の13%(面積比)の範囲がモニターに表示される
( 中央部の枠は17インチモニターで見える範囲を示しています )



このようにカメラの画素数と使用モニターによって、画像拡大時の全体の大きさ(表示寸法)や、その内のどの位の割合が「見える」のかが変化します。


そこでピクセル等倍表示時の画像全体の大きさと、モニターに表示される範囲の比率などを調べ、等倍表示イメージを作成してみました。





● メニュー

1.等倍表示とは

2.等倍表示ってどれ位の大きさで表示されるのか

   ●解像度とdpi/ppiについて

   ●アスペクト比固定・拡大表示について

   ●dpi値について

  ●画像の実表示寸法とモニターで見える範囲の面積比

  ●画像の実表示寸法とA4用紙印刷時の面積比

3.等倍表示イメージ例

4.各種解像度画像とモニター上の等倍表示イメージ

  4.1 等倍表示イメージ例

  4.2 等倍表示イメージ計算 By Javascript

5.各種モニター仕様

6.用紙サイズと必要画素数

  図1:A4用紙にアスペクト比3:2の画像を印刷した場合

  図2:デジタルカメラ画像の主なアスペクト比

  表1:デジタルカメラやSNSなどで使われる主なアスペクト比

  図3:アスペクト比の異なる画像と用紙を組み合わせると。。

  表2:用紙サイズと必要画素数


 

1.等倍表示とは

ご存知の通りデジタル画像1ピクセルとモニターの1ピクセルを1:1で表示することです。





例えば、「 640×480ピクセル(VGA) 」 の画像をいくつかのモニターで表示してみます。


(1) 画像のピクセル数と同じ 「 VGA(640×480)モニター 」 で等倍表示すると、モニター画面一杯に表示されます。

    (実際はビューアなどのタイトルバーやツールバー、スクロールバー等の分だけはみ出ますが。。)

 画面A:15型VGA(640×480)モニター   画面B:17型VGA(640×480)モニター 


見ての通り表示解像度が同じモニターであっても、15型と17型では画像の大きさが変わります。これはモニターによって1画素(ドット)当たりの大きさが違うからです。

  15型VGA(640×480)モニターでは、横寸法30.41cmの中に640画素表示できますから、1画素の大きさ=304.1/640=0.475mm
  17型VGA(640×480)モニターでは、横寸法33.79cmの中に640画素表示できますから、1画素の大きさ=337.9/640=0.528mm

       ↓

  15型VGAモニターの1画素の大きさ(0.475mm) < 17型VGAモニターの1画素の大きさ(0.528mm)


(2) より高解像度の「 XGA(1024×768)モニター 」 で等倍表示すると、表示画像は小さくなります。これはモニター1画素(ドット)当たりの大きさが小さくなるからです。

  15型XGA(1024×768)モニターでは、横寸法30.41cmの中に1024画素表示できますから、1画素の大きさ=304.1/1024=0.297mm

       ↓

  15型VGA(640×480)モニターの1画素の大きさ(0.475mm) > 15型XGA(1024×768)モニターの1画素の大きさ(0.297mm)


 画面C:15型XGA(1024×768ピクセル)モニター 




下の例は、D70で撮影した3008×2000ピクセルの画像を15型と20.1型モニターで等倍表示した場合の見え方を示しています。

15型モニター(XGA、1024×768)で等倍表示 20.1型モニター(UXGA、2464×1632)で等倍表示
○青枠部はモニターで見える範囲です。(30.4×22.8cm)
○紅葉の画像の大きさ(画像実表示寸法)は90×60cmです。
○モニターで見える範囲は、元画像の13%(面積比)の部分です。
○青枠部はモニターで見える範囲です。(40.8×30.6cm)
○紅葉の画像の大きさ(画像実表示寸法)は77×51cmです。
○モニターで見える範囲は、元画像の32%(面積比)の部分です。

このように、単に「等倍表示」と言っても画像解像度やモニターのサイズ・解像度により見え方(画像:モニターの面積比)が変わります。

 

