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最小絞り設定警告レバー |
昭和52(1977)年発売のNikon FMAから始まり、F5までありましたがF80では無くなりました。 Ai(開放F値自動補正)方式のカメラでも使用するのであれば、今回のレンズのAi改造が有効です。 但し、D70でのみ使用するのであれば、いわゆるAi改造は必須ではありません。 ( CPUレンズ以外は露出計連動しない為、意味なし ) → Fマウント解説−露出計連動ピン・Ai・CPUレンズ対応/AF-S・AF-I・VR使用可否一覧 参照 |
旧ニッコールレンズの絞り環と接触(干渉)するのであれば、今回の改造が有効です。 → Fマウント解説−(M)最小絞り設定警告レバー 参照 |
絞りリングの縁に露出計連動ガイドが付いているレンズ(Ai方式レンズ)を使用し、本体(Ai方式カメラ)側の露出計連動レバーと合わせて開放F値自動補正を行なえる。レンズ後端には開放F値連動ガイドが付いている。 昭和52(1977)年に商品化され、同年「Nikon FM」がこの方式の新機種として発売された。 Ai方式以前は連動爪(通称カニの爪)によって絞込み情報をボディに伝えていた。 |
Ai方式以前のレンズの絞りリングを切削し、露出計連動ガイドの役割をする切り欠きを作り込みAi化する改造。 一時期、メーカーによってこのAi改造が行われていたが現在は行なわれていない。 純正のAiレンズにある解放F値連動ガイドはAi改造レンズには付いていない。 このため装着するボディによって、純正Aiレンズでは可能な多分割測光が、Ai改造レンズでは不可という機能上の制約がある。 尚、Ai改造は「関東カメラサービス」でも行なってくれるようです。 http://www.kanto-cs.co.jp/repair/qa/nikon4.html ( 改造費は1本8000円+消費税 ) |
2.レンズ側面
レンズ側面の画像です。カニの爪は外してあります。
3.レンズマウント部1
レンズマウント面の画像です。(この画像はNIKKOR F2 f50mmではありません。「NIKKOR-Q
Auto 1:4 f=200mm」です) 絞り環の下部がマウント面より後ろ(カメラ側)に飛び出していて、後述の6.最小絞り設定警告レバーを上から押さえ付ける形となり、レンズ装着時に接触してしまいます。 よって、絞り環の下部をマウント面と同じ高さになるまで削る必要があります。 |
4.レンズマウント部2
レンズマウント面の画像です。 Ai(開放F値自動補正)方式に改造する為、赤矢印間(露出計連動ガイド相当部)を除いて絞り環をヤスリで削り取りました。 赤矢印間以外の部分は、レンズマウント面と同じ高さになるまで削ってしまいましたが、本来のAi改造では、レンズ脱着時に本体と干渉してしまう部分(以下のURL参照)と、後述の最小絞り設定警告レバーとの干渉部だけを削ればよいと思います。 それにD70など使用するカメラ側に露出計連動レバーがない場合は、露出計連動ガイド相当部の作り込みは不要です。 <参考にさせて頂いたURL> 秘宝堂 [忙中暇人のAi改造記] : http://www.ne.jp/asahi/nsk/nsk/member/hihou/hihou034.htm |
5.露出計連動ガイド相当部
露出計連動ガイド相当部の拡大画像です。 赤矢印部(露出計連動ガイド相当部)を除いて絞り環をヤスリで削り取りました。 (レンズマウント部と絞り環後部の高さが同じになるまで削ります) D70に装着する場合は、この露出計連動ガイド相当部の作り込みは不要です。 |
最小絞り設定警告レバー(矢印部)の拡大画像です。 レンズが最小絞りにセットされていないと液晶表示パネルに「FEE」エラーが表示されますが、その検知用のレバーです。 レンズ装着時にレンズ側にある突起(7:レンズ側最小絞り設定警告ガイド部参照)がこのレバーを押すことにより、最小絞りになっているかが検知されます。 しかし、このNIKKOR F2 f50mmでは絞り環の下部がマウント面から飛び出していて、このレバーを上から押さえ付ける形となり、 レンズ装着時に接触してしまいます。ムリに装着しても絞り環が堅くて回せませんし故障の原因となります。 よって、最小絞り設定警告レバーと接触してしまう部分の絞り環も削る必要があります。 (レンズマウント部と絞り環後部の高さが同じになるまで削ります) |
7.レンズ側最小絞り設定警告ガイド部
レンズ側にある最小絞り設定警告用ガイド爪です。 (この画像はNIKKOR F2 f50mmではありません) これが本体側の最小絞り設定警告レバーを動かし、レンズが最小絞りにセットされていることを伝えます。 (Ai改造レンズにはこの突起はありません) このレンズの場合は、絞り環後部がレンズマウント面より低くなっていますので何の問題もなくD70に取り付けできます。 |
8.レンズ側最小絞り設定警告レバー干渉部マーク位置1
本体の最小絞り設定警告レバーと干渉するレンズ側位置をマークします。(絞り開放側) レンズを絞り開放にして本体着脱指標に合わせ(レンズはまだ回さない)、最小絞り設定警告レバーと合致する位置をマークします。(マーク1) |
9.レンズ側最小絞り設定警告レバー干渉部マーク位置2
本体の最小絞り設定警告レバーと干渉するレンズ側位置をマークします。(最小絞り側) レンズを最小絞りにして、レンズをD70本体から離し(D70マウント部に差し込まず)、ロック位置まで反時計方向に回したとして最小絞り設定警告レバーと合致する位置をマークします。(マーク2) |
10.レンズ側最小絞り設定警告レバー干渉部マーク結果
前述の 8.レンズ側最小絞り設定警告レバー干渉部マーク位置1 9.レンズ側最小絞り設定警告レバー干渉部マーク位置2 の結果です。 (注:この画像は、Ai改造の為に露出計連動ガイド相当部を除いて全て切削した後のものです) マーク1〜2の間が最小絞り設定警告レバーと干渉する部分です。この部分はレンズマウント部と絞り環後部の高さが同じか、絞り環部が若干低くなるまで削ります。 マーク1〜2の長さは7cm程度でしょうか。(誤差を含め、若干長めに削ったほうがよい) |
絞り環を削るのに使用した充電式ドリルドライバーです。 なければ、金属用ヤスリでも可能です。 |
12.使用工具2
充電式ドリルドライバーのヘッド部です。絞り環は木材用の回転ヤスリで削れました。 ドリルドライバーがなければ、金属用ヤスリでも可能です。 |
13.使用工具3
マスキングテープ、金属用ヤスリと仕上げ用紙ヤスリです。金属用ヤスリは中/小の2種類あった方がよいかもしれません。 削る前にマスキングテープでレンズ絞り環の隙間やレンズ部、距離環など、切削粉が入らないようにマスクしておきます。 切削後は掃除機を使って削りカスを充分吸引して下さい。 |
14.D70に装着
レンズ改造後、D70に装着した画像です。さすがにコンパクトで軽いですね。 |