2.等倍表示ってどれ位の大きさで表示されるのか


●解像度とdpi/ppiについて

一口に解像度と言ってもモニターや画像の縦横ピクセル数を示すものと、dpiのように単位長さ当りのピクセル数(ピクセル密度)を示すものがあります。
絶対解像度 縦横ピクセル(画素)数を示すもの。画面解像度や画像解像度とも呼ばれ、例えば画像なら「6016×4016画素」と表現する。モニターでも「1280×1024」と表現する。(単位はないが、慣例的にはドット数)
相対解像度 dpi(dot per inch)やppi(pixel per inch)のような1インチ当たりのドット(点)やピクセル密度を示すもの。例えば「4800×1200dpi」と表現する。(プリンターの印刷解像度、スキャナーの光学解像度など)
印刷解像度 (=相対解像度)インクジェットプリンターなどで1インチ当たりのドット(点)数を示す「dot per inch」で表わされ、例えば「4800×1200dpi」と表現する。「ドット」は様々な色や階調を表現できる画素(ピクセル)ではなく、インクの色(CMYK+α)の内の1色そのものであり、複数の色インクを組み合わせて様々な色や階調を表現する。

 図1 画素(ピクセル)とdpi/ppi
●画素(ピクセル)
 撮像素子(CCDやCMOSセンサー)に入射した光は、画像処理エンジン(ニコンのEXPEEDやキヤノンのDIGICなど)により画素(ピクセル)に変換される。1つのピクセルは様々な色や階調を表現できる。
●画素ピッチ
 一つの画素の大きさ。
●dpi(dot per inch)
 1インチ(=25.4mm)あたりのドット(点)数で、モニターや印刷時のドット(点)の密度を示す。
●ppi(pixel per inch)
 1インチ(=25.4mm)あたりの画素(ピクセル)の密度を示す。
●モニターの画面解像度(絶対解像度)
  「1280×1024」のように、縦横の画素数で表現する。「SXGA」などの通称を付加して表記することが多い。単位はドットだったりピクセルだったり、ネット上でも様々。。なので1インチ当たりの密度も「 ppi = dpi 」でもある。
●プリンターの印刷解像度
  1インチ当たりのドット(点)数を示す「dpi」で表わされ、例えば「4800×1200dpi」と表現する。4800dpiとは1インチを4800等分して、各々に対して1滴のインクを吐出できる。(1インチ当たり計4800個)
インクジェットプリンターでは、ドットはインクの色(CMYK+α)の内の1色そのものであり、複数の色インクを組み合わせて様々な色や階調を表現する。つまり1つの画像ピクセルは複数のドットの組み合わせで印刷される。
●印刷時の画像解像度
  一般的に印刷に必要な画素数は、フルカラーで300〜350dpi(印刷時の画像解像度)が推奨されている。印刷する用紙サイズに必要な画素数はこちら

 


●dpi値について


前述の通り、表示解像度が同じモニターであっても15型と17型では表示される画像の大きさが変わりますが、実際の画像表示寸法を計算するには、dpi(ドットパーインチ=1インチ当たりの画素数)という解像度の単位を使います。

デジタル画像は単なるデータであり、可視化するにはモニター表示かプリンターで印刷する必要がある。

モニターでは表示画面の寸法と解像度から、1インチ当たりのドット数(dpi)が計算できる。

dpi = 表示画面の横解像度 / (画面横幅 / 2.54)

例えば、17型モニターで画面寸法33.79×27.03cm 、推奨解像度「1280×1024ピクセル」の場合、

 1280ドット / ( 33.79cm / 2.54 ) = 1280/13.3 = 96dpi

1インチに96ドット表示できるモニターで、デジタル画像の表示寸法は、

 モニター上の画像実表示寸法 = 画像ピクセル数 / dpi値 * 2.54

例えば、3008×2000ピクセル(610万画素)の画像を表示する場合、

 モニター上の画像実表示寸法(横) = 3008 / 96 * 2.54 ≒ 80cm
 モニター上の画像実表示寸法(縦) = 2000 / 96 * 2.54 ≒ 53cm



このdpi値はWindowsでは一般的に「96」の設定となっていますが、例えば17型モニターサイズ「33.79×27.03cm」から縦横ピクセル数を逆算してみると、

33.79cm / 2.54 * 96 = 1277.1ピクセル、  27.03cm / 2.54 * 96 = 1021.6ピクセル

となり、17型モニターの推奨解像度である「1280×1024ピクセル(絶対解像度)」に近い値となります。

また、必ずしも「96dpi」である必要はなく、実際には80 〜100dpi前後のモニターが発売されています。

   「各種モニター仕様」参照


Windowsの解像度が「96dpi」である理由は以下に詳しい。

   Windowsの解像度は96DPI?


 


●画像の実表示寸法とモニターで見える範囲の面積比


dpi値が決まれば画像の実表示寸法が計算できます。

モニター上の画像実表示寸法(横) = 画像横ピクセル数 / dpi値 * 2.54
モニター上の画像実表示寸法(縦) = 画像縦ピクセル数 / dpi値 * 2.54

例えば、3008×2000ピクセル(610万画素)の画像を17型SXGA(1280×1024ピクセル、96dpi)モニターで等倍表示した場合、画像の実寸法は

モニター上の画像実表示寸法(横) = 画像横ピクセル数(3008) / dpi値(96) * 2.54 = 79.6cm ≒ 80cm
モニター上の画像実表示寸法(縦) = 画像縦ピクセル数(2000) / dpi値(96) * 2.54 = 52.9cm ≒ 53cm

となります。つまり80×53cmの画像の一部をモニター枠(33.79×27.03cm)を通して見ていることになります。

画像全体の大きさとモニターの面積比は、

画像対モニター表示比率(横) = モニター横ピクセル数 / 画像横ピクセル数
画像対モニター表示比率(縦) = モニター縦ピクセル数 / 画像縦ピクセル数

画像対モニター表示比率(面積比) = モニター対元画像比率(横) * モニター対元画像比率(縦)

   ( 画像対モニター表示比率:: 画像の大きさとモニターに表示される範囲との比率 )

上の例では、

横:1280 / 3008 = 0.4255 ≒ 0.43、 縦:1024 / 2000 = 0.512 ≒ 0.51、 面積比:0.43 * 0.51 ≒ 0.22 (22%)

となり、画像全体の22%の範囲をモニターで見ていることになります。



同様に他のサイズのモニターでも画像実表示寸法とモニターで見える範囲の面積比を計算してみます。

表2: モニター上の画像実表示寸法
 
サイズ 推奨解像度 dpi値 モニター上の画像実表示寸法
3872×2592ピクセル 
(1020万画素)画像
5568×3712ピクセル 
(2082万画素)画像
8256×5504ピクセル 
(4575万画素)画像
15型 XGA(1024×768) 86(dpi) 116×77cm(8%) 166×111cm(4%) 247×164cm(2%)
 15.6型ワイド  HD(1366×768) 101(dpi) 98×66cm(11%) 141×94cm(5%) 210×140cm(2%)
17型 SXGA(1280×1024) 96(dpi) 102×69cm(13%) 147×98cm(6%) 218×146cm(3%)
19型 SXGA(1280×1024) 86(dpi) 114×77cm(13%) 164×110cm(6%) 244×163cm(3%)
19型ワイド WXGA+(1440×900) 87(dpi) 113×76cm(13%) 163×108cm(6%) 241×161cm(3%)
20.1型 UXGA(1600×1200) 100(dpi) 99×67cm(19%) 143×95cm(9%) 212×141cm(4%)
20.1型ワイド WSXGA+(1680×1050) 99(dpi) 100×67cm(18%) 144×96cm(8%) 214×143cm(4%)
21.3型 UXGA(1600x1200) 94(dpi) 105×70cm(19%) 150×100cm(9%) 223×149cm(4%)
23.8型ワイド フルHD(1920×1080) 93(dpi) 107×72cm(21%) 154×102cm(10%) 228×152cm(5%)
 24.1型ワイド  WUXGA(1920x1200) 94(dpi) 105×70cm(23%) 150×100cm(11%) 223×149cm(5%)
()内は画像実表示寸法とモニターで見える範囲の面積比


以上のことから、


  ○ 画像の実寸法は、画像ピクセル数とモニターのdpi値によってのみ決定され、モニターのサイズには関係ない。

  ○ 画像の実寸法は、画像画素数(ピクセル数)が多くなるほど大きくなる。

  ○ 画像の実寸法は、モニターのdpi値が大きくなるほど小さくなる。

  ○ サイズの違うモニターでもdpi値が同じなら画像の実表示寸法は同一であり、見える範囲が異なるだけである。

  ○ 単に「等倍表示」といっても、使用モニター(のdpi値)によって拡大率が違う。


ことが言えます。

 


●画像の実表示寸法とA4用紙印刷時の面積比


例えば3008×2000ピクセル(610万画素)の画像をA4用紙にプリントした場合、17型SXGAモニターとA4用紙の面積比はどうなるでしょうか。

画像のアスペクト比と相違する用紙にプリントする場合、長辺を合わせると短辺側に余白ができてしまいます。

図1: A4用紙にアスペクト比3:2の画像を印刷
●デジタル一眼レフのアスペクト比 = 1.5(3:2)

  D70やD200、EOSやペンタックスなど。(オリンパスのフォーサーズを除く)

●A4用紙(29.7×21.0cm)のアスペクト比 = 1.41(7:5)

(尚、四辺余白なし印刷をする場合は、元画像を若干拡大して印刷することにより余白を無くすことができますが、その代わりに画像の一部が印刷されません)


ここでは図1の様に長辺側をあわせて印刷した場合の画像の実表示寸法との面積比を計算します。

画像実表示寸法とプリント時の大きさ比率は、

用紙印刷時短辺寸法 = 用紙長辺寸法 / 画像アスペクト比

画像実表示寸法とプリント時の大きさ比率(%) = 用紙長辺寸法 / 画像の実表示寸法(長辺)× 用紙印刷時短辺寸法 / 画像の実表示寸法(短辺)

上記例では、

  A4用紙長辺寸法 = 29.7cm
  A4用紙印刷時短辺寸法 = 29.7cm / 1.5(画像アスペクト比) = 19.8cm

  A4長辺側と画像の実表示寸法(長辺)の比率 = 29.7cm / 80cm = 0.37
  A4短辺側と画像の実表示寸法(短辺)の比率 = 19.8cm / 53cm = 0.37
  面積比 = 0.37 × 0.37 = 0.14 = 14%

つまり、3008×2000ピクセル(610万画素)の画像をA4用紙(29.7×21.0cm)にプリントした場合、元画像の14%(面積比)に縮小されてプリントされます。言い換えればA4用紙の7.1(= 1/0.14)枚分の大きさの画像(の一部)を数10cm(モニターと目の間)の距離から見ている訳です。

またA4用紙印刷時のプリンタdpi値を計算すると、259dpiの解像度で印刷されます。

  ○アスペクト比を考慮した場合:

A4用紙印刷時のプリンタdpi値 = モニター上の画像実表示寸法(横)/ A4用紙長辺 * モニター解像度(dpi) = 80 / 29.7 * 96 = 259(dpi)

  ○解像度から単純計算した場合:

A4用紙印刷時のプリンタdpi値 = 画像解像度(横) / A4用紙長辺 * 2.54 = 3008 / 29.7 * 2.54 = 257(dpi)

プリントされる大きさは、画像のピクセル数と印刷時の画像解像度(dpi)で計算できます。

印刷される大きさ = 画像のピクセル数  / 印刷時の画像解像度(dpi) × 25.4mm

  例えば、2480×3507ピクセル(870万画素)の画像を、印刷時の画像解像度350dpiで印刷すると、

    横: 2480 / 350 * 2.54 = 17.9977 ≒ 18cm
    縦: 3507 / 350 * 2.54 = 25.4508 ≒ 25.5cm

  の大きさで印刷されます。


一般的に印刷に必要な画素数は、フルカラーで300〜350dpi(印刷時の画像解像度)が推奨されています。

印刷する用紙サイズに必要な画素数は、

画像ピクセル数(px) = 用紙サイズ(mm) × 印刷時の画像解像度(dpi) × 25.4mm


で計算できます。 例えば、A4用紙に350dpiで印刷するには、

    横: 210 × 350 ÷ 25.4 ≒ 2894
    縦: 297 × 350 ÷ 25.4 ≒ 4093

  2894 × 4093 = 11,845,142 ≒ 1185万画素が必要となります。(用紙サイズと必要画素数

 


●アスペクト比固定・拡大表示について


複数の解像度が選択できるモニターでは表示される画像の縦横比(アスペクト比)が変化する場合があります。
液晶モニターは縦横のピクセル数が固定されている為、推奨(本来の)解像度以外を設定した場合にモニター内部で拡縮処理が行なわれる機種も存在します。例えば推奨解像度が「1280×1024ピクセル(アスペクト比5:4)」のモニターに対し、パソコン側から「640×480ピクセル(アスペクト4:3)」に設定すると、次の3パターンの何れかで表示されます。


モニターA モニターB モニターC

   モニターA: 「640×480」の大きさに(ピクセル等倍で)縮小表示される。(アスペクト比は変わらない)
   モニターB: アスペクト比固定で拡大される。(上下に余白ができる)
   モニターC: アスペクト比を無視して画面一杯に拡大(ディザリング拡大)されて表示される。(アスペクト比が変わる)


モニターCでは縦横比の違いから画像が縦長になってしまっています(この画像は若干強調しています)ので画像を表示する場合は注意が必要です。

また、拡大・縮小を行なうと文字などの輪郭がギザギザ(ジャギー)になる為、一部メーカーでは「スムージング」という処理で輪郭部の補正処理を行なっていますが、この補正の過程において画面の鮮明度が若干低下するのは避けられません。よって、各モニターの推奨解像度を使うべきです。


<参考>  (株)ナナオ EIZOシリーズのアスペクト比固定モード
推奨解像度未満の解像度の表示を、ノーマル(1:1)、拡大(アスペクト比固定)、フルスクリーン(全画面表示)の3つのモードから選択可能。拡大モードでは縦横比を維持したまま表示できるので、画面イメージを変えることなくゲームなどをプレイできる。

上記例では、モニターAがノーマル(1:1)、モニターBが拡大(アスペクト比固定)、モニターCがフルスクリーン(全画面表示)に対応します。


 

3.等倍表示イメージ例

文章ではイメージが掴みづらいので、具体的表示例を挙げます。

等倍表示イメージの例として、以下はD750で出力される6016×4016ピクセル(2432万画素)の画像を、20.1型ワイドモニター(WSXGA+=1680×1050ピクセル、96dpi)で等倍表示した場合、画像全体の大きさ、モニターで見える範囲、印刷用紙の(相対的)大きさを示したものです。

D750画像(6016×4016ピクセル)を、20.1型ワイドモニター(WSXGA+=1680×1050ピクセル)で表示した場合
@
A
画像解像度: 6016×4016ピクセル [ 3:2 ] 
画像寸法:   156×104cm(20.1型ワイドモニター、98dpi時))


B
C
モニター表示範囲(青枠): 43.3×27cm
モニター対元画像比率::  X[ 28% ] Y[ 26% ] 面積比[ 7% ]
    D
L-WIDE用紙(13.3×8.9cm) [ 1149dpi ]
       (E面積比 [ 1% ]、F画面同寸法縮小率 [ 9% ]

 A4用紙 (29.7×21.0cm) [ 515dpi ]
     (面積比 [ 4% ]、画面同寸法縮小率 [ 19% ]

A3用紙 (42.0×29.7cm) [ 364dpi ]
  (面積比 [ 7% ]、画面同寸法縮小率 [ 27% ]
156×104cmの画像の中央部(青枠部)43.3×27cmの範囲がモニターに表示されます。
これは画像全体の7%(面積比)に相当します。
G
L-WIDE用紙と元画像面積比 = 1:100.3
A4用紙と元画像面積比 = 1:25
A3用紙と元画像面積比 = 1:14.3
  @画像解像度、[ アスペクト比 ]
  A画像寸法: モニター上の画像実表示寸法 (画像ピクセル数とモニターの解像度から算出)
  Bモニターに表示される範囲(青枠): 43.3×27cmの範囲(Aの画像寸法との相対的大きさ)
  Cモニター対画像比率:: 画像全体の内、モニターに表示される範囲の比率。 
         ( X[ ]は横方向比率、 Y[ ]は縦方向比率、 面積比[ ]は面積比 )
  Dプリント用紙名、その寸法、この用紙に印刷した場合のプリント解像度(dpi)
  E面積比: Aの画像実表示寸法と、この用紙との面積比
  F画面同寸法縮小率: 元画像をこの値まで縮小すれば、モニター上で用紙と同じ大きさに表示される
  G元画像をプリントした場合の、各用紙と画像の面積比

<上の表示例の内容説明 >

(1)20.1型ワイドモニターで、6016×4016ピクセル(2432万画素)の画像を等倍で見た場合

   ・ 画像全体の大きさは156×104cmで、その中の43.3×27cm(モニター寸法)の範囲(青枠)がモニターに表示されます。
   ・ 画像全体の大きさとモニター表示範囲(青枠)の比率は、横28%、縦26%、面積比7%となります。


(2)この画像をプリントする場合
・ L-WIDE用紙にプリントする場合: 画像は面積比1%に縮小されて印刷されることになります。(用紙と画像の大きさの比は1:100.3)
・ A4用紙にプリントする場合: 画像は面積比4%に縮小されて印刷されることになります。(用紙と画像の大きさの比は1:25)
・ A3用紙にプリントする場合: 画像は面積比7%に縮小されて印刷されることになります。(用紙と画像の大きさの比は1:14.3)


 
4.各種解像度画像とモニター上の等倍表示イメージ

 

 4.1 等倍表示イメージ例

以下は、いくつかのカメラの画像を15〜21.3型モニター上で等倍表示した場合の画像実表示寸法の一覧です。


表3: 各種解像度画像とモニター上の画像実表示寸法
     表示モニター(推奨解像度) / 画像実表示寸法
 画像ピクセル数
(万画素)
機種 15型
(1024×768)
19型
(1280×1024)
21.3型
(1600×1200)
3872×2592(1020) D80,D200,D3000 116×77cm 114×77cm 105×70cm
6016×4016(2432) D750 180×120cm 178×119cm 163×109cm
7360×4912(3630) D800/D810 220×147cm 217×145cm 199×133cm


等倍表示イメージ-1) 「D80,D40x,D200,D3000」画像(1020万画素、3872×2592ピクセル)を、各種モニターで表示した場合

15型モニター(XGA、1024×768ピクセル)で表示 19型モニター(SXGA、1280×1024ピクセル)で表示 21.3型モニター(UXGA、1600×1200ピクセル)で表示
モニターサイズ(青枠):  30.4×22.8cm
画像寸法:  116×77cm
モニターで見える範囲:  画像面積の8%
モニターサイズ(青枠):  37.63×30.11cm
画像寸法:  114×77cm
モニターで見える範囲:  画像面積の13%
モニターサイズ(青枠):  43.2×32.4cm
画像寸法:  105×70cm
モニターで見える範囲:  画像面積の19%


等倍表示イメージ-2) 「D750」画像(2432万画素、6016×4016ピクセル)を、各種モニターで表示した場合

15型モニター(XGA、1024×768ピクセル)で表示 19型モニター(SXGA、1280×1024ピクセル)で表示 21.3型モニター(UXGA、1600×1200ピクセル)で表示
モニターサイズ(青枠):  30.4×22.8cm
画像寸法:  180×120cm
モニターで見える範囲:  画像面積の3%
モニターサイズ(青枠):  37.63×30.11cm
画像寸法:  178×119cm
モニターで見える範囲:  画像面積の5%
モニターサイズ(青枠):  43.2×32.4cm
画像寸法:  163×109cm
モニターで見える範囲:  画像面積の8%


等倍表示イメージ-3) 「D800/D810」画像(3630万画素、7360×4912ピクセル)を、各種モニターで表示した場合

15型モニター(XGA、1024×768ピクセル)で表示 19型モニター(SXGA、1280×1024ピクセル)で表示 21.3型モニター(UXGA、1600×1200ピクセル)で表示
モニターサイズ(青枠):  30.4×22.8cm
画像寸法:  220×147cm
モニターで見える範囲:  画像面積の2%
モニターサイズ(青枠):  37.63×30.11cm
画像寸法:  217×145cm
モニターで見える範囲:  画像面積の4%
モニターサイズ(青枠):  43.2×32.4cm
画像寸法:  199×133cm
モニターで見える範囲:  画像面積の5%



 

 4.2 等倍表示イメージ計算 By Javascript

Javascriptが有効であれば、使用カメラとモニターを指定して等倍表示イメージを表示することができます。

以下のカメラとモニターが選択できます。







 

 

5.各種モニター仕様




他の表示解像度 アスペクト比
VGA 640×480 4:3(1.33)
SVGA 800×600 4:3(1.33)
XGA 1024×768 4:3(1.33)
SXGA 1280×1024 5:4(1.25)
SXGA+ 1400×1050 4:3(1.33)
UXGA 1600×1200 4:3(1.33)
WUXGA 1920×1200 (1.60)
SUXGA 2048×1536 4:3(1.33)


 

6.用紙サイズと必要画素数

デジタルカメラで撮影した画像をプリントする場合、アスペクト比(画像の縦横比)が一致する用紙でなければ、長辺または短辺側に余白ができたりトリミング状態でプリントされてしまうことがあるので注意が必要です。

図1:A4用紙にアスペクト比3:2の画像を印刷した場合
●デジタル一眼レフのアスペクト比 = 1.5(3:2)

  D70やD200、EOSやペンタックスなど。(オリンパスのフォーサーズを除く)

●A4用紙(29.7×21.0cm)のアスペクト比 = 1.41(7:5)



図2:デジタルカメラやスマホ画像の主なアスペクト比
アスペクト比 3:2 アスペクト比 4:3 アスペクト比 5:4 アスペクト比 1:1 アスペクト比 16:9
デジタル一眼、35mmフィルム
コンパクトデジタルカメラ、スマホ
Instagram
Youtube、フルHD、スマホ
スマホ、SNS、中判カメラ



表1:デジタルカメラやスマホ、SNSなどで使われる主なアスペクト比
アスペクト比 縦横比(長辺/短辺) 撮影機器/メディア 対応印画紙
3:2 1.49 デジタル一眼、フィルムカメラ L-WIDE、ハガキ(KG)、ワイド六切、四切(4PW、S4W、4W、4CW)、A3ノビ、全倍
4:3 1.33 コンパクトデジタルカメラ、マイクロフォーサーズ、iPhone、Android サービス(L) 、ハガキ(DSC-KG)、キャビネ(DSCW、2LD)、2L(DSC-2L)、八切
5:4 1.25 Instagram(4:5) 四切(4P、S4、4A、4C)、六切、半切、全紙、大全紙
1:1 1.00 中判カメラ、SNS(InstagramやFacebookなど)、iPhone、Android  
16:9 1.78 Youtubeなどの動画コンテンツ、フルHD、4K UHD、8K、iPhone、Android サービス(L-HV) 、ハガキ(KG-HV)
※一般的にスマホのカメラでは、4:3(標準)、16:9(ワイド)、1:1(スクエア)が選択できる。



図3:アスペクト比の異なる画像と用紙を組み合わせると。。
    例)アスペクト比3:2(デジタル一眼など)の画像を、サービス版(DSC-L版など。アスペクト比4:3)に印刷した場合
(1)画像を用紙の横一杯に印刷した場合 (2)画像を用紙の縦一杯に印刷した場合
トリミングはされないが、用紙下部に余白ができる 画像の左右(白の半透明部)がはみ出て印刷されない(余白が出ないようにトリミングされる)
(3)画像を自動縮小し、フチありとして印刷した場合
プリントに使用するソフト(フォト、ペイントなど)によって、自動縮小する
  お勧め!

・ フチなし印刷: デジタル一眼などのアスペクト比3:2の画像をプリントする場合は、アスペクト比が一致する、L-WIDE、ハガキ(KG)、ワイド六切、四切(4PW、S4W、4W、4CW)などを使用する。
・ フチあり(ノートリミング)印刷: プリントするソフト(フォト、ペイントなど)によって、自動またはマニュアルで縮小する。



一般的に印刷に必要な画素数は、フルカラーで300〜350dpi(印刷時の画像解像度)が推奨されています。

印刷する用紙サイズに必要な画素数は、

  用紙サイズ[mm] × 印刷解像度[dpi] ÷ 25.4 = 画像のピクセル数[px]

で計算できます。

例えば、A4用紙に350dpiで印刷するには、

  210 × 350 ÷ 25.4 ≒ 2894
  297 × 350 ÷ 25.4 ≒ 4093

  2894 × 4093 = 11,845,142 ≒ 1185万画素が必要となります。


表2:用紙サイズと必要画素数
分類 名称 参考サイズ
(mm)
縦横比 300dpi換算画素数(※)
(ピクセル)(万画素)
350dpi換算画素数(※)
(ピクセル)(万画素)
(長辺/短辺) アスペクト比
A7   74×105 1.42 7:5 874×1240(108) 1020×1447(148)
エコノミー E 82×117 1.43 7:5 969×1382(134) 1130×1612(182)
サービス(L)  DSC-L、DCL、LD 89×119 1.33 4:3 1051×1406(148) 1226×1640(201)
LC、LS 89×127 1.43 7:5 1051×1500(158) 1226×1750(215)
L-WIDE 89×133 1.49 3:2 1051×1571(165) 1226×1833(225)
L-HV 89×158 1.78 16:9 1051×1866(196) 1226×2177(267)
ハガキ DSC-KG 102×136 1.33 4:3 1205×1606(194) 1406×1874(263)
KG 102×152 1.49 3:2 1205×1795(216) 1406×2094(294)
KG-HV 102×178 1.75 16:9 1205×2102(253) 1406×2453(345)
A6   105×148 1.41 7:5 1240×1748(217) 1447×2039(295)
2E   117×170 1.45 7:5 1382×2008(278) 1612×2343(378)
キャビネ   120×165 1.38 7:5 1417×1949(276) 1654×2274(376)
DSCW、2LD 127×169 1.33 4:3 1500×1996(299) 1750×2329(408)
2L DSC-2L 127×170 1.33 4:3 1500×2008(301) 1750×2343(410)
2L 127×178 1.40 7:5 1500×2102(315) 1750×2453(429)
A5   148×210 1.41 7:5 1748×2480(434) 2039×2894(590)
8C   152×216 1.42 7:5 1795×2551(458) 2094×2976(623)
八切   165×216 1.31 4:3 1949×2551(497) 2274×2976(677)
六切 6P 203×254 1.25 5:4 2398×3000(719) 2797×3500(979)
ワイド六切 6PW、S6W、6W、6CW 203×305 1.5 3:2 2398×3602(864) 2797×4203(1176)
A4 A4 210×297 1.41 7:5 2480×3508(870) 2894×4093(1185)
四切 4P、S4、4A、4C 254×305 1.2 5:4 3000×3602(1081) 3500×4203(1471)
4PW、S4W、4W 254×368 1.49 3:2 3000×4346(1304) 3500×5071(1775)
4CW 254×381 1.50 3:2 3000×4500(1350) 3500×5250(1838)
A3   297×420 1.41 7:5 3508×4961(1740) 4093×5787(2369)
A3ノビ   329×483 1.47 3:2 3886×5705(2217) 4533×6656(3017)
半切   340×410 1.21 5:4 4016×4843(1945) 4685×5650(2647)
  356×432 1.21 5:4 4205×5102(2145) 4906×5953(2921)
全紙   456×565 1.21 5:4 5386×6673(3594) 6283×7785(4891)
  435×540 1.24 5:4 5138×6378(3277) 5994×7441(4460)
  457×560 1.23 5:4 5398×6614(3570) 6297×7717(4859)
A2   420×594 1.41 7:5 4961×7016(3481) 5787×8185(4737)
大全紙   508×610 1.20 5:4 6000×7205(4323) 7000×8406(5884)
A1   594×841 1.42 7:5 7016×9933(6969) 8185×11589(9486)
全倍   600×900 1.50 3:2 7087×10630(7533) 8268×12402(10254)
DSC、DSCWサイズとは、コンパクトデジカメに多い 画像の縦横比が3:4のカメラ専用の印画紙サイズです。
(※ 300dpi/350dpiで印刷したい場合に必要な画素数)


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